韓国所在植民地期日本語文献の調べ方

日本の植民地期(1910-1945年)、朝鮮総督府図書館や京城帝国大学附属図書館では、日本語資料を多数所蔵していました。第二次世界大戦後、それらの資料は韓国国立中央図書館等に引き継がれています。ここでは、それらの資料の調べ方をご紹介します。

◎の資料は東京本館と関西館で所蔵、●の資料は関西館アジア情報室で所蔵しています。【 】内は当館請求記号、ウェブサイトの最終アクセス日は2021年12月16日です。

1. 目録・書誌類

1-1. 目録集

  • 『일제강점기 일본어 단행본 목록집』(日帝強占期日本語単行本目録集)(보고사 2007 【UP151-K4】)
    韓国6機関(国立中央図書館、国会図書館、釜山広域市立市民図書館、ソウル大・延世大・高麗大各図書館)および日本8機関が所蔵する日本植民地期に朝鮮半島で発行された日本語文献の目録です。書名、著者、出版者、出版地、出版年、所蔵機関を掲載しています。
  • 『일제강점기 일본어 잡지자료집 : 목록과 목차』(日帝強占期日本語雑誌資料集:目録と目次)(보고사 2004 【UP54-K14】)
    第1部「図書館別日本語雑誌目録」に、韓国の国会図書館、国立中央図書館、ソウル大・延世大・高麗大各図書館と日本の国立国会図書館、東京大学図書館における日本語雑誌所蔵一覧が掲載されています。
  • ●『藏書分類目錄:解放以前日書部』第1卷, 第2卷, 第3卷, 第4卷, 第5卷(國立圖書館 1961-1963 【UP115-K20】)
    韓国国立中央図書館が所蔵する1945年以前に発行された日本語資料の蔵書目録です。
  • 『한반도・만주 일본어문헌 목록집 : 1868-1945』(韓半島・満州日本語文献目録集:1868-1945)第1-13巻(문 2011 【UP151-K5】)
    1868年から1945年までに朝鮮半島と満州で刊行された日本語資料の目録集です。書誌事項と日中韓の所蔵館を掲載しており、朝鮮半島については「韓半島単行本」(1-2巻)、「韓半島・満州連刊物(定期刊行物)」(8巻)を収録、「書名索引」(11-12巻)と「著者名索引」(13巻)も収録しています。
  • 『한반도・만주 일본어문헌 목차집 : 1868-1945』(韓半島・満州日本語文献目次集:1868-1945)第1-27巻(문 2011 【GE1-K4】)
    上の資料を元に、韓国内で入手可能な資料の目次を掲載しています。朝鮮半島に関する目次は「韓半島単行本」(1-14巻)、「韓半島連刊物(定期刊行物)」(17-24巻)に収録、「索引」(27巻)は書名(各編ごと)と著者名をハングル字母順で排列しています。

1-2. 植民地期の図書館の目録

  • ◎『旧植民地図書館蔵書目録』第1-14巻(ゆまに書房  2002-2004)
    植民地期朝鮮の図書館蔵書目録の復刻版が収められています。当時の所蔵機関ごとに紹介します。

京城帝国大学附属図書館

同館の資料はソウル大学校図書館が引き継いでいますが、所蔵が不明の資料もあります。

朝鮮総督府図書館

同館の資料は韓国国立中央図書館が引き継いでいますが、所蔵が不明の資料もあります。

その他

2. ウェブサイト

  • 韓国国立中央図書館
    朝鮮総督府図書館の蔵書を引き継いでいます。同館のメインページ外部サイトで所蔵資料を検索できるほか、디지털화 자료外部サイト(デジタル化資料)で原文データベースを提供しており、일본어자료(-1945)(日本語資料(-1945))、관보(1894-1945)(官報(1894-1945))などが閲覧できます。
  • ソウル大学校
    ソウル大学校中央図書館が、京城帝国大学附属図書館の蔵書を引き継いでいます。同館のサイト外部サイトで検索できます。
  • 高麗大学校
    高麗大学校図書館は1937年に設立されました。同館の韓半島刊行日本語文献外部サイトで検索できます。
  • 학술연구정보서비스外部サイト(学術研究情報サービス: RISS)
    韓国教育学術研究院(KERIS)が提供する韓国の学術情報の統合検索サイトで、大学図書館の総合目録です。上記2校を含む植民地期に発行された日本語資料を所蔵している機関の蔵書が検索できます。
  • KOLIS-NET外部サイト
    韓国の公共図書館の総合目録です。公共図書館の中には、ソウル特別市立南山図書館や鐘路図書館、釜山広域市立市民図書館(釜山府図書館の蔵書を引き継ぐ)など、日本の植民地期から続く図書館があり、植民地期に発行された日本語資料も所蔵しています。
  • 한국역사정보통합시스템外部サイト(韓国歴史情報統合システム)
    国史編纂委員会、韓国学中央研究院、ソウル大学奎章閣韓国学研究院などの機関が構築した28のデータベースの統合検索システムです。図書・文書・逐次刊行物・研究資料などの歴史関連資料が検索でき、一部は原文も閲覧できます。検索対象には日本語資料も多数含まれています。
  • 한국사데이터베이스外部サイト(韓国史データベース)
    国史編纂委員会が運営するデータベースです。「통감부문서(統監府文書)」「주한일본공사관기록(駐韓日本公使館記録)」など、日本語文献に特化したデータベースを複数収録しています。

3. 参考文献

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