江戸期の産業
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1.河内名所図会
- 秋里籬島(丹羽桃渓画)『河内名所図会』
(森本太助ほか 享和1(1801)年 【839-78】)(国立国会図書館デジタルコレクション)
※下段は左から表紙、絵に関する記述部分
日本の問屋制家内工業の様子を伝える絵としてしばしば紹介され、5ページ後の記述により、現在の大阪府八尾市高安での綿織物(高安木綿)に関するものであることが分かります。本書は、江戸後期に多く発行された「名所図会」の一つで、今の大阪府東部に当たる「河内」のものです。
「名所図会」とは、ある地域の景勝地や旧跡、寺社などを風景画等の挿絵とともに解説した書物で、書名に「名所図会」が入った書物としては、安永9(1780)年の「都名所図会」が最初だと言われています。この「都名所図会」の大ヒットにより、その後「○○名所図会」と題する書物が多数発行されることになります。
本書の作者である秋里籬島(江戸後期)は、この「都名所図会」の作者でもあり、これらの他にも多くの名所図会を発行しています。絵の作者の丹羽桃渓(1760-1822)は、狂歌本などの挿絵を多く描いた作家です。
2.尾張名所図会
- 岡田啓・野口道直(小田切春江画)『尾張名所図会』
(片野東四郎 明治13(1880)年 【839-76】)(国立国会図書館デジタルコレクション)
※カラー画像は掲載画像のみ
※下段は左から表紙、目次
※3点の高画質の画像:『尾張名所図会』[ZIP:33.4MB]
日本の工場制手工業(マニファクチュア)の様子を伝える絵としてしばしば紹介され、右上に「結城縞織屋の図」との表題が見えます。本書も「名所図会」の一つで、今の愛知県西部に当たる「尾張」のものです。「尾張名所図会」は、天保15(1844)年刊行の前編と、明治13(1880)年刊行の後編から構成されますが、上の絵は後編に収められています。
本書の作者の一人は、尾張名古屋藩士で国史研究に尽力した岡田啓(1780-1860)、絵の作者は、同じく尾張名古屋藩士の小田切春江(1810-1888)です。