アジア開発銀行(Asian Development Bank)

設立及び目的

1966年設立(日本は原加盟国)本部:マニラ(フィリピン)

ADBは68の国・地域(うち49がアジア・太平洋)からなる国際開発金融機関です。アジア・太平洋地域の経済成長および経済協力を推進し、同地域内に所在する途上国の経済開発に貢献することを目的としています。

1963年にECAFE(アジア極東経済委員会、現在のESCAP(国連アジア太平洋経済社会委員会))の主催で第1回アジア経済協力閣僚会議が開催され、アジアにおける地域開発銀行設立の決議の採択が行われたことに端を発します。

1965年のESCAP第2回アジア経済協力閣僚会議でADB憲章としても知られている「アジア開発銀行を設立する協定」(略称:アジア開発銀行設立協定)が採択されました。この協定は1966年8月22日に発効し、同年11月に創立総会が開催され、ADBが正式に設立されました。日本は設立準備段階から参画しています。

Asian Development Bankのウェブサイト外部サイト

財務省によるアジア開発銀行(ADB)に関する政策紹介のページ外部サイト

アジア開発銀行を設立する協定(Agreement Establishing the Asian Development Bank外部サイト

外務省:アジア開発銀行を設立する協定(1外部サイト 2外部サイト 3外部サイト

組織構成

総務会・理事会

ADBの最高意思決定機関は総務会(Board of Governors外部サイト)であり、各加盟国1名の総務(加盟国の財務大臣など)で構成されています。すべての権限が総務会に帰属しますが、総務会は、新規加盟国の承認、授権資本の変更、理事および総裁の選出、協定の改正などの特定の事項を除き、その権限を理事会に委任することができることとされています。

年次総会(Annual Meeting外部サイト)は、加盟国の総務が年に一度会合する機会として、1968年以来毎年開催されています。総務のほか、中央銀行総裁、財界、学界、報道関係者、国際機関、NGOなどが参加し、各国代表による借款や開発協力などの表明、各種公式セミナー、財務大臣主催レセプション、ビジネスセッション、投資誘致PR、各種シンポジウムなどが行われます。 日本では、1966年東京(創立総会)、1987年大阪(第20回)、1997年福岡(第30回)、2007年京都(第40回)、2017年横浜(第50回)で開催されました。

理事会(Board of Directors外部サイト)は、マニラ駐在の12人の理事(アジア・太平洋地域内から8名、その他地域から4名)で構成されます。この理事は隔年で選出されます。また理事会の議長は総裁が務めます。総務会の方針に基づいて、融資、保証、その他のADBの投資や、借入計画、技術援助、その他の銀行業務に関する意思決定のほか、運営予算の承認、年次総会で承認を得るため会計年度ごとの会計報告書の作成を行います。

総裁(President外部サイト)は総務会で選出されます。任期は5年で再選は可能ですが、総務会または理事会のメンバーを兼任することはできません。また総務会の議決権の3分の2の不信任決議によって辞職しなければなりません。なお、総裁は理事会の議長を務めますが、賛否同数になった場合を除いて議決権を持ちません。また総務会に出席することは可能ですが投票はできません。

部局・事務所

本部はフィリピンのマニラにあり、予算や人事、地域活動などを所管する多数の部局で構成されています。
また世界31か所に事務所があり、25か国に駐在員事務所(Resident Mission)を置くほか、フランクフルトに欧州代表事務所(European Representative Office)、東京に駐日代表事務所(Japanese Representative Office)、ワシントンDCに北米代表事務所(North American Representative Office)、シドニーに太平洋地域連絡調整事務所(Pacific Liaison and Coordination Office)、フィジー共和国のスバに太平洋準地域事務所(Pacific Subregional Office)が設置されています。

ADBのウェブサイトでは、部局や地域事務所の一覧外部サイトを確認できます。

アジア開発銀行研究所(Asian Development Bank Institute, ADBI)

ADBIは、日本政府の支援により設立されたアジア開発銀行のシンクタンクです。1996年にADBが承認し、1997年12月10日、東京で正式に発足しました。

ADBIは設立の目的として以下の2つを挙げています。
1.効率的な開発戦略の探求
2.開発途上加盟国の開発事業に携わる機関及び組織の運営管理能力の向上

ADBIの設立目的や管理運営等について規定するStatute of the ADB Institute外部サイトは、ADBIのウェブサイト上で閲覧できます。
ADBIのウェブサイト外部サイト

ADBに関する情報源・主要刊行物

HP上の主要なコンテンツ

ADBは多くの情報をインターネット上で発信しています。

About ADB外部サイト
ADBに関する基本情報が入手できます。
News and Events外部サイト
ADBに関する最近の情報やイベント情報が入手できます。
Data and Statistics外部サイト
経済研究の出版物や統計、データベースなどを閲覧できます。
Publications外部サイト
ADBの書籍、報告書、文書や概要書、定期刊行物、参考文書、業務方針・計画、公式記録、パンフレット、その他のドキュメントをカテゴリーから探して本文を閲覧できます。
ADB Countries and Regions外部サイト
加盟国と地域事務所におけるADBの活動、経済データ、開発援助、地域の取組に関する情報を入手できます。
Projects外部サイト
貸付・技術援助の実績やその評価に関する情報を国ごと、分野ごとに入手できます。
Focus Areas外部サイト
ADBの情報を分野別に入手できます。

また、アジア開発銀行・駐日代表事務所(JRO)は、ウェブサイトで日本語の情報を発信しています。
JROのウェブページ外部サイト

検索ツール

Statistical Database System外部サイト
ADB加盟の発展途上国に関連するマクロ経済や社会的指標データを収録した検索可能なデータベースです。
Asia Regional Integration Center外部サイト
アジア・太平洋地域のFTAの交渉・締結状況、協定文等が掲載されているほか、経済金融指標や経済統合に関連する指標を検索できます。
Asian Bonds Online外部サイト
ASEAN+3(日中韓)各国の債券市場に関する情報やABMI(アジア債券市場育成イニシアティブ)の進捗について、情報発信を行っています。

刊行物

ADBの刊行物は、上記Publicationsのページを中心に、ほとんどがインターネット上で閲覧できます。
ADB Publications Catalogも参照してください。最新のPublications Catalogは、ADBのウェブサイト外部サイトで閲覧できます。

なお、当館が所蔵するPublications Catalogには以下の年次のものがあります。

Publications catalog
所蔵:(Z65-A932)2008-2012
ADB publications
所蔵:(Y591-B22)2003-2007

基本資料

年報
ADB Annual Reports
所蔵:(DE64-1)1967-1984 / (Z61-B8)1985-2011
ADBが毎年刊行する年次報告書です。理事会の議事報告や、アジア・太平洋各地域の現状認識、業務概要やプロジェクトの実施状況等の分析記事を掲載しており、また財務報告や独立監査人の意見を収録しています。
ADBのウェブサイトでは、1967年以降の年次報告外部サイトを閲覧できます。
アジア開発銀行年次報告
所蔵:(Z71-E993)1997-2008(欠1998-2002)
ADB Annual Reportの邦訳です。
ADBのウェブサイトでは、1999年以降の日本語の年次報告外部サイトを閲覧できます。
公式記録
Summary of proceedings
所蔵:(Z61-F614)1993-2008(欠1999、2006)
年次総会議事録の要約です。各加盟国の総務(Governor)による声明や主要討議事項のリストなどが収録されています。
ADBのウェブサイトでは、第37回(2004年)以降のSummary of proceedings外部サイトを閲覧できます。
Board of Governors' Resolutions外部サイト
総務会の決議です。2012年4月2日以降、理事会の決議を経てウェブサイト上に掲載されることとなりました。実際に閲覧できるものは「Resolution No.361」(2013年3月)以降です。
Financial Information Statements外部サイト
毎年作成される、ADBの資本、事業、運営、憲章、法的地位、主要な金融政策等の情報についての報告です。また最新の監査済み財務諸表を収録しています。
Statement of ADB Operations外部サイト
毎年作成される、ADBの業務について理事会へ情報を提供するための報告書です。ADBからの融資や財政支援の金額などについての情報を記載しています。2006年以降のものを閲覧できます。
アジア開発銀行の運営等
Strategy2030
アジア・太平洋地域のニーズに効果的に対応するためにADBが定めた2030年に向けての取り組み指針です。国別アプローチの活用、革新的な技術の利用促進、総合的なソリューションの提供が挙げられています。
ADBのウェブサイトでは、Strategy2030外部サイトの全文を閲覧できます。
ストラテジー2030外部サイト
Strategy2030の邦訳です。
Development Effectiveness Review
所蔵:(Z61-J671)2009+
長期的な戦略フレームワーク、ストラテジー2020の実施における進捗状況についての情報を提供する年次報告書です。
ADBのウェブサイトでは、2008年以降のDevelopment Effectiveness Review外部サイトを閲覧できます。
The ADB Fact Sheets
所蔵:A fact sheet :Japan and ADB (DE64-B655)2002 / Asian Development Bank & Japan :a fact sheet (DE64-B2530)2005
各加盟国の業務内容や連絡先などの情報が記載されています。
ADBのウェブサイトでは、各国について直近のファクトシート外部サイトを見ることができます。
アジア開発銀行と日本
所蔵:(Y141-H39)2005 / (Y141-H40)2006
日本のADBに関する業務内容や連絡先などの情報が記載されています。日本についてのFact Sheetの邦訳です。
ADBのウェブサイトでは最新のアジア開発銀行と日本外部サイトを閲覧できます。
調達に関するガイドライン外部サイト
プロジェクトの実施者に対し、調達に関する情報を提供する資料です。全額または一部がADBの資金供与によって充当される、機材および工事に関わる契約に適用される手続きの概略が述べられています。

統計、経済・開発情報

アジア・太平洋地域の経済
Basic Statistics
所蔵:なし
ADB域内の基礎統計です。アジア・太平洋の45の国と地域の最新のデータを提供しており、国土、人口、国民経済計算、物価、貨幣供給、国際収支、外貨準備高、対外債務の統計などが収録されています。
ADBのウェブサイトでは、2002年以降の基礎統計外部サイトを閲覧できます。
Asia Bond Monitor
所蔵:(Y591-B23)2005,2006
債券市場に関する資料です。ASEAN諸国に加え中国、香港、韓国の債券市場のデータや動向の説明が記載されています。
ADBのウェブサイトでは、2004年以降のAsia Bond Monitor外部サイトを閲覧できます。
Asian Bonds Online外部サイト
ASEAN+3(日中韓)の各国の債券市場に関する情報やABMI(アジア債券市場育成イニシアティブ)の進捗について、情報発信を行っています。
The Key Indicators for Asia and the Pacific
所蔵:(Z51-L156)1974+(関西館所蔵)
(タイトル変遷)
The Key Indicators for Asia and the Pacific (2008+)
Key indicators (2003-2007)
Key Indicators of Developing Asian and Pacific Countries (1990-2002)
Key Indicators of Developing Member Countries of ADB (1974-1989)
主要な年次統計のデータブックです。アジア・太平洋地域発展途上国の各種社会・経済データを国別・主題別に収録しています。
ADBのウェブサイトでは、1999年以降のKey Indicators外部サイトを閲覧できます。
Framework of Inclusive Growth Indicators
所蔵:なし
上記のKey Indicatorsを補完する資料で、アジア・太平洋地域のインクルーシブな(全ての人々に恩恵が行き渡る)成長に関する35の指標を収録しています。また、貧困・格差、経済参画、機会均等、セーフティネットなどに関するデータを国別に記載しています。
ADBのウェブサイトでは、2011年以降のFramework of Inclusive Growth Indicators外部サイトを閲覧できます。
The Asian Economic Integration Report
所蔵:なし
アジアの国家間協力や経済統合を取り扱う報告書で、年に数回出版されます。アジア・太平洋地域の貿易やFTA、地域経済協力などに関連するデータを概観できます。
1997年6月に刊行されたAsia Recovery Report は2001年12月からAsia Economic Integration Monitor に、2015年からThe Asian Economic Integration Report にタイトルが変更されました。
ADBのウェブサイトでは2000年3月以降の報告書外部サイトを閲覧可能です。
開発援助/開発研究
Asian Development Outlook
所蔵:(Z61-D403)1989+(バックナンバーは関西館所蔵)
ADB加盟発展途上国の経済を対象とした包括的な報告書です。各国経済の現状分析、マクロ経済動向の評価、経済成長見通しの予測、貧困削減の進捗状況などが主な内容です。
ADBのウェブサイトでは、1989年(第1版)以降のすべてのAsian Development Outlook外部サイトを閲覧することができます。
Asian Development Review
所蔵:(Z51-N224)1999-2010(関西館所蔵)
ADBスタッフ等による、経済や開発に関する調査結果や研究成果が発表される専門誌です。
ADBのウェブサイトでは、2005年以降のAsian Development Review外部サイトが閲覧できます。
ADB Economics Working Papers
所蔵:なし
経済、開発問題を取り扱う調査研究のワーキングペーパーです。アジア・太平洋地域や各国が直面する課題について現状分析や政策研究を記載しています。
ADBのウェブサイトでは、2002年以降のワーキングペーパー外部サイトを閲覧できます。
Regional Economic Integration Working Papers
所蔵:Regional cooperation in Asia (DE34-B1)2002
アジア・太平洋地域の経済協力に着眼したワーキングペーパーです。地域協力や域内のインフラ・ソフトウェア、貿易・投資、通貨・金融、地域公共財などの領域を分析しています。
ADBのウェブサイトでは、2006年6月以降のワーキングペーパー外部サイトを閲覧可能です。

各サイトのアクセス日:2020年2月17日