くずし字を調べる

くずし字を調べたり、学習する際の代表的な資料について紹介します。
書誌事項末尾の【 】内は当館請求記号です。

1. くずし字を知る

楷書の漢字をくずして作られた文字を「くずし字」といいます。
書道史では楷書の点画を省略した段階によって「くずし字」を「草書」・「行書」等に区別します。しかし、歴史学・日本文学・書誌学では「草書」・「行書」を区別せず、包括的に「くずし字」と総称することが多いです。
くずし字の中でも、特にひらがなの形にくずされており、現在の標準的なひらがなとは異なる文字のことを「変体仮名(異体仮名)」といいます。またそれぞれの仮名の元となった漢字(くずす前の文字)のことを「字母」と呼びます。

(参考)

2. 辞典・字典から調べる

2-1.代表的な辞典・字典

くずし字を調べる際の代表的な辞典類を紹介します。

  • 児玉幸多 編『くずし字用例辞典』(東京堂出版ほか)
    使う側が元の漢字を推測して、部首や画数、音訓などから検索します。同著者の『漢字くずし方辞典』(東京堂書店 2019 【KC612-M1】)は本書のくずし方の記述のみを抜粋した辞典です。
  • 児玉幸多 編『くずし字解読辞典』(東京堂出版ほか)
    くずし字を起筆順に排列した辞典で、くずし方から元の漢字を調べることができます。
  • 江守賢治 編・書『草書検索字典』(三省堂 2007 【KC612-J1】)
    漢字の部首が判読できない際に、草書の第一画目から第三画目までの形を巻頭の「案内標識一覧」から調べることができます。
  • 波多野幸彦 監修 ; 東京手紙の会 編『くずし字辞典』(思文閣出版 2000 【KC612-G31】)
    天皇・公家・武将・僧侶・茶人・文人・商人など400人以上の自筆消息(書状)から筆跡35,000字を収録しています。くずし方や実際の筆の動きを調べることができます。部首・総画・音訓索引が巻末にあります。
  • 井上辰雄 監修『日本難字異体字大字典』文字編解読編(遊子館 2012 【KF45-J118・J119】)
    「文字編」では約12,600字の異体字と約9,500字の中国の古典草字を「くずし字」として収録しています。本書では常用漢字と旧字体とは字形が異なる漢字のことを異体字としています。漢字は部首別に排列されており、巻頭に漢字の音訓索引があります。
    「解読編」は異体字の総画索引となっており、異体字と異体字に対応する現行の文字が掲載されています。

2-2.文例・使用例から調べる

くずし字の文例・使用例から調べる資料を紹介します。以下の古文書に関する字典は、実際の文例や使用例を掲載しています。

古代~近世初期

  • 岩沢愿彦 [ほか]編『古文書文例大字典』(柏書房 1980 【GB8-80】)
    古文書の代表的な文例を4,000例、影印として収録しています。約15,000項目の索引が巻末にあります。

近世

  • 根岸茂夫 監修『江戸版本解読大字典』(柏書房 2000 【KC612-G36】)
    江戸時代の版本に用いられたくずし字(漢字・仮名)約45,000語句を収録しています。各語句には翻字と出典が掲載されています。江戸時代および明治初頭に刊行された版本を中心に190点の版本から収録されています。
  • 林英夫 監修『音訓引古文書大字叢』(柏書房 1999 【GB8-G38】)
    音読み、訓読みから字を引くことができ、14,000の項目と30,000の用字・用例を収録しています。普及版として、『音訓引き古文書字典』【GB8-H18】があります。
  • 根岸茂夫 [ほか]編『古文書字叢』(柏書房 1990 【GB8-E30】)
    2,000点以上の古文書・古記録から採集した23,000の語例と4,200の文例を収録しています。

3. ウェブサイト・ウェブアプリから調べる

くずし字を調べる際に参考になるウェブサイト・ウェブアプリ等を紹介します。

① 資料ビューワ上のメニューから、「T」のボタンを選択します。

次世代デジタルライブラリーで、OCRテキストを表示する方法を説明しています。資料ビューワー上のメニュー画面から「T」のアイコンを選択している画像です。

② 表示している画像の文章が赤く矩形に囲まれます。読みたい矩形にカーソルを合わせると、矩形内の文章のOCRテキストが表示されます。

次世代デジタルライブラリーで、OCRテキストを表示する方法を説明しています。表示している画像の文章が赤く矩形に囲まれます。読みたい矩形にカーソルを合わせ、矩形内の文章のOCRテキストが表示されている画像です。

4. くずし字を使う・学ぶ

くずし字をテキストとして文字入力したいなど、くずし字を実際に使用する場合に用いることができるウェブサービスや、くずし字を学ぶ際のウェブサービスについて紹介します。

  • Unicode変体仮名一覧外部サイト(人文学オープンデータ共同利用センター)
    Unicodeに登録されている変体仮名286文字を現代のひらがなごとに一覧表にまとめています。変体仮名の元となった字母も確認することができます。
    くずし字のフォントについては国立国語研究所が「NINJAL変体仮名フォント」外部サイトを配布しています。
  • そあん(soan)外部サイト(人文学オープンデータ共同利用センター)
    現代日本語テキストをくずし字画像に変換することのできるサービスです。
  • くずし字学習支援アプリKuLa外部サイト
    スマートフォンやタブレットを使ってくずし字を学習することのできるアプリです。大阪大学文学研究科を中心に開発されました。3,000枚を超えるくずし字の用例画像を参照しながらくずし字を学ぶことができます。
  • みんなで翻刻外部サイト(国立歴史民俗博物館・東京大学地震研究所・京都大学古地震研究会)
    ウェブ上で行われている歴史資料の翻刻プロジェクトです。未翻刻の資料の翻刻作業が有志によって行われており、翻刻された資料を閲覧することができます。また翻刻の作業に参加することもできます。翻刻文の閲覧・翻刻への参加には「サインイン」が必要です。

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