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第115回常設展示 雑誌のあゆみ 50年 〜「リーダイ」から「オレンジページ」へ〜

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第115回常設展示 雑誌のあゆみ 50年 〜「リーダイ」から「オレンジページ」へ〜

キーワード:雑誌;週刊誌;創刊;女性誌;男性誌  カテゴリ:芸術・言語・文学 件名(NDLSH):雑誌--歴史  分類(NDC):051

 

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平成13年7月30日(月)~9月28日(金)

 

終戦直後の読み物として欠かすことのできなかった「リーダーズダイジェスト」。
大手スーパーの進出で、雑誌界に革命を起こしたと言われる「オレンジページ」。

本屋で、駅で、コンビニで、私たちは毎日たくさんの雑誌を目にしています。色とりどりの雑誌の世界は、私達の生活に密着した気軽な情報源でもあり、時代と共に移り変わる世界でもあります。
はじめに挙げた2誌は、実は、50年前の売れ筋雑誌第1位と現在の売れ筋雑誌第1位。「読み物としての雑誌」から「カタログとしての雑誌」へと、変遷を示す一例とも言えるでしょう。
また今回、この50年の間に創刊された雑誌を取り上げ、世の中で何が話題になってきたのかを見ていきます。
それぞれの雑誌が語る、時代の流れを感じてみてください。

展示資料一覧

【 】は当館請求記号

50年前の雑誌<1950年8月号>

終戦から5年。当時の雑誌は、現代に比べて活字が非常に多く、読み応えのある記事が売り物でした。写真も普及していなかったので、全体的に堅い印象を与えます。
また、女性を読者対象とした週刊誌はまだなく、主婦向けの月刊婦人雑誌が主流でした。そうしたジャンルの少なさから、男性誌を読む女性も多く、両性の読者を擁した男性誌が上位にランクインしています。

●この頃人気の雑誌上位5誌*1

*1「読書世論調査」(毎日新聞社1951年版)の「買って読む雑誌」を参照。正式な上位5誌ではなく、同ジャンルの雑誌(男性月刊誌、女性週刊誌等)は、ジャンル内のもっとも上位のものを選択した。

第1位 1)リーダーズダイジェスト 1950年8月号
東京 日本リーダーズダイジェスト社 1946-1986
【Z23-78】
略して「リーダイ」。戦後の総合誌の草分け的存在です。アメリカに親会社を持つ外資系企業による「小さな大国際誌」は、この頃、「夫が買って帰り、妻が家で読む雑誌」として、男女両方に人気がありました。また、読み物中心の雑誌として、休刊直前でも45万部の販売部数を誇っていました。
第2位 2)主婦の友 1950年8月号
東京 主婦の友社 2巻7号(大正7年7月)
【Z6-29】
読者の身に立って読者のための雑誌を作る——というコンセプトのもとでつくられ、虐げられた女性の地位向上と女性の家庭生活の幸福を志した雑誌でした。体験実話の投稿が好評で、三浦綾子が作家になる前に投稿していたことでも知られています。
第3位 3)文芸春秋 1950年8月号
東京 文芸春秋 1923-
【YA-101】
菊池寛の創刊。現実に沿った大衆的で読みやすい紙面作りが心がけられました。そのため、"文芸"と銘打ちつつ、時事的な政治記事を扱う点にも特徴があります。
第4位 4)婦人倶楽部 1950年8月号
東京 講談社 1920-1988
【YA5-1116】
「婦人雑誌」「主婦の友」「主婦と生活」と並んで、4大婦人雑誌といわれた雑誌の1つ。この頃各紙は、熾烈な読者獲得競争を展開していました。目次を見ると、女性向けの読み物から、料理、洋裁、貯金の仕方など、当時の女性の関心のありかがうかがえます。特別付録として、洋裁の型紙もついています。
第5位 5)サンデー毎日 1950年8月号
東京 毎日新聞社 1946-
【YA5-1007】
この頃はまだ、女性を対象にした週刊誌というものはなく、ここでランキングされている中で週刊誌はこの1誌です。なかでもこの「サンデー毎日」は、当時の女性にも比較的よく読まれており、週刊誌の中では一番人気でした。

●同時期に創刊された話題の雑誌

6)Men′s club 婦人画報増刊男の服飾第6集
(1956.11)

東京 婦人画報社 1954-
【Z24-87】
男性ファッション誌のさきがけ。もとは「婦人画報」の増刊でした。目次を見ると、「カクテル教室」「軽音楽界」「銀座八丁うらおもて」など、ファッション以外の話題も散見されます。
7)ベ−スボ−ル・マガジン〔第1次〕 創刊号
ベ−スボ−ル・マガジン社 1946〜→「週刊ベースボール」(1958〜)へ
【Z11-24】
終戦直後の昭和21年に創刊され、現在まで続いている唯一の野球雑誌。プロ選手の技術を連続写真で解説した企画は非常に好評で、「週刊ベースボールマガジン」の時代へ引き継がれました。
8)週刊TVガイド 創刊号
東京 東京ニュ−ス通信社 1962-1988→「TVガイド」へ改題
【Z21-102】
まだテレビが普及していない時期でしたが、読者は少なくありませんでした。タレントへのインタビュー、カラーページなど、誌面構成は現在とほぼ変わりません。正確で豊富な情報が売り物でした。

●関連資料

9)「リーダイ」の死 最後の編集長のレクイエム
塩谷紘著 東京 サイマル出版社 1986.7
【UM84-74】
長年、総合誌として人気を誇っていた「リーダーズダイジェスト」の、突然の休刊の裏事情を描いています。あわせて、「最後の編集長」が関わってきた国際ジャーナリズムの世界についても書かれています。
10)週刊誌 その新しい知識形態
週刊誌研究会編 京都 三一書房 1958
【070.1-Sy997s】
1950年代中頃の「週刊誌ブーム」について、その性格、内容、読者など、あらゆる角度から考察。特に読者については、「都会人が多い」「サラリーマンが多い」「男女両方に読まれている」等々、興味深い考察が見られます。
11)「週刊誌ブームの分析−12.000.000部の実態を探る」
内閣官房調査月報 4(5) 1959.10 内閣官房内閣調査室
【Z1-11】
上記『週刊誌』に言及しつつ、当時の週刊誌・準週刊誌53点を分析。その顔ぶれのうち、主だったものは意外にも、現在とあまり大きくは変わりません。今後の展望として、専門化・細分化、地方ニュースを主体にしたものの出現、などを挙げています。
現在の雑誌<2000年8月号>

終戦から55年。雑誌は、爆発的に増加しました。
特に、女性と男性のそれぞれを対象にした週刊誌、写真による既製服の紹介を中心とするファッション誌,、料理写真満載の料理雑誌が増え、生活情報誌としての需要の多さを物語っています。また、その競争の激しさから、同ジャンル内での対象読者の細分化が見られ、各誌とも差異化をはかって読者数獲得を目指しています。
そのため、各誌の読者数は分散傾向にありますが、そうした状況下でトップを独走する「オレンジページ」の特異性が目立ちます。

●この頃人気の雑誌上位5誌*1

*「読書世論調査」(毎日新聞社2001年版)の「最近読んだことのある雑誌」を参照。正式な上位5誌ではなく、同ジャンルの雑誌(男性月刊誌、女性週刊誌等)は、ジャンル内のもっとも上位のものを選択した。

第1位 12)オレンジページ 2000年8月 17日号
東京 オレンジページ 1985-
【Z6-2114】
大手スーパーをバックに、200円という低価格のカラー雑誌として売り出され、出版界に驚愕をもたらしました。スーパーで手に入る食料品を使い、主婦色を薄くした"クッキング"雑誌という趣が成功の鍵。男性読者も少なくありません。創刊3年を目前にして公称800万部を超えました。
第2位 13)週刊女性自身 2000年8月15日号
東京 光文社 1958-
【Z24-23】
創刊の際、女性が女性に呼びかけるのではなく、男性が女性に呼びかけるというスタンスを取り、編集部を男性で固めました。また、無名の人に対する徹底取材のドキュメンと路線が好評を博し、部数を伸ばしました。現在は、"皇室モノ"に定評があり、女性週刊誌として、圧倒的な売上部数を誇っています。
第3位 14)週刊ポスト  2000年8月11日号
東京 小学館 1969-
【Z24-190】
週刊誌が数ある中、各誌毎の特徴がやや見えにくくなっている昨今、一番人気があります。ある意味「一番週刊誌らしい週刊誌」ということでしょうか。
第4位 15)文芸春秋  2000年8月号
東京 文芸春秋 1923-
【Z23-10】
主として50代以上の男性から高い支持を得ているようです。年齢層の非常に高いところでは女性の読者も少なくありませんが、30代以下の男女には、ほとんど読まれていない傾向にあります。
第5位 16)Nonno  2000年8月号
東京 集英社 1971-
【Z24-229】
女子高校生・大学生のバイブル的存在。ファッション、コスメ、ダイエットなど、半ば総合誌的な側面も持っています。一時は、週刊誌の「Anan」とともに「アンノン族」なる風潮も生み出しました。
選外 17)Men's non・no 2000年8月号
東京 集英社 1986-
【Z24-774】
言わずと知れた、「Nonno」の男性版。「Nonno」より、ややファッション専門誌の趣きがあります。「男性ファッション誌」というジャンルの定着に伴い、多様化がみられた結果、ランキングには入りませんでした。
選外 18)ザテレビジョン 首都圏関東版 2000.8.19-25号
角川書店 1985-
【Z21-1243】
昭和37年に創刊されたテレビ雑誌の老舗「TVガイド」(8.参照)と、ほぼ互角に並ぶテレビ雑誌。創刊時は、「TVガイド」の正確な"時刻表"ぶりに対して、"ビジュアル"と"ビジネス"を売り物にして部数を伸ばしました。

●同時期に創刊された話題の雑誌

19)ゼクシィ 創刊号
東京 リクルート 1993-
【Z6-B177】
今でこそ、ブライダル情報誌として20代〜30代の女性に読まれていますが、創刊当時は「男と女の恋愛支援」と銘打ってあり、デートスポットなど、結婚以外についての記事も掲載されています。最近では、各地域に分かれて刊行されています。
20)Dancyu 創刊号
東京 プレジデント社 1991-
【Z6-3754】
タイトルは「男子厨房に入るべからず」の略。とはいえ、「男の料理」雑誌とはちょっと違って、「平たくいえば、ちょっとウルサイ食いしん坊のための情報誌であり、気取って言い直せば食文化人にとってのエンターテインメント・マガジン」(巻頭言より)。ちなみに、10周年記念号では、最近は女性の読者も増えた、との言及も。

●関連資料

21)「特集 キヨスク(東日本・西日本・四国・九州)に聞く この雑誌は″偉い″」
Web&publishing 編集会議 Vol.4(2000.10) p6-p17
東京 宣伝会議 2000-

【Z71-D418】
各地域のキヨスク店舗販売員による、「偉い」雑誌ランキング、その他キヨスクでの雑誌の熾烈な闘いについての特集。雑誌にとっては、キヨスクも重要な販売ポイントの1つです。
この間に話題になった雑誌(年代別・各創刊号)

1950年と2000年の間にはさまれた1980年前後は、雑誌の黄金時代と呼ばれる、雑誌創刊ラッシュの時期でした。
「アンノン族」(「Anan」(1970-)「Nonno」(1971-))、「クロワッサン症候群」(「クロワッサン」(1977-))、「とらばーゆする」(「とらばーゆ」(1980-))、「Focusする/される」(「Focus」(1981-2001))、「Hanako族」(「Hanako」(1988-))など、雑誌とライフスタイルを結びつけた造語が数多く生まれた時代でもあり、人の生き方や社会のあり方と、雑誌との深い結びつきがうかがわれます。
女性誌では、上記にも見られる女性の生き方を模索する雑誌のほかに、「MORE」(1977-)「WITH」(1981-)等の大物ファッション誌が相次いで創刊されました。また、男性誌では従来のサラリーマン路線を敢えてはずし、「オタクっぽさ」を狙って成功した「SPA!」(1988-)が若年サラリーマンに支持されるなどの特徴がありました。
この雑誌ラッシュは、バブルがはじける1990年代後半まで続きましたが、現在は出版界全体が転換期に差し掛かっています。「ガロ」「マルコポーロ」「Focus」「週刊宝石」など、大物雑誌の休刊が続く一方で、「DIAS」「オブラ」など新しい読者層を狙った雑誌も創刊され、いかにつぶれない雑誌を作るか、今後の方向性が模索されています。

●1970年代

22)ASCII 創刊号
東京 アスキー 1977-
【Z14-705】
現在では巷にあふれているパソコン雑誌ですが、まだパソコンがマイクロコンピュータと呼ばれていたこの時代においては、先駆的な雑誌でした。内容はやや専門的な様子ですが、「マイクロコンピュータ総合誌」として、「ホビーとの訣別」を掲げています。

●1980年代

23)とらば−ゆ 創刊号
東京 リクルート 1980-
【Z6-1370】
「働く女性、働きたい女性のための水先案内人」をコンセプトに創刊。「女性のための仕事の手帖」というサブタイトルからも、この頃から、今まであまり流通していなかった女性独自の就職情報が必要とされてきたことがうかがえます。
24)Focus 創刊号
東京 新潮社 1981-2001
【Z24-541】
"写真で時代を語る"をコンセプトに創刊されました。一時は「Friday」「GORO」などと熾烈な販売部数競争を展開していましたが、つい先頃、休刊が決定し、話題となりました。
25)少年ジャンプ 1985年8月6日号
集英社 1巻1号(昭和43年8月)-
【Z32-15】
一頃の熱狂的なマンガブームを過ぎ、今はすっかり定着した感のあるマンガ雑誌。ここでは、マンガブームが頂点に達し、販売部数が400万部を越えた頃の「少年ジャンプ」を取り上げました。当時は、友情・努力・勝利という明確な男性路線を目指していましたが、一方で少年キャラクターが女性読者の支持を受けたことも部数拡大の鍵となりました。

●関連資料

26)写真週刊誌の犯罪
亀井淳著 東京 高文研 1987.5
【UM84-75】
1980年代に相次いで創刊された写真週刊誌ですが、後に取材合戦が過熱し、一部では写真週刊誌自体が被害者を生むなどの批判も相次ぎました。本書は、そういった批判を扱った本の1冊です。
27)雑誌100年の歩み 1874-1990 時代とともに誕生し盛衰する流れを読む
塩沢実信著 東京 グリ−ンアロー出版社 1994.9
【UM84-E34 】
明治から昭和まで、各時代に特徴的な雑誌や雑誌に関する話題について紹介しています。
28)まるごと1冊雑誌の本
東京 女性のための編集者学校出版局 1988.4
【UM84-E4】
雑誌といえば、なんといっても女性誌!・・・というわけではありませんが、女性誌に関する各種考察が載っています。この本も実は、「雑誌」として出版されています。
29)雑誌で見る戦後史
福島鋳郎著 東京 大月書店 1987.4
【UM84-73】
雑誌の表紙に限らず、その記事や広告、ベストセラーになった本など、戦後から現在に至るまでの活字メディアを写真で紹介しています。
30)雑誌大研究 出版戦国時代を探る
斎藤精一著 東京 日本工業新聞社 1979.3
【UM84-27】
「モア」、平凡出版(後のマガジンハウス)、集英社、「クロワッサン」、「婦人公論」、そして「ぴあ」、マンガ雑誌・・・。当代雑誌世界のキーワードについて解説します。
31)「特集 長く読まれる雑誌を作る」
Web&publishing 編集会議 Vol.2(2000.6) p56-p66
東京 宣伝会議 2000-

【Z71-D418】
「Anan」「宝島」「プレジデント」「Nunber」など、長寿雑誌の編集長に、その秘密をインタビュー。まとめとして「長く続く雑誌の条件」4項目を掲載しています。

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