電子展示会 本の万華鏡

第120回常設展示 漏刻(ろうこく)から電波時計まで 〜日本における時間と時計〜

リサーチ・ナビ本の万華鏡過去の常設展示一覧>第120回常設展示 漏刻(ろうこく)から電波時計まで  〜日本における時間と時計〜

第120回常設展示 漏刻(ろうこく)から電波時計まで  〜日本における時間と時計〜

キーワード:時計;時間;時刻;時;時刻制度;暦  カテゴリ:科学技術;社会・労働・教育 件名(NDLSH):時計;時刻;暦  分類(NDC):535.2;449.1

 

PDF版 PDF file 222KB


平成14年6月1日(土)~7月31日(水)

 

突然ですが、6月10日が何の日かご存知ですか?答えは「時の記念日」です。祝日ではないので、なじみがないかもしれません。しかし、その由来は、遠く天智天皇の時代まで遡ることができるのです。
今回は、日本における「時間」に着目します。時計を持っていることが当たり前となった現代に生きていると、逆に「時間」そのものを意識する機会は多くありません。しかし、個人が時計を持つことのなかった時代、さらには時計という存在自体が一般的でなかった時代はどうだったのでしょうか。
本展示では、時代を追って、日本人にとっての時間や時計の存在を検証します。

展示資料一覧

【 】は当館請求記号

定時法と不定時法

日本の時刻制度は、明治以前、太陽の南中時刻を基準とした定時法と、日の出・日の入りを基準とした不定時法が混在する、複雑なものでした。定時法を維持するためにはさまざまな設備が必要でしたし、庶民の生活には不定時法の方がより実感に即したものであったからです。ここでは、古代から江戸時代までのさまざまな時計を中心に、定時法と不定時法の世界を見ていきます。

1)橋本万平 〔著〕 「時計の文化史」(時間<特集>)
言語生活
東京 筑摩書房  403 1985.6 p26〜35
【Z13-168】
「時」の起こりから定時法と不定時法、西洋時計の伝来、和時計など、時計に関する トピックについてトータルにまとめられている。
2)古時計 西洋と日本
塚田泰三郎、本田親蔵共著 東京 東峰書房 1970
【M197-1】
3)新編日本古典文学全集 4 日本書紀 3
小島憲之 〔ほか〕 校注・訳 東京 小学館 1998.6
【KH2-E9】
天智天皇10(671)年夏4月25日の項に、初めて漏刻(=水時計)が使われた、とある。
ちなみにこの水時計が作られたのは斉明天皇6(660)年夏5月。皇太子(=のちの天智天皇)自らが作られたという記述がある。
4)日本・中国・朝鮮古代の時刻制度 古天文学による検証
斉藤国治著 東京 雄山閣出版 1995.4
【MB95-E18】
日本・中国・朝鮮の時刻制度について、文献と天文学の観点からその移り変わりをまとめている。古くから文化の交流のあるこの三国の間にも、微妙な時刻制度の違いがみられる。
5)枕草子(ワイド版岩波文庫)
清少納言 〔著〕 池田亀鑑校訂 東京 岩波書店 1993.4
【KG73-E19】
「時奏する」の段。平安時代、内裏では、漏刻を見た役人が、弦を打ち鳴らして時を告げていた。このときに使われていたのは定時法だと言われている。
6) 日本の時刻制度
橋本万平著 増補版 東京 塙書房 1978.5
【MB96-18】
前半は、古代から明治時代までを通史的に記述し、後半は、時にまつわるさまざまなことがらをとりあげている。ここで紹介しているのは、香時計(香を焚いてその燃え方で時刻を計る)。
7) 和時計展
町田 町田市立博物館 1979.5
【M197-27】
印籠時計は我が国独特の時計である。一人で持ち運びできる機械時計としても、比較的初期のものと考えられる。
8)和時計 江戸のハイテク技術
沢田平著 京都 淡交社 1996.3
【M197-G3】
外国から輸入されたぜんまい時計は、定時法での時刻を示すものであった。しかし、江戸時代の日本では不定時法が採用されており、ぜんまい時計もまた、不定時法に対応するよう作りかえられていた。この写真はその文字盤。
9) 時計の社会史(中公新書)
角山栄著 東京 中央公論社 1984.1
【M197-30】
時刻や時にまつわる話を「時計」の面から検証した本。江戸時代の旅行案内書には、携帯用の日時計がついていた。しかし、松尾芭蕉が旅行した際に用いたのは、実は日時計ではなくお寺の鐘だった…?
定時法の採用

近代的な中央集権国家の建設を目指す明治の日本にとって、今まで採用していた不定時法では、不都合なことが次々と出てきました。不定時法は、日の出・日の入りを基準としているため、地域によって時刻に差が出てしまいます。国内のみならず、外国との交流のためにも、時刻の統一は緊急の課題でした。そこで、明治6年1月1日をもって、不定時法から定時法に切り替えられることになりました。(この時、太陰暦から太陽暦への変更も同時に行われました。)その後、明治19年には、日本の標準時が法律で定められました。ここでは、その改暦の模様、および、時の記念日のはじまりの様子などを取り上げます。

10)改暦弁/時計詳説
福沢諭吉著/三木福輔抄訳 東京 セイコー・ライブラリー 1978.11
【M197-21】
初版は明治6年刊。明治5年12月3日を明治6年1月1日とした、いわゆる「明治の改暦」に際して書かれたもの。太陽暦と太陰暦の違いの説明に加えて、西洋の曜日や月の名前、時計の見方なども記されている。
11)西国立志編(講談社学術文庫)
サミュエル・スマイルズ著 中村正直訳 東京 講談社 1981.1
【GK21-36】
初版の刊行は明治4年。明治維新後の日本人の新しい指針として非常に売れ行きを伸ばした。日本では有名な諺「時は金なり」は、もとはこの「西国立志編」にあるというので調べてみると・・・「光陰は銭財なり」とある。
12)明治改暦 「時」の文明開化
岡田芳朗著 東京 大修館書店 1994.6
【MB95-E17】
明治維新の一連の改革の1つとして行われた太陽暦への改暦は、突然であったこともあって民衆の強い反発と混乱を招いた。この混乱を収拾すべく、明治42年までは、太陽暦・太陰暦が併記されていたという。
13)時間革命
角山榮著 東京 新書館 1998.12
【M197-G11】
庶民に時を知らせる制度の一つとして、江戸時代には「時の鐘」があったが、明治時代になると「午砲(ドン)」に取って代わられた。この章では、その移り変わりと、午砲がサイレンに変わるまでの経過が書かれている。
14)明治・東京時計塔記
平野光雄著 改訂増補版 東京 明啓社 1968
【535.2-H495m2-m】
明治以降、東京市内のあちこちに建てられた時計塔は、時を知る手段として、また、文明開化のシンボルとして、市民に親しまれた。この本では、市内にあった時計塔37点について、その盛衰やエピソードを写真入りで紹介している。
15)国立科学博物館百年史
東京 国立科学博物館 1977.11
【M61-5】
16)明治・大正・昭和業界三世代史
藤井勇二著 東京 時計美術宝飾新聞社 1966
【DL456-2】
大正9(1920)年、6月10日を「時の記念日」と定め、第1回時の記念日には、生活改善同盟会が主体となって「時」展覧会が開催された。国民の生活改善を目的として行われたこの展覧会では、時間尊重、定時励行の宣伝がなされた。また同時に、街頭でも宣伝活動が行われた。
17)新美幸夫 〔著〕 「日本の標準時」(今月の焦点)
天文月報
東京 日本天文学会 90(10) 199710 p472〜479

【Z15-38】
現在の日本の標準時を管理しているのは、文部科学省国立天文台である。ここでは、日本と世界の標準時の関係や、標準時にまつわる法律、制度などについて述べられている。
18)時計の巻
石井研堂著 東京 セイコー・ライブラリー 1978.8
【DL456-5】
初版は明治36年刊。汽車通学をする少年が、父親に時計を買い与えられ、その後、時間や時計についての知識を深めていく、という話。物語仕立てで、子ども向けとはいえ一通りの知識が備わるように書かれている。
19)時計の栞
東京 東京時計商工業協会 1928
【VF6-P-33】
時計の構造や取り扱い方などをわかりやすく説明した、一般向けの小冊子。昭和天皇の即位に伴う記念事業の一環としてつくられたもの。
20)虞美人草(岩波文庫)
夏目漱石著 改版 東京 岩波書店 1972
【KH426-10】
「恩賜の銀時計」とは、帝国大学で学業優秀の卒業生に授与されたものである。この当時、時計の文化的価値が高かったことを示している。
時計の普及

定時法の採用とともに、重要な意味を持つようになったのは、正確な時刻を知ることです。そのために必要なものは…言うまでもなく時計です。当初は、海外からの輸入が中心でしたが、日本でも精工舎などをはじめとして時計産業が発達するようになります。技術の向上とともに、より正確になった時計は、日常生活だけでなく様々な場面で重要な役割を果たすことになります。最新の電波時計は、時計本来の機能である正確さを追及したひとつの形として登場しました。しかし、時計には、時間を計る機械としての顔だけでなく、アクセサリーとしての顔もあります。今や時計は多様な価値を持つようになったのです。

21)明治、大正時代の精工舎とその背景
内田星美著 〔東京〕 〔内田星美〕 1982
【DL456-9】
現在のセイコーグループのもとである精工舎は、明治25年に開業した。掛時計、置時計、懐中時計の三部門を備えた総合時計工場として発達した歴史を窺い知ることができる。
22)橋本迪著 「大東市に於ける実用時計分布状態の調査」
時計
東京 精密工業新聞社 1(5) 1956.7 p6〜7

【Z16-504】
1956年の時の記念日(6月10日)に、大阪の大東市で行なわれた時計の分布調査である。当時の時計の普及状況がわかり興味深い。壊れた時計の台数が調べてあるのは、当時の時計商にとって、時計の修理もまた販売と同じように重要な仕事であったからであろうか。
23)日本時計協会30年史
東京 日本時計協会 1980
【VF6-P-267】
昭和23年に発足した、日本時計協会の30年史。戦後の復興期から、高度経済成長期にかけての時計産業の発展の歴史をたどることができる。
24)歴史の陰に時計あり!! 時計で世界の出来事をウオッチング
織田一朗著 東京 グリーンアロー出版社 1998.9
【M197-G5】
リンドバーグが大西洋横断中に考案した時計や、はじめて宇宙や月に行った時計など、歴史的事件の証人ともなった時計が数多く紹介されている。
25)安達光三、石黒実著 「スポーツ計時の歴史と役割」
日本時計学会誌
東京 日本時計学会 150 1994.9 p43〜56

【Z16-440】
オリンピック中継などで目にする機会の多い、スポーツ計時の歴史が記されている。日本では1964年の東京オリンピックで電子計時システムが誕生したが、一般の時計と異なり、「見せる」ことまで意識したスポーツ計時の特色がうかがえる。
26)Dime
東京 小学館 16(29)(392) 2001.12.20 p40
【Z24-771】
27)栗原則幸 〔著〕 「新時代の「日本標準時」の供給 」
はかる
東京 日本計量機器工業連合会 18(4)(63) 2002.新春 p16〜20

【Z14-B10】
標準電波を受信することにより、常に日本標準時を刻む話題の電波時計のシステムや、時間の計測精度が上昇したことによって生じた国際原子時(TAI)などのいろいろな時間が簡潔にまとめられている。
28) Brutus
東京 マガジンハウス 22(11)(480) 2001.6.15
【Z24-505】
「欲しい時計! いらない時計?」というタイトルで、時計の特集を組んでいる。
ちなみに、みなさんは予価120,000,000円の時計について、どう思いますか?
  • 国立国会図書館
  • NDL-OPAC 国立国会図書館蔵書検索・申込システム
  • 国立国会図書館サーチ
  • 国立国会図書館デジタルコレクション
  • ひなぎく
  • レファレンス協同データベース
  • 本の万華鏡