日本に在留する韓国・朝鮮人について知る

日本に在留する外国人約282万人(出入国在留管理庁『在留外国人統計』2021年6月末基準)のうち、朝鮮半島にルーツを持つ在留韓国・朝鮮人は、約44万人に及びます。これは在留中国人(約74万人)、在留ベトナム人(約45万人)に次いで多く、その歴史的経緯や活動について、多数の資料が刊行されています。本稿では、日本に在留する韓国・朝鮮人※について知るために役立つ基本的な情報源を紹介します。
特に断りのない限り、情報源の本文は日本語です。【 】内は当館請求記号です。

※これらの人々については、「在日朝鮮人」「在日韓国人」「在日コリアン」等、論者の観点により様々な呼称が用いられます。本稿では基本的に各資料中の表記に従いますが、総称としては、法務省の『在留外国人統計』の表記にならい「(日本に在留する)韓国・朝鮮人」の呼称を用います。

目次

1.概説書・基本情報
2.歴史的経緯を知るための資料
3.日本国内の関係団体による雑誌・新聞

1.概説書・基本情報

  • 『在留外国人統計』国立国会図書館の所蔵情報へのリンク出入国在留管理庁 年刊 【Z41-5147】)
    日本に在留する外国人に関する統計資料です。国籍・地域別、在留資格別等の各種データを掲載しています。近年のデータは、出入国在留管理庁のウェブサイト外部サイトへのリンクでも閲覧できます。
  • 水野直樹, 文京洙 著『在日朝鮮人 : 歴史と現在』国立国会図書館の所蔵情報へのリンク(岩波書店 2015 【A68-Z-L38】)
    韓国併合以降の歴史を解説しています。巻末に参考文献、年表、五十音順の索引を付しています。
  • 梁泰昊, 山田貴夫 著『新在日韓国・朝鮮人読本 : リラックスした関係を求めて』国立国会図書館の所蔵情報へのリンク(緑風出版 2014 【A68-Z-L31】)
    在日韓国・朝鮮人の現状、法的地位、歴史等に関する26件の質問に対して、回答を付す形式で解説しています。
  • 「定住外国人と家族法」研究会 編著 ; 木棚照一 監修『「在日」の家族法Q&A』国立国会図書館の所蔵情報へのリンク(日本評論社 2010 【AZ-631-J26】)
    在日韓国・朝鮮人の法的地位に関する概説書です。適用される法律、国籍・戸籍、婚姻・離婚、親族、相続、姓に大別し、概説と質問・回答形式の解説を収録しています。巻末に「資料編」として、関連法令の概要、年表、参考文献、索引、統計等を付しています。
  • 国際高麗学会日本支部『在日コリアン辞典』編集委員会 編『在日コリアン辞典』国立国会図書館の所蔵情報へのリンク(明石書店 2010 【A2-J19】)
    在日コリアンの歴史、社会、政治、経済、文化、風俗等に関する約800の人物、事件、事象を収録しています。巻末に画数順の事項索引、人名索引を付しています。
  • 재외동포 정의 및 현황(在外同胞の定義および現況)外部サイトへのリンク(外交部)
    大韓民国外交部のウェブサイトです(朝鮮語)。韓国の在外公館が保有するデータを基に作成された統計などを提供しています。また、同部が隔年で発行する「재외동포현황(在外同胞現況)」がダウンロードできます。

2.歴史的経緯を知るための資料

2-1.年表

2-2.解説書・論文

  • 在日本大韓民国民団中央民族教育委員会 企画 ; 『歴史教科書在日コリアンの歴史』作成委員会 編『在日コリアンの歴史 : 歴史教科書』国立国会図書館の所蔵情報へのリンク(明石書店 2013 【A68-Z-L12】)
    在日本大韓民国民団(民団)中央民族教育委員会の企画による歴史教科書です。巻末に年表と五十音順の索引を付しています。
  • 국사편찬위원회 [編]『일본 한인의 역사(日本韓人の歴史)』国立国会図書館の所蔵情報へのリンク(국사편찬위원회 2009-2010 【A68-Z-K17】)
    朝鮮語資料です(資料集は日本語・朝鮮語併記)。上巻、下巻、資料集の3冊からなり、上巻は時代別、下巻はテーマ別に歴史を解説しています。 資料集は、関連法令、宣言・要望書等を収録しています。原資料は主に日本語で、すべての資料について、朝鮮語訳を付しています。
  • 在日朝鮮人運動史研究会 編『在日朝鮮人史研究』国立国会図書館の所蔵情報へのリンク(緑蔭書房 [1977]- 【Z1-384】)
    在日朝鮮人運動史研究会の会誌です(年刊)。当該分野に関する研究論文を収録しています。

2-3.文献情報・資料集

  • 朝鮮史研究会 編『朝鮮史研究入門』国立国会図書館の所蔵情報へのリンク(名古屋大学出版会 2011 【GE122-J19】)
    朝鮮史研究会が編集する研究入門書です。「在外朝鮮人史」の項(pp.325-333)で、当該分野に関する研究の現状を整理し、巻末の文献一覧(pp.454-457)に、主要な文献の書誌事項を収録しています。
  • 『在日朝鮮人資料叢書』(緑蔭書房 2011- 【A68-Z-J50など】)
    在日朝鮮人に関する多様な資料を収録した叢書です。人口調査、教育、警察、強制動員、メディア(新聞・雑誌)等のテーマごとに、関連資料を収録しています。
  • 朴慶植 編『在日朝鮮人関係資料集成』(三一書房 1975-1976 【A68-Z-21】(戦前編)、不二出版 2000-2001 【A68-Z-G85】(戦後編))
    在日朝鮮人運動に関する基本資料・重要文献を収録した叢書です。戦前編は5巻、戦後編は10巻からなります。
  • 民団70年史編纂委員会 編纂民団70年史 = The seventy-year history of Mindan国立国会図書館の所蔵情報へのリンク在日本大韓民国民団 2017 【A4-M1】)
    「民団70年の足跡」「民団70年の各種事業と記録」等3篇から成り、民団の活動がまとめられています。巻末に地方本部、傘下団体、各種団体、年表等を収録しています。
  • 民團50年史編纂委員會 編纂『民團五十年史』国立国会図書館の所蔵情報へのリンク(在日本大韓民國民團 1997 【A68-Z-K13】)
    朝鮮語資料です。全体を10編に分け、民団の沿革・活動、地方本部や傘下団体の沿革・現況、在日韓国人関係団体の概要・住所録等を収録しています。

2-4.写真集

3.日本国内の関係団体による雑誌・新聞

これまで紹介した資料は、主に、歴史的経緯を扱うものです。現在の暮らしについて知るための情報源としては、日本に在留する韓国・朝鮮人の関係団体が発行している雑誌・新聞が有用です。

  • 『イオ』国立国会図書館の所蔵情報へのリンク(朝鮮新報社 1996- 【Z71-C107】)
    朝鮮新報社が発行する月刊誌です。月刊イオのウェブサイト外部サイトへのリンクでダイジェスト版を閲覧できます。
  • 『Sai』編集委員会 編『Sai = 사이 = サイ』国立国会図書館の所蔵情報へのリンク(在日コリアン・マイノリティー人権研究センター 1991- 【Z6-4308】)
    大阪市生野区に事務所を置く一般社団法人が発行する季刊誌です(近年は半年刊)。
  • 『民団新聞』国立国会図書館の所蔵情報へのリンク(民団新聞社 1996- 【Z85-101】)
    民団の機関紙です。週刊で、日本語記事のみを収録しています。当館では、東京本館新聞資料室で所蔵しています。民団のウェブサイト外部サイトへのリンクで当日の記事と2002年10月以前のバックナンバーが閲覧できるほか、キーワード検索により、過去の記事を閲覧できます。
  • 統一日報社 [編]『統一日報』国立国会図書館の所蔵情報へのリンク(統一日報社 1973- 【Z85-177】)
    東京都に本社を置く統一日報社が発行する新聞です。週刊で、日本語記事のみを収録しています。統一日報社のウェブサイト外部サイトへのリンクで記事を検索・閲覧(一部)できます。
  • 『조선신보(朝鮮新報)』国立国会図書館の所蔵情報へのリンク(朝鮮新報社 【Z89-AK5】)
    在日本朝鮮人総聯合会(朝鮮総連)中央常任委員会の機関紙です。毎週月・水・金曜日発行で、朝鮮語記事と日本語記事を併載しています。朝鮮新報社のウェブサイト外部サイトへのリンクで過去の記事を検索・閲覧できます。
  • 『민족 시보(民族時報)』国立国会図書館の所蔵情報へのリンク(民族時報社 【Z89-AK11】)
    在日韓国民主統一連合(韓統連)の機関紙です。毎月第1金曜日発行で、朝鮮語記事と日本語記事を併載しています。韓統連のウェブサイト外部サイトへのリンクで2013年以降のバックナンバーを閲覧できます。

なお、国立国会図書館オンラインの詳細検索画面の「件名」に、「朝鮮人(日本在留)」を入力して検索国立国会図書館の所蔵情報へのリンクすると、日本語・欧米言語による関係資料を広く検索することができます。

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