展覧会図録・カタログ(展観目録)を探す
展覧会で発行される図録・カタログ(以下「展覧会図録」)の探し方について紹介します。日展の図録については調べ方案内「日展図録」を参照してください。
書誌事項末尾の【 】内は当館請求記号です。
1. 当館所蔵の展覧会図録
1980年頃まで当館への展覧会図録の納入率は低かったものの、1985年以降はその多くが納入されています。これに加え、1988年には「加藤まこと展覧会図録コレクション」(1960年代~1980年代の展覧会図録約2,800冊のコレクション。詳細は調べ方案内「加藤まこと 展覧会図録コレクション」参照)が寄贈されました。
また、古い資料の復刻版も所蔵があります。
- 青木茂 監修, 東京文化財研究所 編纂『近代日本アート・カタログ・コレクション』
(ゆまに書房 2001-2008)
明治から昭和戦前期に展覧会図録を主催団体ごとに復刻した資料です。
いずれも国立国会図書館オンラインで検索できます。
1-1. 国立国会図書館オンラインで探す
「詳細検索」画面で、タイトル欄に展覧会名を入力して検索します。 展覧会名が正確に分からない場合は、3.展覧会の開催記録の調べ方で調べてから検索するか、下記のようにテーマから探します。
- 〈テーマから探す場合〉
-
テーマを表す語句に加え、展覧会図録の書誌情報によく含まれる語句(「展」、「記念」、「美術館」、「会期」、「会場」など)を同時にキーワード欄に入力して検索します。
例1)キーワード「仮面」+「会期」で検索
→『近江の仮面』など ※注記欄に「会期:昭和43年...」とあり
例2)キーワード「妖怪」+「展」で検索
→『河童vs天狗 : 妖怪とヒトの交流史 特別展』など
1-2. 冊子体ツールで探す
- 石渡裕子「国立国会図書館所蔵戦前期美術展覧会関係資料目録」
(『参考書誌研究』第50号 1999年2月 pp.2-258 【Z21-291】)(国立国会図書館デジタルコレクション
)
1872年~1944年に国内で開催された美術展覧会(博覧会、売立会・入札会などを含む)の出品目録、図録類を採録し、開催年順に排列しています。巻末に展示会名索引があります。売立会・入札会の詳細は、調べ方案内「売立目録を探す」を参照してください。
2. 他機関所蔵の展覧会図録
- 美術図書館横断検索 展覧会カタログ・図書
(美術図書館連絡会)
(https://alc.opac.jp/search/book/)
江戸東京博物館、神奈川県立現代美術館、国立国際美術館、国立新美術館、国立西洋美術館、東京国立近代美術館、東京国立博物館、東京都現代美術館、東京都写真美術館、東京都美術館、横浜美術館、吉野石膏美術振興財団アートライブラリーの所蔵資料を横断検索できます。 - 展覧会カタログ
(東京文化財研究所)
東京文化財研究所が所蔵する図録について、展覧会名、会場名、開催年から検索できます。
『東京文化財研究所蔵書目録. 6 上(展覧会カタログ 目録編)』(東京文化財研究所 2006 【K1-H14】)が元になっています。
- 愛知芸術文化センター
>アートライブラリー
(https://www.aac.pref.aichi.jp/)
アートライブラリーでは展覧会カタログなど近現代美術関係の資料を所蔵しています。 - 東京大学OPAC
(東京大学)
(https://opac.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/opac/opac_search/)
展覧会図録を多数所蔵している同大学駒場博物館資料室(http://museum.c.u-tokyo.ac.jp/library.html)の資料を検索することができます。詳細検索画面から「配架場所:教養・駒場博物館」を選択します。
- 和光大学梅根記念図書・情報館
(和光大学)
(https://www.wako.ac.jp/library/)
展覧会図録を多く所蔵しており、蔵書検索から検索することができます。 - 『日本の美術館における現代美術展 : 開催記録とその展覧会カタログ一覧』
(文化庁 2019)
全15冊のうち、第9分冊から第15分冊では1953年から2018年までに日本国内で開催された現代美術展の展覧会カタログについて、展覧会名・書誌事項・目次・会期・会場・出品作家名と美術図書館連絡会加盟機関・東京大学駒場博物館・当館等での所蔵有無を開催年月日順に掲載しています。「現代美術」の定義や収録対象等については第1分冊冒頭の「概要」「凡例」や第9分冊「凡例」をご確認ください。国立国会図書館デジタルコレクションで15冊まとめて1ファイルとなっているオンライン版も利用可能であるほか、Art Platoform Japanウェブサイトで増補版
を閲覧できます。
美術図書館横断検索 展覧会カタログ・図書や大学図書館のデータにはCinii Booksや国立国会図書館サーチ
から検索できるものもあります。
3. 展覧会の開催記録の調べ方
展覧会の開催記録を調べると、図録の刊行状況、所蔵機関が同時に確認できる場合があります。
下記に紹介するツールのほか、『日本美術年鑑』(東京文化財研究所 【Z42-82】)の情報、『美術手帖』
(美術出版社 【Z11-44】)などの美術専門誌の情報や新聞記事検索なども役立ちます。
- 日本の美術展覧会記録1945-2005
(国立新美術館)
(https://www.nact.jp/exhibitions1945-2005/index.html)
美術館名、展覧会名、開催年、開催地域などから、個々の展覧会の情報を調べられます。展覧会カタログの刊行状況や所蔵機関(国立新美術館、東京国立近代美術館、東京都現代美術館、横浜美術館、東京都写真美術館、東京国立博物館、江戸東京博物館など)も確認できます。
『日本の美術展覧会開催実績:1945-2005』(国立新美術館 2010 【K3-J136】)が元になっています。
- 美術展覧会開催情報
(東京文化財研究所)
1935年~2017年に国内で開催された近現代美術の展覧会(一部、海外開催の日本人作家の展覧会や古美術の展覧会を含む)について、展覧会名、会場、開催年、会期を確認できます。 - 『展覧会カタログ総覧』1
・2
(日外アソシエーツ 2009 【K1-J5・J6】)
1880年~2007年に国内で開催された展覧会のカタログ約61,300点について、書誌事項、展覧会の会場・会期・主催者、所蔵機関(東京国立近代美術館、国立新美術館、横浜美術館、国立西洋美術館、東京都写真美術館、東京国立博物館、江戸東京博物館)を記載しています。排列は、分野ごと>テーマ・人名ごと>刊行年順です。第2巻の巻末に「人名・事項索引」、「主催者名索引」が付いています。
上述2.の美術図書館横断検索 展覧会カタログ・図書が元になっています。
- アートコモンズ
(国立新美術館)
(http://ac.nact.jp/)
概ね2000年開催~今後開催予定の国内の展覧会情報について、タイトル・会場・会期・概要などを掲載しています。詳細ページ右下のWebcat Plusへのリンクから図録を含む関連する書籍を検索することができます。
- 日本現代美術展調査
(Art Platform Japan)
(https://artplatform.go.jp/ja/resources/research-projects/exhibitions)
戦後国内外で開催された日本の現代美術展の記録を検索できます。国内の記録は『日本の美術館における現代美術展 : 開催記録とその展覧会カタログ一覧』(文化庁 2019)をもとにしています。国立国会図書館デジタルコレクションで15冊まとめて1ファイルとなっているオンライン版
も利用可能であるほか、Art Platoform Japanウェブサイトで増補版
を閲覧できます。
- デパートや画廊主催のもの
-
美術館主催の展覧会図録に比べ、デパート等によるものの当館の所蔵は多くありません。開催記録を調べるうえでは以下の資料の他、百貨店の社史なども有用です。
- 東京美術倶楽部 編『市井展の全貌. 戦前編 (淡交会、珊々会、尚美展から東京会まで)』
(八木書店 2012 【K3-J212】)
東京美術倶楽部 編『市井展の全貌. 戦後編 (東京における百貨店・画商の日本画展観)』(八木書店古書出版部 2015 【K3-L154】)
百貨店美術部や日本画商が開催した美術展(市井展、展観)の開催記録について、「戦前篇」は1910年~1944年、「戦後編」は1945年秋~1970年の記録を収録しています。展名、会期、会場、主催、出品作家、出品作品、作品図版の典拠、刊行物などを調べられます。巻末に五十音順の「作家別掲載図版一覧」が付いています。 - 志賀健二郎 著『百貨店の展覧会 : 昭和のみせもの1945-1988』
(筑摩書房 2018 【DH468-L432】)
巻末に「百貨店で開催の主な文学展(戦後~1989)」、「パルコの展覧会(1974~88年)」などの一覧表があります。 - 淺野敞一郎 著『戦後美術展略史 : 1945-1990』
(求龍堂 1997 【K3-G66】)
巻末に1945年~1990年に美術館・博物館・デパート等で開催された企画展864件のデータが開催年月日順に掲載されています。掲載されている項目は展覧会名・会期・会場・主催者・巡回先・総入場者数・一日平均数です。本文で触れられた展覧会のみであり、網羅的ではないもののデパートで開催された企画展の情報も掲載されています。
- 東京美術倶楽部 編『市井展の全貌. 戦前編 (淡交会、珊々会、尚美展から東京会まで)』