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第128回常設展示 印の継承譜-国立国会図書館の印と印影-

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第128回常設展示 印の継承譜-国立国会図書館の印と印影-

キーワード:蔵書印;国立国会図書館  カテゴリ:学術一般 件名(NDLSH):蔵書印;国立国会図書館  分類(NDC):014.2 016.1


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平成15年10月1日(水)~12月25日(木)

 

国立国会図書館は開館してから今年で55年になります。
その前身をたどると、一つは明治時代に開設された書籍館です。それから幾度かの変遷を経て帝国図書館となり、昭和23(1948)年6月、帝国議会時代の衆議院・貴族院(参議院)の図書館蔵書を移管して開館しました。蔵書も年々増加し、東京本館だけではなく関西館、国際子ども図書館とも併せるとおよそ800万冊を所蔵しています。
これらの所蔵資料には、それぞれの時代や資料の種類によって、印文はもちろんのこと、形や大きさを変えた様々な蔵書印が捺されています。
今回の展示では国立国会図書館の時代を追って、実際に使われていた印を中心に特徴のある蔵書印をご紹介いたします。
また当館ホームページ「国立国会図書館要覧」では歴代の当館蔵書印の印影が、「蔵書印の世界」には当館所蔵資料にみられる個人や機関の蔵書印が紹介されています。あわせてご覧ください。

展示資料一覧

【 】は当館請求記号

※ 請求記号に【YDM】がついている資料は、展示中でもマイクロフィルムでご利用いただけます。

国立国会図書館の大きな源流として、「帝国図書館」系統がある。「書籍館」から始まり、「帝国図書館」「国立図書館」と継承された。

書籍館

「書籍館」は、明治5(1872)年8月に文部省により湯島の聖堂に開設されたわが国最初の公共図書館である。蔵書は「昌平坂学問所」「和学講談所」「蕃書調所」「大学南校」などから受け継ぎ、また諸官庁や有志からの寄贈書も蔵書として収蔵した。明治6(1873)年3月、太政官の博覧会事務局に合併。また明治8(1875)年に地方官会議の議場として湯島の聖堂が使われることになったため、書籍館は明治7(1874)年7月に浅草に移転し「浅草文庫」と改称した。

1)書籍館印
衛生新論 緒方惟準著
京都 勝村治右衛門等 明治5年3月
【YDM60362】
東京書籍館

明治8(1875)年2月、旧書籍館は博覧会事務局と分離して文部省所管に復帰し、4月に「東京書籍館」として東京・湯島に再開した。その蔵書や物品の大部分を浅草文庫に残してきたため、文部省から新たに1万冊余りを交付され、5月に閲覧を開始した。
東京書籍館は発足当初から納本図書館として性格づけられ、納本制度による国内新刊書や旧諸藩校の蔵書、諸官庁等からの寄贈本などを所蔵、明治9(1876)年末には蔵書数は約7万冊にもなった。
しかし明治10(1877)年2月、戦費調達の必要から、諸経費の節減・行政機構の縮小が図られ、その一端として廃止が決定された。ただし閲覧事務は、東京府書籍館開館まで旧東京書籍館と称して継続された。

2)東京書籍館 [TOKIO LIBRARY FOUNDED BY MOMBUSHO 1872]
植物学 韋廉臣訳 李善蘭記
[出版地不明] 木村嘉平 [出版年不明]
【YDM57231】
「明治5年文部省創立」とあり。桜花などの飾り模様から構成されている。
東京府書籍館

廃止された東京書籍館から蔵書、建物等は東京府に引き継がれ、明治10(1877)年5月に「東京府書籍館」として新たに発足した。
蔵書数と利用者数は次第に増加したが、限られた経費の点で運営に支障をきたすようになったため、文部省の管理下に再びおかれることになった。明治13(1880)年5月に閉館し移管準備に入る。

4)東京府書籍館蔵書印
明治花月歌集 2  下沢保躬編
東京 鏡湖楼 明治10年
【YDM86676】

3.は、開館年である明治10年が「紀元二千五百三十有七年」であることから、開館を記念した蔵書印と推測される。

東京図書館

明治13(1880)年7月、再び文部省所管となり「東京図書館」と改称した。
名称は継続しているが、開館時から明治18(1885)年までの湯島聖堂時代、上野・東京教育博物館との合併時代、明治22(1889)年3月の東京図書館官制公布により東京教育博物館を分離して図書館として独立した時代(博物館は分離して高等師範学校の附属となる)の三つの時期にわけることもできる。
従来無料であった閲覧も、利用者が日々増加して館内が込み合うようになると館内の調整を図る意味でも閲覧料を徴収するようになった。蔵書数も約16万冊となり、新たな図書館の建設を求める声が高まった。

5)東京圖書館蔵
嵯峨のしをり 古川松根著
東京 大成館 明治23年12月
【YDM86002】
獅子がしら付きの印。明治16(1883)年、4代目濱村蔵六(1826-1895 篆刻家 名:大[カイ])製。印材は蝋石
6)東京圖書館蔵書之印
舶用蒸気機関問答 エドワルヅ著 片平平三郎著
東京 松井忠兵衛 明治15年7月
【YDM120002】
明治15(1882)年ごろ以前に使用したとされる。
7)東京圖書館印 [TOKIO LIBRARY]
北海道庁職員録 明治22年4月調
[札幌] 北海道 [明治22,30]
【YDM5793】

国立国会図書館のもう一つの源流は「帝国議会両議院の図書館」である。帝国議会における衆議院の図書館は、明治23(1890)年7月に衆議院事務局が設置され、9月に編纂課が設けられて図書に関する事務を担当することになったときから、また貴族院の図書館は、明治23(1890)年10月に貴族院事務局に編纂課が設置され、図書の購入や管理に当たることになったときに始まる。
昭和23(1948)年、両議院の図書館はその約60年にわたる歴史にピリオドをうち、蒐集資料は国立国会図書館へと移管された。引継ぎ時の蔵書数は、衆議院14万4645冊、貴族院(参議院)2万9990冊の計17万4635冊であった。

衆議院図書館
8)衆議院圖書印
商工省職員録 大正15年8月1日現在 商工大臣官房秘書課[編]
東京 小松印刷所 大正15年
【14.1-130】
明治23(1890)年7月から。
貴族院図書館
9)貴族院圖書印
東京 高山書院 昭和16年
南洋の新知識 和田義隆著
【292.3-W12ウ】
明治23(1890)年10月から昭和22(1947)年5月まで。
参議院図書館
10)参議院圖書係
明治天皇御集 明治会編
東京  新潮社 昭和14年
【780-444イ】
昭和22(1947)年5月から。
帝国図書館

明治30(1897)年4月、田中稲城(1856-1925 帝国図書館初代館長)の努力により「帝国図書館」が開館したが、実際は東京図書館の事業を継続し、その規模を拡張する形となった。東京・上野公園内音楽学校敷地内に約8年の歳月を費やして帝国図書館を新築し、これに移転した明治39(1906)年末現在の蔵書数は約47万冊であった。帝国図書館としての書籍の収集は、昭和22(1947)年12月にその名称を「国立図書館」と改めるまでの約半世紀にわたって続いた。

11)帝國圖書館蔵
綴方教育の発展と帰結 佐藤加寿輔著
【263.2-445】
東京 啓文社書店 昭和9年
一般の和漢書のほとんどに使用されていた印(中型)。印材は黄楊(つげ)。
12)帝國圖書館蔵
私のきもの 伊藤茂平著
東京 実業之日本社 昭和21年
【431-36】
新聞などの大型資料に使用されていた印(大型)。金属製の枠が施されている。
印材は黄楊(つげ)。
13)帝國圖書館
中井敬所(1831-1909 篆刻家)刻。貴重書、特に巻子本などに用いられていた。印材は蝋石。
14)帝國圖書館
香取秀真(1874-1954 鋳金家、歌人)刻。昭和21(1946)年に刻したものであるが、まもなく帝国図書館は廃止されたため、使用されることはなかった。
銅印。
15)帝國圖書館
小型本に使用された印。
16)帝國圖書館 [IMPERIAL LIBRARY]
American Journal of Science Ser.4 vol.151
New Haven J.D. & E.S. Dana
17)帝圖
果樹園芸汎論 永沢勝雄著
東京 産業図書 昭和21年
【625-N22ウ】
「かくし印」として使用された印。主に一般図書に押印されている。
*かくし印とは、事故防止のために目立たぬところに捺されていたもの
18)帝圖
「かくし印」として使用された印。主に和装の貴重図書に押印されている。
国立図書館

昭和22(1947)年12月、帝国図書館は「国立図書館」と改称した。翌23(1948)年には国立国会図書館が創設され、国立図書館は昭和24(1949)年4月に「国立国会図書館支部上野図書館」となり、約100万冊の蔵書とともにその組織下に移った。
国立図書館と称した時代は1年半足らずにとどまり、蔵書印も帝国図書館を模した形となっている。

19)國立圖書館蔵
はきものの科学 勝木新次,三浦豊彦共著
東京 河出書房 昭和23年
【593.8-Ka87ウ】
20)國立圖書館蔵
花伝書 世阿弥著 野上豊一郎校訂
【773-Se11-2ウ】
東京 岩波書店 昭和23年
21)國圖
卓球 高村義雄著
東京 日本教育新聞社 昭和24年
【783.6-Ta45ウ】
22)國圖
国立国会図書館

昭和23(1948)年6月、衆議院・参議院・国立図書館の蔵書の一部を引き継いで「国立国会図書館」が開館した。当時、200万冊あまりだった蔵書数は、収集を重ね現在800万冊近くに及ぶ。時代の流れとともに資料自体の形態も劇的に変化し、多種多様な広がりを見せた。今日、私たちは各々の媒体に対応した様々な蔵書印を目にすることができる。

23)國立國會圖書館蔵書
今日の精神医学 ベンジヨン・ライバア著 山田金一訳
東京 教育書林 1955
【493.7-cL49k-Y】
開館当時から昭和38(1963)年まで使用されていた蔵書印。形や大きさ、和漢書・洋書の区別なく使用された。
24)國立國會圖書館
27)國立國會圖書館蔵書

28)國立國會圖書館蔵書印
書物の扱い方 庄司浅水著
小樽 北海道豆本の会 1957
【020-Sy965s】

24.から28.までの五つの蔵書印は一般の図書ではなく、主に貴重書や準貴重書などの和装本、憲政資料などに使用されていた。
展示されている資料は、豆本と呼ばれる小型の本で珍しい使用例である。

 

29)國立國會圖書館蔵書
全国古本屋地図
東京 日本古書通信社 1988.7
【UE111-E9】
23.の蔵書印に代わり、昭和38(1963)年から使用が開始された。
平成6(1994)年に当館における蔵書印の標示方法が押印による方法から主としてラベルの貼付による方法へと移ったあとも、一部の資料に使用されつづけている。
大小2種類あり。
30)書(日付)国会図
福岡
東京 日地出版 1999.3
【Y77-G4519】
余白の少ない資料、「豆本」と呼ばれる小型の本などに使用されている。
31)登録番号ラベル
健康リフォーム 足立和子著
東京 ヘルスロード出版部 1994.10
【SC194-E907】
平成6(1994)年4月以降、当館への資料の受入順を表す登録番号を人手によって印字する方式から、登録番号のバーコードをシステムによってラベルに表示する方式に変更されたのに伴い、ラベルの大きさにあわせて蔵書印の意匠を改めた。登録番号をバーコード化して表示したラベルは、個々の資料を管理する上で欠かせないものとなっている。
32)標示Iラベル
経営史 安部悦生著
東京 日本経済新聞社 2002.12
【DH11-H1】
平成15(2003)年1月から資料を管理する新たなシステムが導入されたのに伴い、31.のラベルも新しい意匠となった。蔵書印の意匠は、開館当時に使用されていたものから採っている。
33)標示Iラベル
木の家がいちばん
東京 ニューハウス出版 2002.7
*国立国会図書館関西館所蔵

関西館に所蔵されている資料に付されているラベル。
「関西館」の文字を見ることができる。

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