中国の「正史」の原文

「史記」「漢書」など、中国の「正史」の"原文"が見たいという時、読者が思い描いているものは様々です。例えば次のような内容が想定されるでしょう。

  • 中国語でどのように表記されているか見たい
  • 活字体がよい
  • インターネットで見たい
  • 漢籍にあたりたい

ここでは、中国の「正史」の原文が見られるウェブサイトや図書について、比較的アクセスしやすいものをご紹介します。
なお、調べ方案内「中国の「正史」の日本語訳」には、正史についての詳しい説明が掲載されています。また、日本語訳には原文が併記されている資料も多く見られますので合わせてご覧ください。

原文を探す際、中国語の表記をテキストで確認するだけでよければ、ウェブサイトで手軽に見ることができます。また、図書資料を見たい場合でも、あらかじめデータベースで検索して該当箇所を特定することができます。目的に応じて使い分けることをおすすめします。

1. ウェブサイト

  • 漢籍電子文獻資料庫外部サイト(中央研究院歷史語言研究所)
    台湾の中央研究院歴史語言研究所が運営するテキストデータベース。「免費使用(無料使用)」をクリックしてウェブサイトに入り、左メニューの「全庫瀏覽(全書庫閲覧)」から史→正史で選ぶことができます。検索では、異体字検索、検索対象(書名、本文、注釈等)や時代区分の指定が可能です。検索結果には、本文(句読点付き)及び底本の掲載箇所等が表示されます。全文検索もできます。
  • 台灣師大【寒泉】古典文獻全文檢索資料庫外部サイト
    陳郁夫氏が運営するテキストデータベース。二十五史、資治通鑑、続資治通鑑、四庫総目などが全文検索できます。メニュー画面で正史等の種類と検索対象(全部、本紀、列伝等)を選択してから検索します。繁体字で検索する必要があります。検索結果には、本文(句読点付き)及び底本の掲載箇所等が表示されます。
  • 漢籍リポジトリ / Kanseki Repository外部サイト
    京都大学人文科学研究所によって構築された漢籍テキストデータベース。目録の史部→正史類から選択する方法のほかに、タイトル検索及び全文検索ができます。繁体字で検索する必要があります。また、検索結果には本文(句読点なし)と掲載箇所が表示され、テキストと底本のデジタル画像を並べて表示させることもできます。

2. 代表的な図書資料

日本語訳の底本として使われることが多いものを挙げています。正史によっては、定番となる底本が異なることもありますので、正確な原文をお探しの際は、個別の研究書もご確認ください。

  • 中華書局の二十四史点校本
    原文テキストに句読点等を付した点校本です。標点本ともいわれます。NDLサーチでは「中華書局 漢書」等のキーワードで検索してください。2013年からは『點校本二十四史修訂本』も順次刊行されています。
  • 『缩印百衲本二十四史』(商务印书馆, 1958)
    宋元の旧刻本を底本とする、漢籍の影印です。NDLサーチでは「百衲本 史記」等のキーワードで検索してください。
  • 『和刻本正史』全39冊(長澤規矩也[ほか] 編 汲古書院)
    訓点付きの和刻本の影印です。書き下しや口語訳のヒントとしても使える場合があります。人名索引【GE12-E6】もあります。刊行されているものは次のとおりです。