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第135回常設展示 戦時下の出版

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第135回常設展示 戦時下の出版

キーワード:出版史;太平洋戦争  カテゴリ:学術一般;歴史 件名(NDLSH):出版--日本--歴史--昭和時代;太平洋戦争  分類(NDC):023.1

 

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平成17年1月20日(木)~3月15日(火)


「2本よし、3本だめのあと安打をとばし」これは敵性語として英語が追放されていた時代における、野球の実況中継です。「よし」は「ストライク」、「だめ」は「ボール」、「安打」は今では「ヒット」になります。

こうした実況が行われていたのは、今から60数年前。当時、日本は戦争の真っ只中にありました。戦争を体験していない私は、歴史の教科書や祖父母の話、テレビのドキュメンタリー番組や映画などにより、当時の状況に関する知識を得てきました。戦闘、空襲、物資の不足、人々の生活に様々な悲劇と制約とをもたらしたこれらのことがらに並んで私が心を動かされるのは、言論や思想の弾圧です。冒頭の滑稽とも思われる事例に象徴されるような言論統制がまかり通っていた時代、読書の幸せをかみ締めることができる本は出版されていたのだろうか。今回の展示企画は、そんな疑問から生まれました。

ひとくちに戦時下の出版といっても、それはとても広い概念です。そこで、日本出版文化協会(のちの日本出版会)が行った図書推薦事業に焦点をあてることにしました。日本出版文化協会は昭和15年12月に成立し、昭和18年には改組されて日本出版会となりました。内閣情報局の監督下で出版企画の事前審査や印刷用紙の割当査定を行い、出版界の統制および出版業者に対する文化指導の実施機関として機能しました。こうした活動の一環として行われた図書の推薦には、当時から賛否両論があった様子で、書評誌『書物展望』にも、これに対する期待と批判の記述が散見されます。一方、出版史研究者の岡野他家夫氏は著書『日本出版文化史』において、日本出版文化協会の良書推薦事業を「功績の一つ」と評価し、さらに戦況が悪化した昭和18年以降の推薦図書についても、「必ずしも軍や政府の御用向の図書のみが候補にのぼるということはなかった」と振り返っています。

今回は、こうして戦時中に「良書」として推薦された図書を、科学・文芸・芸術・スポーツ等のいくつかの分野から選び、発禁関係書類などの戦時下における出版統制の状況をうかがうことができる資料や、『陸軍』『旋風二十年』など終戦前後の出版界を象徴する図書・雑誌とあわせて展示します。折しも、平成17年は戦後60年目にあたります。展示する資料は、戦時中に出版された図書や雑誌のほんの一部にすぎませんが、「あの時代」の日本を推し量る一助となれば幸いです。

資料をご覧になる場合のご注意

  • 【 】は国立国会図書館の請求記号です。
  • 一部の資料については、資料保存の関係上マイクロフィルム等からの複製を展示しております。

第一章 戦時下の出版体制

戦時中の出版体制に関与した主な機関
【内閣情報局】

昭和15年12月6日設置。内閣総理大臣の管理下に属し、国家的情報・宣伝活動の一元化および言論・報道に対する指導と取り締まりを遂行した。

【社団法人日本出版文化協会】

日本雑誌協会・東京出版協会等の出版関係諸団体を糾合して昭和15年12月19日に設立。内閣情報局の監督下で出版統制の実施機関として機能し、昭和18年には、出版事業令に基づく特殊法人日本出版会として改組された。

【日本出版配給株式会社】

全国の出版物取次業者を統合して昭和16年5月5日に設立。日本出版文化協会(日本出版会)の指導のもと、協会員が発行する全書籍雑誌の一元的配給を行った。

壁面1) 『日配通信』 1巻1号 [複製]
日本出版配給株式会社 昭和16年7月
【雑14-99】
日本出版配給株式会社の書籍小売業者向け情報誌。昭和16年10月発行の1巻7号より『出版普及』と改題。
壁面2) 『出版文化』 第1号 [複製]
日本出版文化協会 昭和16年8月
【Z21-165】
日本出版文化協会の出版業界向け機関誌。
壁面3) 『日本読書新聞』 第165号 [複製]
日本出版文化協会 昭和16年8月15日
【Z86-72】
日本読書新聞社発行の読者向け情報紙であったが、第165号からは日本出版文化協会に移譲された。

※この資料はマイクロフィルム【YB-668】でのご利用となります

出版企画届と用紙の配給

昭和16年6月21日、出版用紙配給割当規定施行。これにより、出版事業者が事前に提出した出版企画届を日本出版文化協会が査定のうえ用紙を配給する制度が確立した。

◆ 1) 『出版新体制の全貌』(『言論統制文献資料集成』 第12巻)
日本図書センター 平成4年2月(小島新生編 出版タイムス社 昭和16年7月の復刻)
【AZ-225-E45】
日本出版文化協会・日本出版配給株式会社の概要および出版物配給調整規定・用紙配給割当規定などの出版関連法規を記載する。
◆ 2-1) 『権利のための闘争』
イェーリング著 日沖憲郎訳 岩波書店 初版 昭和6年11月
【569-14】
◆ 2-2) 『権利のための闘争』
イェーリング著 日沖憲郎訳 岩波書店 第13刷改版 昭和16年10月
【569-14イ】
2-1、2-2の資料はともに同一タイトルの岩波文庫であるが、昭和16年刊行のものは、奥付に岩波書店の日本出版文化協会会員番号が記され、さらに配給元として日本出版配給株式会社の名前が刷り込まれている。配給の印刷用紙は規格判に統一されていたため、判型も変わった。
発売禁止処分

安寧秩序の妨害および風俗壊乱を理由とする出版物の発売および頒布の禁止は、新聞紙法第23条および出版法第19条に基づき行われた。発売禁止命令は内務大臣により命ぜられる絶対的なものであり、司法審査によりその正当性を争う道すらなかった。

◆ 3) 『最新日本地質図』[複製] [部分]
日本鉱山地質学会 昭和15年4月
【特501-898】
発禁処分命令書が添付されており、樺太地域の標高や無電局の位置を明記していることが安寧秩序妨害にあたるとして発売禁止になったことがわかる。
雑誌界の状況

戦時下における雑誌出版の変動を象徴するできごととして、雑誌名の変更と雑誌の統廃合を掲げる。雑誌名における英米語の使用が禁止されたのは昭和18年2月で、『キング』は『富士』に、『エコノミスト』は『経済毎日』に改題された。婦人雑誌を皮切りとして昭和16年頃から始まった同種・同傾向の雑誌の自発的・強制的な統廃合は、昭和18年の出版事業整備要綱に基づく企業整備の開始とともに加速し、昭和19年度だけで約2000誌が廃刊に追い込まれた。

◆ 4-1) 『時局雑誌』 第3巻2号
改造社 昭和19年2月
【雑54-216】
◆ 4-2) 『改造』 第3巻4号/第3巻5号
改造社 昭和19年4月/5月
【Z051.3-Ka1】
『時局雑誌』の内容は、戦地の体験をふまえたレポートや文芸・論述などであった。知名度の高い執筆者を揃えていたこともあり、文芸春秋社発行の『現地報告』と並んで多数の読者を得ていたが、昭和19年2月を最後に『改造』と合併した。これに伴い、従来総合雑誌とされていた『改造』は、昭和19年4月より時局雑誌として扱われることとなった。

※『改造』はマイクロ資料【YA-42】でのご利用となります
※ 資料保存のため、会期途中に『改造』の4号と5号を入れ替えます

◆ 5-1) 『ユーモアクラブ』 第3巻8号
春陽堂文庫出版 昭和14年8月
【Z23-B98】
◆ 5-2) 『明朗』 第7巻9号
春陽堂文庫出版 昭和18年9月
【Z23-B98】
娯楽雑誌『ユーモアクラブ』は、昭和18年3月より『明朗』と改題された。内容も5年足らずの間に様変わりしたことが、目次からうかがえる。

第二章 戦時下の推薦図書

日本出版文化協会時代

昭和16年当時、すでに文部省ほかいくつかの機関による図書推薦の事業が行われていたが、日本出版文化協会は、戦時下の混迷する出版状況下において優れた図書を普及させること、および限られた用紙を効果的に配分することなどを目的として、新たな図書推薦事業を開始した。出版部門別に数十名の推薦図書調査班員と審査員が選任され、第1回から17回までの間に約330冊が指定された。このほか表彰図書という制度もあり、ひとつの図書が推薦と表彰を同時に受けることもあった。

壁面4) 日本出版文化協会推薦図書扁額
(『出版普及』 昭和17年4月1日号 【雑14‐99】 掲載)
日本出版文化協会の推薦図書には特定の帯紙が附され、挟み込まれた「売上カード」により 日本出版配給会社の調査部が流通状況を把握していた。この扁額は推薦図書の販売促進のた めに作成されたもので、各小売書店に有料で頒布された。
壁面5) 日本出版文化協会図書推薦基準・推薦図書選定手順
(『書籍年鑑 昭和17年版』 協同出版社編纂部 昭和17年8月
【025.1‐Sy961-k】掲載)
◆ 6) 『こども風土記』
柳田国男著 朝日新聞社 再版 昭和21年9月
【384.5-Y53ウ】
第6回推薦図書(一般・教養向 昭和17年4月発表)。初版発行は昭和17年。「いろいろな子供の遊びを楽しげに語ってゆくうちに、それが我々の先祖の生活、敬虔な信仰や素朴な行事にその源を発してゐる事をいつしか教へこんでゆく。洵にいみじくも楽しい読みものである」(推薦文)。挿画は初山滋。
◆ 7) 『たぬき汁 : 随筆』
佐藤垢石著 墨水書房 第二刷 昭和16年11月
【US41-H1572】
第1回推薦図書(一般向 昭和16年11月発表)。佐藤垢石は井伏鱒二の師匠でもある釣りの名手で、『垢石釣り随筆』などの著書をもつ。本書はその内容を釣りに限らない随筆集で、「まことに随筆らしい随筆」(推薦文)と評されて人口に膾炙し、4冊にわたる続編が戦後に至るまで刊行された。
◆ 8) 『国語学原論 : 言語過程の成立とその展開』
時枝誠記著 岩波書店 昭和16年12月
【810-To31イウ】
第4回推薦図書(専門向 昭和17年2月発表)。同年6月発表の第1回表彰図書にも入選。国語学者の時枝誠記は、本書により「言語は、思想内容を音声或いは文字を媒介として表現しようとする主体的な活動それ自体である」という考えに基づく「言語過程説」を確立した。
◆ 9) 『上代の彫刻』
上野直昭著 小川晴暘写真 朝日新聞社 昭和17年6月
【E712.1-U45ウ】
第12回推薦図書(教養向 昭和17年10月発表)。小川晴暘は文化財の撮影と出版を専門 とする「飛鳥園」を創設した古美術写真の草分けで、和辻哲郎の『古寺巡礼』も当初は小川 の写真で飾られていた。跋文は小川と交流のあった志賀直哉。
◆ 10) 『満洲の四季』
金丸精哉著 博文館 昭和16年12月
【GE357-G16】
第4回推薦図書(一般向 昭和17年2月発表)。『満洲日々新聞』に連載された「満洲雑暦」をまとめたもの。各民族の行事、歴史、気候の移り変わりを描く。30年近く満州に暮らし、月刊雑誌『満洲グラフ』の編纂にも従事していた著者が、郷土に対するが如き愛情をもって満洲事情を紹介する書。
◆ 11) 『南方読本』
台湾南方協会編 三省堂 昭和16年11月
【292.3-Ta25ウ】
第5回推薦図書(一般向 昭和17年3月発表)。アジア・太平洋諸国への関心が高まるにつれ、南方関係の書籍は大量の発行をみた。際物も多い中、本書は鮮麗・豊富な写真と平明な叙述が評価され、推薦図書となった。
◆ 12) 『先史世界への熱情 : シュリーマン自叙伝』
シュリーマン著 村田数之亮訳 星野書店 昭和17年10月
【289-Sc4ウ】
第17回推薦図書(教養向 昭和18年3月発表)。1891年に第1版、1936年に第2版が出版された、考古学者ハインリッヒ・シュリーマンの自叙伝『Selbstbiographie bis zu seinem Todevervollstandigt』の翻訳本。日本出版文化協会推薦図書のうち、翻訳作品は約25冊程度。
◆ 13) 『隻手に生きる』
小川真吉著 六興商会出版部 昭和16年8月
【915.9−O246ウ】
第1回推薦図書(一般向 昭和16年11月発表)。ノモンハンの激戦で右腕を失った画家が、残された左腕に絵筆を持ち替えて生きようとする姿が描かれている。「謙虚にしかも力強く生抜かうとする精神こそは、日本人の底力であらねばならぬ。この意味に於て、本書は銃後の一般人に一つの示唆を與へる」(推薦文)。出征編、戦闘編、更正編の三篇で構成される。
◆ 14) 『相撲道教本』
佐渡ヶ嶽高一郎著 大日本教化図書 昭和16年8月
【774-109】
第6回推薦図書(一般向 厚生 昭和17年4月発表)。青少年に対する相撲指導者に向けた教本。「正しい相撲道とは、心気、体の融合一致にあり、修身、養気、斎体を一体化することがその要諦であることを直截簡明に説いてゐる」(推薦文)。
日本出版会時代

日本出版会時代にも、図書推薦および図書表彰の事業は引き続き行われた。日本出版文化協会時代には一般、教養、専門、青年、児童の5種類であった読者層を「幼児」「少国民」「青年一般」「工場青年」「農村青年」「学生生徒」「家庭婦人」「教養」「専門」「国民一般」の10種類に細分しており、より対象を絞り込んだ推薦を行おうとしていた様子が見受けられる。

◆ 15) 『日本産有尾類総説』
佐藤井岐雄著 日本出版社 昭和18年3月
【487.8-Sa85ウ】
第1回表彰図書(昭和19年4月発表)。美しい彩色の図版が豊富に入った本書は、戦況厳しい折の出版とは思われないほどであるが、序文には、当初欧文で出版の予定であったところ、時局をはばかり邦文での上梓となった経緯が記されている。
◆ 16) 『日本婦道記 : 小説』
山本周五郎著 講談社 昭和18年8月
【F13-Y317-4aウ】
第3回推薦図書(家庭婦人向 昭和18年10月発表)。『ますらを』『文芸春秋』『婦人倶楽部』等に掲載された短編をまとめたもの。「日本女性の美しさは、その連れそっている夫も気づかないというところに非常に美しくあらわれる」という主題のもとに書かれている。戦後には「女だけが不当な犠牲を払っている」「封建的な低い考え方を民衆に押し付ける役目を果たした」との評価も受けたが、それは自分の意図するところではなかったと著者は語っている。
◆ 17) 『江田島』
清閑寺健著 小学館 昭和18年3月
【915.9-Se119e】
第1回推薦図書(青年一般・少国民向 昭和18年8月発表)。江田島海軍兵学校の生活と、そこで培われる伝統の「江田島精神」を、青少年向きに平易な小説形式で紹介する。
◆ 18) 『大本営』
木村毅著 新潮社 昭和20年4月
【GB441-61】
第23回推薦図書(一般 文学 昭和20年7月発表)。鈴木大拙の『日本的霊性』と共に、日本出版会最後の推薦図書となる。著者木村毅は『海峡の風雲児』で日本出版文化協会の第1回推薦図書にも名前がある。「日清戦争ニ端ヲ発シタ大本営ノ歴史ヲ中核ニ明治天皇ノ御精励ノ御模様ヲ始メ奉リ、国民挙ゲテノ戦ノ日ヲ興味深ク纏メ上ゲタ読物」(推薦文)。
◆ 19) 『自然観察の指導』
橋本為次著 目黒書店 昭和19年5月
【263.7-286】
第14回推薦図書(専門向 昭和19年9月発表)。「国民学校低学年の理数科理科の実際指導について著者の豊富な経験を背景として、実際教育者の立場から書かれたもの・・・中略・・・国民学校教師の教授参考書として推薦する」(推薦文)。

第三章 終戦前後の出版物

終戦直前の刊行物

ここでは、数奇な運命をたどりつつ、終戦直前に刊行された出版物を紹介する。

◆ 20) 『不燃都市 : 防空都市建設の世界的動向と我国の進路』
田辺平学著 河出書房 昭和20年8月
【524.95-Ta83ウ】
自身のフィールドワークに基づき、世界の防火建築および災害に強い都市を紹介するとともに、日本における理想の都市計画を具体的に提案している。空襲により、製本所で第1刷が全焼するという憂き目を見たが、あらためて限定3000部を昭和20年8月15日「大東亜戦争終結新日本建設門出の日」(『田辺平学』所収「我が足跡」)に発行。著者の田辺平学は、戦後においても防災建築の分野で活躍し、日本の都市再建に寄与した。
◆ 21) 『陸軍 : 小説』
火野葦平著 朝日新聞社 昭和20年8月
【KH135-E2】
火野葦平は昭和13年から14年にかけて『麦と兵隊』『土と兵隊』『花と兵隊』の三部作で一世を風靡した作家である。『陸軍』は岩田豊雄の『海軍』に続き朝日新聞に連載された小説であるが、ベストセラーとなった『海軍』とは裏腹に、終戦直前の刊行となった本書は、終戦を察知した出版社により、8月20日の発行予定を10日に早め、急ぎ売りさばかれることとなった。
参考展示  『海軍』
岩田豊雄著 朝日新聞社 昭和18年2月
【KH226-E1】
昭和17年後半から朝日新聞に連載されて同年度の朝日文化賞を受賞、第17回日本出版文化協会推薦図書にもなった。戦時中の小説で最高傑作の一つと評され、「小売店の店頭にこの書物を見出したことがない」といわれるほどの爆発的な売れ行きを見せた。作者の岩田豊雄は、獅子文六の名による家庭小説・ユーモア小説で人気を博した作家でもある。
戦時出版体制の解体

昭和20年9月30日、日本出版会解散。11月4日にはGHQ/SCAPが内務省警保局検閲 課および地方保安課検閲係の廃止を指令、日本政府による出版物の検閲制度は廃止された。以後、GHQ/SCAPによる新たな検閲制度や出版流通機構の混乱などの制約を受けながらも、出版界は新たな方向へ動き出す。以下に掲げるのは、終戦に伴う出版業界の変化を象徴する図書や雑誌である。

壁面6) 『新生』1巻1号 [複製]
新生社 昭和20年11月
【Z051.3-Si16】
戦後間もなく創業された新生社による総合雑誌。『新生(VITA NOVA)』という誌名はダンテの詩に由来する。創刊間もない頃の目次には、戦後民主化関係の論考や、戦時中には異端視されていた永井荷風に関する記事が目立つ。初版36万部を3日間で売ったともいわれ、戦後の雑誌創刊ラッシュの先鞭をつけた。

※この資料はマイクロフィルム【YA-645】でのご利用となります

壁面7) 『英語会話の手引 : カナ付』[複製]
桃井鶴夫著 産業図書 昭和20年11月
【837.8-Mo25ウ】
『日米会話手帖』(昭和20年9月、誠文堂新光社刊。当館未所蔵)のベストセラーを皮切りに、英語関連の手引書が相次いで発行された。

※この資料はマイクロフィルム【YD1-HE-22】でのご利用となります

◆ 22) 『共産党宣言』
マルクス,エンゲルス共著  社会科学研究会訳注
山川書店 昭和21年9月

【363.33-cM39k-S2】
マルキシズム運動の復活を象徴するかのように、終戦後ほどなく、複数の出版社から『共産党宣言』が印刷刊行された。

※この資料は電子資料室でのご利用となります

◆ 23) 『旋風二十年 : 解禁昭和裏面史 上巻』
森正蔵著 鱒書房 昭和20年12月
【210.7-M786s-(s)】
毎日新聞社旧東亜部メンバーが分担して書き下ろした、戦争裏面史。翌年2月に刊行された下巻とともに重版を重ねた。とり急ぎの出版であったため、昭和21年3月には改訂版が、10月には内容に大幅な修正を加えたうえに上下巻を合本し、装丁に横山大観の絵を用いた新装版が出版された。
◆ 24) 『リーダーズダイジェスト』1巻1号,1巻2号
日本リーダーズダイジェスト社 昭和21年6,7月
【Z23-78】
日本版創刊当時、既に40余の国において8ヶ国語で愛読され、世界最大の発行部数を誇っていた米国発祥の雑誌。日本初の日本語版外国雑誌であり、発売の日、岩波書店の周りに夜を徹して並んだ客の列は7回り半に及んだという。

※1巻1号は裏表紙を展示

主要参考資料

出版文化
1942〜1945 日本出版文化協会/日本出版会
(金沢文圃閣の復刻 2003.12〜2004.2による)

【UE17−H10〜14】
出版年鑑
【UP3−10】
昭和17年版、18年版、19〜21年版 協同出版社
(文泉堂出版の翻刻 1978.4による)

日本出版文化史
岡野他家夫 原書房 1981.1
【UE17−60】
昭和ベストセラー世相史
塩澤実信 第三文明社 1988.10
【UE17−E6】
出版:好不況下興亡の一世紀
鈴木敏夫 出版ニュース社 1970
【UE17−2】
岩波書店五十年
岩波書店 1963
【023.9−I922i】
出版事典
出版事典編集委員会(布川角左衛門 代表)編 出版ニュース社 1971
【UE2-4】
言論統制文献資料集成 第20巻 戦前の情報機構要覧
1992 日本図書センター
【AZ-225-E45】
日本雑誌協会史 第2部
日本雑誌協会 1969
【UE3−1】
雑誌で見る戦後史
福島鋳郎 大月書店 1987.4
【UM84−73】
戦後雑誌の周辺
福島鋳郎 筑摩書房 1987.12
【UM84−E1】
戦時下の雑誌:その光と影
高崎隆治 風媒社 1976.12
【UM84−16】
雑誌100年の歩み
塩澤実信 グリーンアロー出版社 1994.9
【UM84−E34】
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