アジアの民族衣装

アジア各国・地域(中国、コリア、東南アジア、南アジア、中央アジア、中東、北アフリカ)の民族衣装を調べるための主な資料・情報や検索方法を紹介します。

以下では、最初に「アジア全域」の項目において、全アジア地域をカバーする日本語で参照可能な図鑑・辞典を紹介し、次に、各国・地域の項目内で、それぞれの国・地域の民族衣装を図、写真によって参照できる資料を紹介します。(【 】内は当館請求記号です。ウェブサイトの最終アクセス日:2014.9.25.)

まずは全地域をカバーする図鑑や辞書を参照し、更に詳しく調べる場合は、国・地域ごとの個別文献に当たってください。ただし、国・地域によっては、英語等の欧米言語、さらには現地語の資料を参照する必要があります。

アジア全域

  • 『世界の民俗衣装 装い方の知恵をさぐる』(平凡社 1985 【EF25-328】東京本館所蔵、関西館アジア情報室開架)
    著者が現地で収集した民族衣装から、62種を選び、衣装の構造及び着用法を解説しています。各衣装の着用時カラー写真も掲載されています。
  • 『世界の民族衣装の事典』(東京堂出版 2006 【G185-H85】東京本館人文総合情報室、関西館総合閲覧室開架)
    世界各地の民族衣装を国、地域ごとに解説しています。全体を9つの地域に区分し、国名、地域名、民族名などの項目を立てて「風土と歴史 」「男性の服飾」「女性の服飾」その他の地域に特有な事例について解説しています。各項目について、カラーの図、写真を掲載しています。巻末に衣装名を主とした索引を付しています。
  • 松本敏子『足でたずねた世界の民族服 1』(日本図書センター 2012 【G185-J94】東京本館所蔵、関西館総合閲覧室開架)
    松本敏子『足でたずねた世界の民族服 2』(日本図書センター 2012 【G185-J93】東京本館所蔵、関西館総合閲覧室開架)
    著者の現地調査で得られた民族衣装のカラー写真を掲載し、解説しています。第1巻は地域ごとに区分し、アジアでは、ネパール、イラン・トルコ、タイ、ジャワ、台湾を収録しています。第2巻は「襟の発生と発展」に焦点を当て、各地の民族衣装を研究しています。
  • 原野農芸博物館企画・編集『アジア少数民族服飾図鑑』(奄美文化財団 2002 【GE57-H1】東京本館所蔵、関西館アジア情報室開架)
    中国(雲南省、海南省)、タイ、ラオス、ミャンマー、ベトナムの各民族を、チベット・ビルマ諸語、モン・クメール諸語、タイ・カダイ諸語、ミャオ・ヤオ諸語の4言語系統により分類し、財団法人奄美文化財団原野農芸博物館が所蔵している各民族衣装の写真や、それを着用している現地の人々の写真を収録しています。巻末には各民族の略説と、衣装の写真の解説を付しています。
  • 芳賀日向『アジア・中近東・アフリカの民族衣装 = National Costume of Asia Africa,Middle and Near East』(グラフィック社 2013 【GE91-L18】東京本館人文総合情報室、関西館アジア情報室開架)
    アジア、アフリカ、中近東、オセアニアの各国の民族衣装をカラー写真で紹介しています。
  • 金子量重『アジアの民族造形 「衣」と「食の器」の美』(毎日新聞社 1997 【KB16-G250】東京本館所蔵、関西館アジア情報室開架)
    アジアの「衣」「食」をそれぞれ「東北アジア」「東南アジア」「南アジア」「西アジア」に分け、「衣」部では127のカラー写真を掲載しています。巻末には「衣」「食」の概説と、「図版解説」を付しています。

中国

  • 上海戯劇学院<中国民族服飾>編集委員会編『中国諸民族服飾図鑑』(柏書房 1991 【GE246-E9】東京本館所蔵、関西館アジア情報室開架)
    700以上のカラー図、写真を掲載し、56の少数民族の服飾品の起源と特色について簡潔に説明しています。巻末に付録として、「中国諸民族の衣服の基本構造図」を収録しています。
  • 周汛,高春明『中國歴代婦女粧飾』(三聯書店 1988 【GE246-C6】関西館アジア情報室開架)
  • 慧妍雅集[編]『中國少數民族衣飾』(三聯書店香港分店(製作) 1985 【GE246-C2】関西館アジア情報室開架)
  • 中国人民美術出版社編集『中国少数民族服飾』(美乃美 1981 【GE246-13】東京本館所蔵)
  • Valery M. Garrett "Chinese clothing an illustrated guide"(Oxford University Press 1994 【EF25-A46】東京本館所蔵、関西館アジア情報室開架)
    中国の服飾について「明代」「清代」「20世紀」「軍服」「子供服」「少数民族の服」「素材」の章に分け、図、写真を示しつつ、解説しています。

コリア

モンゴル

  • 内蒙古腾格里文化传播有限责任公司编著『蒙古族服饰图鉴』(内蒙古人民出版社 2007 【GE246-C65】関西館アジア情報室開架)
    モンゴルの服飾の歴史、分類、地域性、特色などを解説しています。約1500の図、写真を掲載しています。表記は中国語です。
  • "Mongol costumes"(Thames and Hudson 1993 【EF25-A45】東京本館所蔵)
  • Үржингийн Ядамсүрэн "Монгол үндэстний хувцас"(Монсудар 2004 【Y722-I13】関西館アジア情報室開架)
    モンゴルの民族衣装のフルカラー図録です。表記はモンゴル語と英語の併記です。

東南アジア

フィリピン

  • Visitacion R. de la Torre "The barong Tagalog then & now"(Tower Book House c2000 【EF25-P8】関西館アジア情報室所蔵)
    フィリピンの男性用民族衣装"バロン‐タガログ"の歴史と現在の状況を、豊富な図と写真を用いて解説しています。

インドネシア

  • Judi Achjadi "Pakaian daerah wanita Indonesia = Indonesian women's costumes"(Djambatan 1976 【EF25-23】東京本館所蔵、関西館アジア情報室所蔵)
    インドネシアの女性の衣装を、形態別に4つに分け、51のモノクロの図とともに解説しています。表記はインドネシア語と英語の併記です。

マレーシア

  • Azah Aziz "Rupa & gaya busana Melayu"(Penerbit Universiti Kebangsaan Malaysia 2009 【Y735-A902】関西館アジア情報室所蔵)
    マレー半島に関する衣装と繊維製品を豊富なカラー写真を用いて解説しています。表記はマレー語です。

ベトナム

  • Đoàn Thị Tình "Trang phục Việt Nam : dân tộc Việt"(Nhà xuất bản Mỹ thuật 2006 【Y741-D233】関西館アジア情報室所蔵)
    古代から現代のベトナムの服装を図、写真とともに解説しています。ベトナム語表記ですが、巻末に英語による要旨が付されています。

カンボジア

  • Chea Narin ... et al. ; translator Ingrid Muan "Seams of change : clothing and the care of the self in late 19th and 20th Cambodia"(Raiyaṃ 2003 【EF25-P17】関西館アジア情報室所蔵)
    19世紀後半から20世紀のカンボジアの伝統的衣装について紹介しています。324のモノクロの図、写真を用いて、布と衣装の形、製作、手入れについて解説しています。クメール語と英語の併記です。

ラオス

  • 木村都、ヴィエンカム・ナンサヴォンドァンシィ『布が語るラオス : 伝統スカート「シン」と染織文化』(進栄堂出版 2008 【KB441-J31】東京本館所蔵、関西館アジア情報室所蔵)
    ラオスの伝統的なスカートであるシンを紹介しています。織、模様などでさまざまに分かれるシンを豊富な写真によって解説しています。

タイ

インド

  • 国立民族学博物館編『装うインド : インドサリーの世界』(千里文化財団 2005 【GE631-H31】東京本館所蔵、関西館アジア情報室開架)
    現代インドにおけるサリーを紹介しています。巻末に用語集が収録されています。
  • 北海道立近代美術館、西武美術館編『インド宮廷衣装』(北海道新聞社 1988 【GE623-E4】東京本館所蔵、関西館アジア情報室所蔵)
  • Roshen Alkazi "Ancient Indian costume"(Art Heritage 2006-2008 【EF25-P20】関西館アジア情報室所蔵)
    古代と中世の2巻から成ります。古代については、B.C.600~A.D.700年代の、中世については、トルコ・モンゴル族のインド侵入以降の衣装を解説しています。2巻末に用語解説が付されています。

中央アジア・中東・北アフリカ

  • フィリップ・J.ワトソン著『古代オリエントの衣裳 旧約時代の人々は何を着たか』(新教出版社 1991 【GA44-E5】東京本館所蔵、関西館アジア情報室開架)
    彫刻、浮彫、壁画などの資料を基に、「シュメール人とアッカド人」「バビロニア人」「アモリ人とカナン人」「ヒッタイト人とアラム人」「イスラエル人とフェニキア人」「アッシリア人」「エラム人とペルシア人」の衣服について解説しています。
  • 文化学園服飾博物館編『西アジア・中央アジアの民族服飾 : イスラームのヴェールのもとに』(文化出版局 2006 【GE57-J1】関西館アジア情報室開架)
    文化学園服飾博物館が所蔵している、パレスチナ、ヨルダン、シリア、イラク、イエメン、トルコ、イラン、アフガニスタン、トルクメニスタン、ウズベキスタンの各民族衣装のカラー写真を収録しています。
  • Yedida Kalfon Stillman "Women's costume of the Near and Middle East"(Brill 2000 【EF25-P13】関西館アジア情報室開架)
    14世紀から20世紀初頭における中東の女性の衣装を解説しています。128の図、写真と21の服の展開図をモノクロで収録しています。

アゼルバイジャン

  • Sabirə Səfi qızı Dünyamalıyeva "Azərbaycan geyim mədəniyyəti tarixi : (bədii-etnoqrafik tədqiqat)"(Nağıl Evi 2003 【Y795-TS-43】関西館アジア情報室所蔵)
    古代から現代までのアゼルバイジャンの衣服の歴史を、考古学資料、絵画、写真を用いて解説しています。表記はアゼルバイジャン語です。

キルギス

  • Antipina Klavdia, Köçkünov Aydarbek "Kırgızların millî giysileri"(Türk Tarih Kurumu Basımevi 2004 【Y782-K121】関西館アジア情報室所蔵)
    キルギス族の服装の歴史を242の図、写真を用いて解説しています。「歴史」「女性の服」「男性の服」「子供の服」の4章から構成されます。トルコ語、キルギス語、英語の併記です。

トルコ

  • "Gravürlerle Türkiye"(T. C. Kültür Bakanlıǧı c1996-1997 【Y782-S50】関西館アジア情報室所蔵)
    全7巻中、6・7巻(副題:衣服と肖像)が服装に関係します。16世紀から19世紀にオスマン帝国へ訪れたヨーロッパ人が当時の社会状況を描いた版画から、人物画及び肖像画を集めています。両巻共に254の図版が掲載され、巻末に索引と用語解説が付されています。表記はトルコ語と英語の併記です。

古代エジプト

モロッコ

  • "Costumes of Marocco"(Kegan Paul International 1990 【YP51-A151】東京本館所蔵、関西館アジア情報室開架)
    1934-1939年の間に著者が現地調査で得たモロッコの服飾スケッチ60を掲載しています。巻末に、モロッコの諸部族の概説、主な衣装についての簡潔な解説を付しています。

さらに、上記以外の資料を検索する場合は、下記の方法が効果的です。

調べたい国・地域が決まっている場合は、国立国会図書館サーチCiNii Books外部サイトから書誌・所蔵情報を、「国・地域名」と「民族衣装」などのキーワードを併用して検索してください。国名のほか、所属する地域(「シリア」を「中東」「イスラーム」など)で、また、「民族衣装」以外の「ファッション」「服飾」「服装」「衣料品」「衣装」「衣服」などの包括的な用語、「装身具」「サリー」などの具体的な用語でもお調べください。

国立国会図書館サーチを用いる場合は、分類記号(国立国会図書館分類表)から検索することも可能です。「EF25」(服飾)「KB441」(染織工芸)「KB451」(装身具)に関係資料が多く分類されていますが、各国の歴史・地理などに分類されているものも存在します。
欧文資料を検索する場合は、「ethnic costume」「costume」「fashion」「dress」「clothing」などのキーワード検索、または分類記号と言語コード(国立国会図書館サーチ詳細検索で「本文の言語コード」欄のテキストボックスの右にあるアイコンから言語コードを選択可)を併用しての検索が有効です。

またインターネット上に次のようなホームページがあります。

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