電子展示会 本の万華鏡

第110回常設展示 自分を知りたい、他人を知りたい ~「性格」への興味

リサーチ・ナビ本の万華鏡過去の常設展示一覧>第110回常設展示 自分を知りたい、他人を知りたい ~「性格」への興味

第110回常設展示 WHO AM I? WHO ARE YOU? 自分を知りたい、他人を知りたい ~「性格」への興味

キーワード:性格;心理;人間;県民性;心理テスト  カテゴリ:歴史・地理・哲学・宗教    件名(NDLSH):性格;県民性  分類(NDC):141.93

PDF版 PDF file 286KB

 

平成12年9月25日(月)~11月24日(金)

分かっているようで、分かっていないのが自分。繊細なところもあると思うのに、友達には「心臓が強い」と言われる…どういうのが本当の私なんだろう?−誰でも一度は考えたことがあるのではないでしょうか。また、身近にいるあの人はどんな人か、どうすればうまくつきあっていけるのか、そのために、あの人の性格をもっと知りたい!そう思ったことはないでしょうか。自分や他人に対する関心は、今も昔も変わりなく、素朴な人間観察から、性格テストまで、いろんな方法で人の「性格」に対する関心は見られます。今回の展示ではそういった自分や人の「性格」に関する関心があらわれた資料をご紹介します。

展示資料一覧

【 】は当館請求記号

性格に関する素朴な関心

◎人間観察
周りにいる人を観察して人をいろんなタイプに分けて記述、描写すること、そういった形での人間への興味は古代ギリシアの時代から綿綿と続いているようです。おしゃべりな人、ぐちをこぼす人、けちな人… あなたの隣にも、こういう人はいませんか?

1)人さまざま テオプラストス著 森進一訳 東京 岩波書店 1982.1
(岩波文庫) 参考文献:p161〜162
【HC18-1】
人の性格を記述した最古の文献とされる。
2)名画への旅 第10巻 東京 講談社 1992.8
美はアルプスを越えて 北方ルネサンス2 高野禎子,高橋達史責任編集
監修:木村重信ほか
【KC16-E1637】
人間には四種の体液(粘液、血液、胆汁、黒胆汁)があり、優勢な体液がその人の気質を決定する、という古代ギリシアに起源をもつ気質についての考え方があるが、デューラー画『四人の使徒』はその考え方を反映させて描かれたものである。左から、血液の優勢な多血質(明朗、快活、気が変わりやすい)、粘液が優勢な粘液質(冷静、冷淡、感情の変化が少ない)、胆汁が優勢な胆汁質(短気、意志が強い、興奮しやすい)、黒胆汁が優勢な憂鬱質(消極的、悲観的、敏感、用心深い)の人物をあらわしている。
3)性格の発見 あなたはそこにいる 山名正太郎著 大阪 創元社 1959
【141.93-Y385e】
生活に密着した独自の人間観察法によって見出されたさまざまな性格を紹介している。
4)性格の研究 タイプ論からヒーローを読む 木原武一著 東京 PHP研究所 1997.12
(PHP文庫)
【SB134-G56】
歴史上の人物の性格を残された資料からタイプ別に分類する試み。
5)世間子息気質・世間娘容気 江戸の風俗小説  江島其磧〔著〕  中嶋隆訳注
東京 社会思想社 1990.6
【KG225-E3】
「小袖箪笥から衣装を引き出した無茶な悪性娘」
江戸時代の浮世草子にも「気質」を描いているものが多くある。

◎県民性
性格を観察してタイプに分ける場合、出身県によって分けることも多かったようです。西国の人、東国の人、○○県の人はどんな性格といった記述は古くからしばしば見受けられます。県民性のほとんどはその県の風土的イメージに由来しているものと思われますが、統計的に調査しているものもあり、根拠がまったくないというわけでもないようです。

6)日本人の性格 県民性と歴史的人物 宮城音弥著 東京 朝日新聞社 1969
【SB134-2】
地域ごとの歴史的人物から県民性を探る研究。
7)県別日本人気質 きたからみなみまでにほんれっとうにんげんそうまくり
河出書房新社編集部編集  東京 河出書房新社 1983.12
【EC225-359】
各都道府県ごとに、特色・県民性をまとめたもの。巻頭の記事「日本人を育んだふたつの土壌」では、東国と西国の違いについて歴史的な経緯も含め解説しており、『人国記』(展示資料の8)の紹介もある。
8)人国記・新人国記 浅野建二校注 東京 岩波書店 1987.9 (岩波文庫)
【GB391-E1】
畿内五国、東海道十五国、北陸道七国、山陰道八国、山陽道八国、南海道六国、西海道九国の各国ごとに人情・風俗・気質・性格などを記述したもの。『人国記』は著者名、成立年ともに未詳。1502(文亀2)年から1573(天正元)年の間の成立と推定されている。『新人国記』は関祖衡が私案を付し、地形図を添えたもので1701(元禄14)年に版本が刊行されている。
9)現代の県民気質 全国県民意識調査 NHK放送文化研究所編 東京
日本放送出版協会 1997.11
【EC225-G162】
1996年(平成8年)6月から7月にかけて、47都道府県ごとに16歳以上の900人、全国で合計42,300人を対象に実施された、NHK放送文化研究所の県民意識調査の結果を分析したもの。

・各県、地方ごとにも独自の調査に基づいたものや、ユニークなイラストを含むものなど、多くの資料が刊行されている。

10)関東人と関西人 日本の中の日本人論 樋口清之著 東京 ホーチキ商事 1976
参考文献:p.238
【EC225-97】
関東人と関西人との対比をし、両者がどんなに異なり、なぜ異なり、それが今の私達にとってどんな意味があるか、という観点からまとめたもの。食べ物の相違、美と感性の違いなど、さまざまな視点から記述されている。
11)徒然草 イラスト古典全訳 吉田兼好〔著〕 橋本武著 永井文明イラスト 東京
日栄社 1989.12
【KG138-E15】
徒然草第141段に、都の人と東国の人の性質を比べている記述がある。
12)江戸ッ子  三田村鳶魚著  朝倉治彦編 東京 中央公論社 1997.5
(中公文庫 鳶魚江戸文庫 9)
【KH358-G93】
江戸町人にいわれる特殊な人間像「江戸っ子」の気質について。
13)やっぱり北海道だべさ!! 内地の人にはわかんないっしょ 千石涼太郎著 東京
勁文社 1996.5 付:参考文献
【EC225-G49】
北海道の人特有の意識、食文化、自然についての記述の他、「道民性」についてまとめられている。「楽天性」「外交的性質」などが指摘されている。
14)われら東北人 電電公社「東北人の意識調査」より 飽戸弘編著 東京 至誠堂
1980.10
【EC225-257】
15)われら上州人 データが語る県民性 田崎篤郎編著 前橋 上毛新聞社 1984.4
【EC225-380】
16)ナゴヤの掟 中澤天童著 東京 ベストセラーズ 1999.11
(ワニの本 ベストセラーシリーズ)
【EC225-G216】
17)いごっそう考 土佐人気質の性格学的考察 沢田淳著 〔高知〕 高知新聞社 1968
【SB134-4】
本書によれば、「いごっそう」とは「世論が好むと好まざるにかかわらず、その時代その世界にあって、正しいと信ずる道を、肩を張らずに、自分自身の道を、あるいは自分の使命を生きてゆく」人間の本質であり、土佐人に多く見られる気質だということである。

◎ 性格に関する言葉
やさしい、明るい、人がいい、おとなしい……人の性格をあらわす言葉にもさまざまなものがあり、それをまとめようと言う試みも見られます。また、性格に関することわざも多くあります。

18)個性表現辞典 人柄をとらえる技術と言葉  青木孝悦著 東京  ダイヤモンド社
1974
【SB131-13】
人物表現用語の研究書。第二部は用語集になっている。
19)日本語話題事典 渡辺富美雄〔ほか〕編 東京 ぎょうせい 1989.5
1974
【KF91-E28】
「おてんば」「おちゃめ」「几帳面」「昼行灯」「面の皮が厚い」「垢抜けた」など、性格をあらわす言葉の由来。
20)日本のことわざ 下 金子武雄著 東京 朝日新聞社 1986.3
(朝日文庫)
【GD43-49】
「三つ子の魂百まで—幼時の性質はいくつになっても変わらないものだ。」
性格形成の基本が乳幼児期にある、もしくは先天的なものであるということは昔から言われているようだ。
21)図説日本のことわざ 絵と図像の文化 時田昌瑞著 東京 河出書房新社 1999.1
(ふくろうの本)
【KC471-G6】
「人心浮世のたとへ」歌重画
幕末の風刺画の中にも人の性格を言い表したことわざを表現しているものがある。右上から「生馬の目を抜く人」「仏つくってたましいをいれぬ人」など。
22)性格と心 伊宮伶著 東京 新典社 1999.9(知的言葉シリーズ 7)
【US57-G122】
性格に関する日本と世界のことわざ、格言集。
性格を知りたい

自分や隣人の性格を簡単に知りたいという欲求は今も昔も人々の心の中に根強くあるようです。しかしその方法や背景は時代と共に変化してきています。

◎占い・性格判断法
古くから現代に至るまで人の性格や相性などが簡単にわかるという占いや性格判断法は大衆の人気を集めつづけてきました。

23)迷信・俗信大百科 招福大宝典 不二竜彦著 東京 学習研究社 1996.1
【G2-G4】
江戸時代の通俗暦書の「感通即座占秘伝」という項目に人のしぐさから性格を占うというような内容のことが記されているとある。「座る前から話しかける訪問者は、必ず心に思い迷うことがある。」「首を傾げる人は心に憂いがある。」など。
24)江戸時代女性文庫 9 東京 大空社 1994.5
内容:女子教誡・日用重宝女雑書教訓鑑 岡田玉山編・画(文化9年刊) 宝暦大雑書 万々載(安政2年刊)
【GB391-E89】
江戸時代に広く流布した暦占書である大雑書には暦にかかわる占いのほかに手相・人相占いなども見られる。
25)「占い」のすべて「予言」の知識 決定版 東京 新人物往来社 1992.3
(歴史読本臨時増刊 歴史ロマンシリーズ)
【HR511-G702】
歴史のあるさまざまな占いについてくわしく解説されている。
26)血液型と気質 古川竹二著 東京 三省堂 昭和7
【141.97-H853K】
血液型占いブームの源泉となる一冊。
27)性格判断法 大石無患子著 東京 性格判断法発行所 昭12
【724-157】
顔・ふるまいなどから判断。職業適性や、対人関係にもふれている。
28)9つの性格 Nine personalities
エニアグラムで見つかる「本当の自分」と最良の人間関係 鈴木秀子著 東京
PHP研究所 1997.11
【SB134-G54】
人間の本質には9つのタイプがあると想定し、質問項目に回答することにより自分がどの性格タイプにあたるかを知ろうとするもの。
29)筆相判断 相性、適性から子どもの進路まで 森岡博史著
東京 光文社 1983.1 (カッパ・ホームス)
【Y78-6382】
字を書く時の行間のとりかた、字間のあき、文字の形などから性格を判断する、というもの。
30)人間まるわかりの動物占い ビッグコミックスピリッツ編集部編 東京 小学館
1999.6 (小学館文庫)
【HR511-G680】
昨年大流行した動物占いは生年月日から12種類の動物キャラクターに分類され、それぞれの性格、相性などが簡単にわかるようになっている。

◎本当の自分とは−自分探し
1980年代以降「それいけココロジー」の流行など、簡易にできる性格テスト、心理テストなどが巷に氾濫しました。その背景には本当の自分がわからない、自分らしさを発見したいというような、「自分探し」ブームもありました。

31)それいけ!!ココロジー 真実のココロ 気になるあなた・見えない自分
それいけ!!ココロジー編 東京 青春出版社 1991.12
【SB19-E44】
人気テレビ番組「それいけ!!ココロジー」をもとに作られた、ココロジーブームの発端となった一冊。
32)Who are you? あなたの現在を知る本
J.マヤ・ピルキントン、ダイヤグラムグループ編著 長沢静子訳 東京 マール社 1992.10 (Who are you?シリーズ 1)
【SB19-E93】
「自分自身を深層レベルまで掘り下げ、分析するため」のさまざまな方法を集めたもので、占星術や手相、人相など の占いのようなものから、「それいけ!!ココロジー」で扱われたものとも通じるような、図形選択などによる性格判 断テストを掲載している。
33)<私>探しゲーム 欲望私民社会論 上野千鶴子著 東京 筑摩書房 1987.1
【EB98-1261】
「身につけるものをあまたの商品から選ぶのは<私>探しゲームに似ている。」かつて服装はハレ着とケ着に2分される社会的記号であったが、自己表現が大衆化した80年代、服装はいちばん手軽な自己表現のメディアとなっていった。
34)会社がイヤになった時読む本 究極の「自分探し」のすすめ 小川明著 東京
PHP研究所 1998.6
【US51-G1350】
自分探しブームの中で、なんとなく「会社がイヤ」な人たち、「本当の自分はこんなものではない」と言って転職を繰り返す人たちも増えている。そんな人たちのための、自分の生活を冷静に見つめなおすためのアドバイス。
35)アダルト・チルドレンと癒し 本当の自分を取りもどす 西尾和美著 東京
学陽書房 1997.5
【SB237-G210】
本当の自分の人生を生きられないのは家族が原因だった…自分を見つめることから派生して、「アダルトチルドレン」「癒し」などの言葉も流行した。
36)本当の自分になれる本 もう1人の私と出会える心理学 秋山さと子著 東京
エムジー 1988.12
【US51-E379】
自分、親、友人、恋愛、子ども、仕事など、自分とかかわる人間関係から本当の自分を探すこころみ。
37)誰でも「本当の自分」はこんなものではないと思っている
荒井敏由紀著 東京 PHP研究所 1991.7
【US51-E822】
自分に対する不満は「自分で思いこんでいる自分のイメージが高い」のに、「実際の自分が、そのイメージを裏切ってしまう」ことから生まれる。小説や哲学などを参考に等身大の「自分」とつきあっていく方法をさぐる。
38)<じぶん>を愛するということ 私探しと自己愛 香山リカ著 東京 講談社
1999.6 (講談社現代新書)
【SB237-G369】
80年代サブカルチャーから派生したさまざまな社会現象を背景に精神科医が読み解く「私探し」。ニュー・ビジネスになってしまった「癒しブーム」や、過剰な自己愛から病的な誇大自己探しにはまってしまう事例などに警鐘を鳴らしている。

◎自分を変えたい
自分を変えてもっとよりよく生きたい−自己改造ブームをはじめ、「性格を変える」ためのハウツーが語られることも。でもうまくいかないのは性格のせい?自分って、そんなに簡単に変るものなのでしょうか?そのままの自分ではなぜだめなの?疑問はあれこれあるでしょうが、やはり多くの人が、「自分を変えたい」そういう願望に取り付かれていたのは確かです。

39)「流行りもの解体新書 街中にあふれる『自己改造』」
『DIME』 1991年9月3日号
【Z24-771】
自己啓発のための書物や、自己啓発セミナーなど、流行の背景に何があるのか、考察した記事。
40)「"その人なり"の変わり方」
『PHP』 1987年7月号
【Z23-140】
性格には「良いも悪いもない」とした上で、それでも変わりたい、と思う人のためのアドバイス。「問題点を個性として深く受け容れて、その上で改善を試みることを勧めたい」。
41)性格は変えられる 町沢静夫著 東京 ベストセラーズ 1996.2
【SB134-G8】
「一般に「性格は変わらないもの」という考えに疑問を呈し、多くの具体例から、人間の性格がいかに変わるものかを示した」本。
42)自分を変える心理学 新しい人生の発見のために 国分康孝著 東京 PHP研究所
1991.3
【US51-E734】
自分を変えていくための3つのツボとして、思考、感情、行動をあげ、「思いやりのある人間になる方法」「魅力ある人物になる方法」「世渡りがうまくなる方法」など具体的な項目別に対策を示している。

◎自分と他人—人間関係は難しい
性格を知りたいという心理の背景には、自分の性格に関する興味だけではなく、身近にいる人をもっとよく知りたい、もっとよく知って人間関係を円滑にすすめたい、という願望もあります。他人を知るためのノウハウや人間関係についてのアドバイスなども、「本当の自分」の特集と同様あちらこちらに見られます。

43)人を読む法・101の視点 一目でわかる相手の性格 浅野八郎著
東京 PHP研究所 1994.1 (PHP文庫)
【SB134-E116】
言葉以外の、しぐさ・行動のくせなどから人の性格を知るための方法について記したもの。人と親しくなる時の、「似 たものを求める心理」「違ったものを求める心理」などについても記載がある。
44)その人の性格を一目で知る方法 <しぐさ>で見抜く1分間人間診断 田村正晨著
東京 河出書房新社 1997.8 (Kawade夢新書)
【SB134-G43】
43と同様、相手を知り、対人関係をスムーズにするために、相手のクセやしぐさ、口癖などから相手の性格を知る ためのノウハウをまとめたもの。
45)「困った人たち」とのつきあい方
ロバート・M.ブラムソン著 鈴木重吉,峠敏之訳 東京 河出書房新社 1997.6
【EC221-G55】
「人間社会のあらゆる集団や関係に見られる人間関係の場で、応対の容易ではない「困った人」、難攻不落の難物」を七つの型に分け、徹底的に分析し、原因と対処法について親切に説明している。

◎どうして性格診断テストが流行するのか
ココロジーブームなどで流行した性格・心理テストは科学的な根拠や信頼性・妥当性に乏しいものも少なくありません。しかし不安を抱えていたり、自分を知りたいと思う多くの人の心をとらえたのも確かなのです。

46)心理テスト 人間性の謎への挑戦 岡堂哲雄著 東京 講談社
(講談社現代新書) 参考文献:p215
【SB215-E47】
科学的な根拠のない「心理テストもどき」が流行するのは「相手の心や未来の不可解さから生じる不安や恐れを緩和するため」であり、「自分の不安を軽減したい、人の心を覗き見したいという願望に応えるものだからであろう。」
47)「性格検査の妥当性とはなんだろう?——「ココロジー現象」の流行に関連して」
大村 政男 『日本大学人文科学研究所研究紀要』 44 1992 p69〜91
【Z22-250】
「自分探しのゲーム」のような雑誌テストを検証すると、半数以上の人が結果に納得できるという。これをでたらめに作り変えたテストをした場合も同じような結果が出るということから、性格検査の妥当性について疑問を呈している。
  • 国立国会図書館
  • NDL-OPAC 国立国会図書館蔵書検索・申込システム
  • 国立国会図書館サーチ
  • 国立国会図書館デジタルコレクション
  • ひなぎく
  • レファレンス協同データベース
  • 本の万華鏡