絶滅危惧種について調べる
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目次
1. レッドリスト、レッドデータブックとは
絶滅危惧種について調べるための代表的な資料にレッドリスト、レッドデータブックがあります。
絶滅のおそれのある野生動物の種をリスト化したものが「レッドリスト」であり、レッドリストに掲載された種について、形態や分布域などの詳細な情報をまとめた資料が「レッドデータブック」です。代表的なものとして、環境省や国際自然保護連合
(International Union for Conservation of Nature and Natural Resources:IUCN)が公表しているレッドリスト、レッドデータブックがあります。この他、各都道府県や学会などで独自にレッドリスト、レッドデータブックを作成、公表している場合があります。
2. 日本の絶滅危惧種について調べる
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『レッドデータブック = Red data book : 日本の絶滅のおそれのある野生生物』(環境省自然環境局野生生物課希少種保全推進室 編 ぎょうせい 2014-2015)
2012年から2013年に環境省が公表した「第4次レッドリスト
」に基づくレッドデータブックです。「2014-1 (哺乳類)」、「2014-2 (鳥類)」、「2014-3 (爬虫類・両生類)」、「2014-4 (汽水・淡水魚類)」、「2014-5 (昆虫類)」、「2014-6 (貝類)」、「2014-7 その他無脊椎動物(クモ形類・甲殻類等)」、「2014-8 植物1(維管束植物)」、「2014-9 植物2(蘚苔類・藻類・地衣類・菌類)」の全9巻から成ります。各種について、絶滅危険度を示すカテゴリー、形態、分布域、生息環境、個体数の現況、保護対策の現状などを解説しています。
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『日本の希少な野生水生生物に関するデータブック』
(水産庁 編 日本水産資源保護協会 1998 【RA145-G77】)(目次)
水産資源の持続的利用に資することを目的としてまとめられた、『日本の希少な野生水生生物に関する基礎資料』(1:1994~5:1998 【RA145-E150】)において、「絶滅危惧種」、「危急種」、「希少種」と評価された種(亜種)を解説した資料です。各種について、形態、分布、生態、漁業との関連、現状評価、参考文献などを掲載しています。巻頭に、評価別種類数一覧と分野別評価一覧があり、巻末に『日本の希少な野生水生生物に関する基礎資料』の掲載頁を標準和名から調べることができる索引があります。なお、世界自然保護基金(WWF)ジャパンのホームページの「水産庁のレッドデータブック
」では、本資料と環境省が公表するレッドリストおよびレッドデータブックとの違いを解説しています。
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『レッドデータプランツ = RED DATA PLANTS : 絶滅危惧植物図鑑』
(増補改訂新版 山と溪谷社 2015.3 【RA5-L55】)(目次)
『レッドデータプランツ : 絶滅危惧植物図鑑』
(山と溪谷社 2003.12 【RA5-H60】)の増補改訂新版です。環境省が2012年に公表した「第4次レッドリスト」の「植物Ⅰ(維管束植物)
」に掲載された2,123種の植物のうち、1,152種について解説した資料です。各種について、科名、属名、和名、学名、絶滅危険度を示すカテゴリー、形態、生態、生息地域(都道府県別)をまとめており、カラー写真も掲載しています。巻末に学名索引と和名索引があります。
3. 世界の絶滅危惧種について調べる
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『世界の絶滅危惧生物図鑑 : IUCNレッドリスト』
(IUCN 編 丸善出版 2014.1 【RA4-L4】)
国際自然保護連合(International Union for Conservation of Nature and Natural Resources:IUCN)が作成したレッドリストに掲載された生物(菌類・変形菌類および植物を含む)の中から365種を選び、解説した資料です。絶滅危険度を示すカテゴリー、生態、保護対策の現状、生息地域などの情報をまとめており、カラー写真も掲載しています。巻頭ではIUCNレッドリストに関する基礎情報や歴史を解説しています。巻末に参考文献、用語解説、和名索引、学名索引などがあります。
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『絶滅危惧動物百科』(朝倉書店 2008.4- 2008.9)(目次: 1 / 2 / 3 / 4 / 5 / 6 / 7 / 8 / 9 / 10)
イギリスで出版された"Endangered Animals"(Andromeda Oxford Limited 2002)を翻訳した全10巻の資料です。第1巻では、絶滅危惧種全般に関する情報を扱っており、保全のための組織、個体数減少の原因、保全活動の実際などを解説しています。第2-10巻では、約400種の絶滅危惧動物を和名五十音順に排列し、各種について見開き2ページで解説しています。IUCN作成のレッドリストにおけるカテゴリー(絶滅危険度)、世界の個体数、分布、生息場所、繁殖などの情報をまとめており、カラーの写真または図を掲載しています。各巻末に用語解説、参考文献、参考ウェブサイト、学名・和名索引などがあります。
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『絶滅危惧種図鑑レファレンス事典』
(日外アソシエーツ 2012.12 【RA2-L4】)
国内外の絶滅種や絶滅危惧種など約6,500種について、国内の代表的な図鑑328種433冊の掲載箇所を収録した索引誌(レファレンスブック)です。掲載種は、動物、魚類、昆虫、植物に大別の上、それぞれ一般的な名称の五十音順に排列されています。各種について、学名(英名)、漢字表記、解説(科名などの分類、種類、別名、大きさ、分布地など)、環境省作成のレッドリストカテゴリー、掲載図鑑名(略号で記載。正式名称は別表の一覧にあり。)、掲載ページ、図版種類(カラー/モノクロ、写真/図)をまとめています。巻頭にレッドリストカテゴリー一覧、巻末に学名索引があります。
4. インターネット情報
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環境省 自然環境局 生物多様性センター
ホームページ>いきものログ>RL/RDB
で、環境省がこれまでに公表したレッドリストが閲覧できます。
環境省が公表したレッドリストは、環境省ホームページの報道発表資料一覧から検索して閲覧することもできます。2012年から2013年に公表した「第4次レッドリスト」を一部見直した、「環境省レッドリスト2015」「環境省レッドリスト2017」「環境省レッドリスト2018」「環境省レッドリスト2019」「環境省レッドリスト2020」の閲覧も可能です。
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The IUCN Red List of Threatened Species
(International Union for Conservation of Nature and Natural Resources)
IUCNが作成したレッドリストに関するデータベースです。2022年5月現在、約14万2500種の生物(植物、菌類、原生生物を含む)を収録しており、うち約4万種以上が絶滅危惧種とされています。キーワードの他、分類、分布(国別で指定できます。なお日本の場合、さらに、北海道、本州、四国、九州などで絞り込むことが可能です。)、生息地(森林や砂漠など)などから検索できます。検索結果では、絶滅危険度を示すカテゴリー、そのカテゴリーに分類した理由、個体数、絶滅危惧種となった要因、保護対策の現状などを解説し、生息場所を示した地図、参考文献などを掲載しています。一部の種については、写真を掲載しています。
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世界自然保護基金(WWF)ジャパン
ホームページ>WWFの活動>野生動物を守る>レッドリストとは?>絶滅の危機に瀕している世界の野生生物のリスト「レッドリスト」について
に、国内外のレッドリストに関する情報をまとめています。