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第149回常設展示 わたしたちの健康法

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第149回常設展示 わたしたちの健康法

キーワード:健康法;食生活;衛生;栄養;健康;養生  カテゴリ:科学技術・医療 件名(NDLSH):健康法  分類(NDC):498.3


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平成19年8月16日(木)~10月16日(火)

 

はじめに

 

報知新聞 1951年4月20日

 

報知新聞 1951年4月20日
東京 : 報知新聞社 第2面【YB-18】より

 

健康ブームといわれて久しい昨今、ちまたにはさまざまな健康法があふれています。健康でありたいという願いは、いつの時代でも切実なものであったのではないでしょうか。

近世、近代、そして現代、人々は持てる知識と知恵を総動員して、様々な健康法を編み出してきました。江戸時代、貝原益軒はさまざまな医書や養生書の知識と自身の経験を基に『養生訓』を著し、健康に生きるための心得を広めました。明治時代になると、西洋の先進的な知識が広まり、衛生、栄養、運動など、様々な観点から健康の維持、増進を目的とする書物が多数出版されました。

そして現代、科学の進歩と経済成長により、栄養状態は改善され、かつて日本で猛威を振るっていた感染症の数々は激減しました。しかし、豊かで便利な一方で忙しい現代生活は、偏った食生活や運動不足など不健康な生活習慣を招き、肥満や高血圧症、糖尿病、脳卒中など、様々な疾患のリスクを高めています。

第149回常設展示は「わたしたちの健康法」と題して、健康維持増進の努力を、食事と運動という観点から紹介していきます。展示を通じて、人々の健康への想いを感じ取っていただければ幸いです。

*当展示で紹介している健康法は、その効果について当館が保証するものではありません。

資料をご覧になる場合のご注意

  • 展示資料には、1〜21までの通し番号を、パネルにはA〜Nまでのアルファベットをつけています。
  • 【 】内は、国立国会図書館の請求記号です。
  • 【YDM】【YA】【YB】から始まる請求記号の資料及びマイクロフィッシュでのご利用をご案内している資料は、マイクロフィッシュまたはマイクロフィルムでの閲覧となります。展示期間中のご利用も可能です。
  • 資料名のあとに[近デジ]とあるものは、当館のホームページ内「近代デジタルライブラリー」で画像をご覧になれます。タイトルにはられたリンクからご利用ください。
  • 資料名のあとに[館電]とあるものは、東京本館内の各専門資料室に設置された電子情報提供サービス端末から利用が可能です。
  • 文中の人物名にはられたリンクからは、国立国会図書館ホームページ内ギャラリー「近代日本人の肖像」をご覧いただけます。
  • 記事を引用するにあたりましては、原文をそのまま引用しましたが、新字・旧字の判読が困難な文字及び変換が困難な文字については、新字で記述しています。

第1章 「健康」を求めて

■ 近世の健康法 ■

日本では、特に近世以降、様々な養生書が著されました。その中でも特に有名な養生書が、貝原益軒の『養生訓』です。『養生訓』は過去の養生書の知識を基に、著者自身の経験なども加えた一大養生論です。益軒はそこで「内慾」と「外邪」を遠ざけるよう語っています。「内慾」とは「飲食」「好色」「睡(ねぶり)」「言語をほしいままにする」「七情(喜怒憂思悲恐驚)」です。こうした欲を抑えるという発想は、『養生訓』に限らず多くの養生書の中で見受けられます。

1. 養生訓
(益軒文庫. 第2篇 / 貝原益軒著 伊藤菰村注 東京 : 隆文館,1910)
【YDM9131】[近デジ]
儒学者であり、医師でもある貝原益軒が、日々の心得を説いた養生書です。「総論」「飲食」「五官」「慎病」「用薬」「養老」などからなります。気を減らさず、体中にめぐらせることを念頭に、養生のあり方を説いています。
■ 近代の健康法 ■

◆「衛生」の誕生
幕末から明治にかけて、日本ではコレラや結核など様々な伝染病が猛威を振るっていました。政府は衛生局を設置し、公衆衛生に力を入れ始めましたが、同時に、国民への衛生知識の普及も重視しました。そうした風潮を受けて、衛生に関する書物も続々と出版されるようになります。衛生書では、西洋医学に基づいた理論が展開され、衣服や住居、食物など、様々な事柄についての心得が述べられています。

2. 養生談 : 小学口授 / 天野皎著
大阪 : 池上儀八〔ほか〕, 1878.10
【YDM60876】[近デジ]
明治5年、学制が頒布され、下等小学校において「養生法講義」が、上等小学において「生理」の授業が行われました。そこでは杉田玄端訳の『健全学』などを教材とし、西洋医学に基づいた健康、衛生教育が行われています。本書は、そうした講義の中で使用されたと思われるものです。 A. 衛生唱歌 / 三島通良著
鈴木米次郎曲 東京 : 集英堂, 1900.12
【YDM72845】[近デジ]
衛生に必要な事柄を歌にして伝えたものです。「毎日怠らずこれを歌ふときは、児童をして、自然衛生の道を実行するに到らしめ、併せて其徳性を涵養するに足らん。」と、この歌の目的を示しています。

◆過熱する健康熱
明治以降、人々の生活の中には、多くの西洋文化が取り入れられるようになりました。それは、健康法についても同様で、様々な健康法が紹介され、人々の健康熱も次第に過熱してゆきます。

3. 海水浴法概説 / 松本順著 二神寛治記
東京 : 二神寛治, 1886.8
【YDM60424】[近デジ]
海水浴を「健康ノ人体ヲモ更ラニ益々健康ナラシムルモノナリ」とし、体質改善から神経安定まで様々な効能をうたっています。著者の松本順は、神奈川県大磯に海水浴場を創設し、海水浴の普及に努めました。 4. 冷水養生法 / 佐々木政吉著 滝沢菊太郎編
東京 : 開発社, 1903.8
【YDM60900】[近デジ]
冷水浴や冷水摩擦は、当時非常に推奨された健康法で、様々な資料で紹介されています。本書は、冷水を使用する健康法を冷水養生法と総称し、その効能や、やり方について解説しています。また、冷水養生法を実行した人々の報告も併せて掲載しており、説得力を持たせる工夫をしています。 5. 現代名士の養生振 / 岡本学編
東京 : 博文館, 1911.10
【YDM60498】
編者が、各界の著名人から各々の健康法を聴取したものです。語り手は、大隈重信をはじめ、松方正義渋沢栄一井上馨など、そうそうたる顔ぶれになっています。また健康法も、冷水浴をはじめ、振棒、散歩、義太夫、呼吸術、禁酒禁煙などさまざまです。 6. 健康大観
(実業之日本 臨時増刊10巻10号 1907 実業之日本社〔編〕〔東京〕)
【YA1-1020】
雑誌『実業之日本』の10周年記念号として出版されました。「長寿はいかにして得べきか」「如何なる食物が健康を増進するか」「健康に必要なる最良の運動法」など、健康に関する記事のみで構成されています。発刊の辞では、健康増進法を「時代の最も要求する」と形容しており、当時の人々の健康への熱意の強さをうかがわせます。 B. 吾輩ハ猫デアル 中巻 / 夏目漱石著
東京 : 大倉書店, 1906(本書は1907年発行の第4版)
【YDM95777】[近デジ]
夏目漱石の小説。「運動をしろの、牛乳を飲めの、冷水を浴びろの、海の中へ飛び込めの、夏になったら山の中へ籠って当分霞を食へのとくだらぬ注文を連発する様になったのは、西洋から神国へ伝染した輓近の病気で、矢張りペスト、肺病、神経衰弱の一族と心得ていゝ位だ。」と、当時の健康に対する意識の高まりぶりを皮肉っています。
■ 現代の健康法 ■

◆生活習慣病対策
戦後の窮乏から脱却した日本は、目覚しい勢いで復興を成し遂げます。医療技術や公衆衛生も発達し、かつて日本を闊歩していた伝染病は影を潜めるようになりました。しかしその一方で、豊かな食生活や交通機関の発達は、過食や運動不足を招き、「生活習慣病」という新たな脅威をもたらします。
そうした中で、大量の健康関連情報の発信や、フィットネスクラブが増加するなど、健康にまつわる様々なビジネスが活況を呈しています。

C. フィットネスクラブの隆盛 [PDFファイル]
1980年代から、フィットネスクラブの数が急増し、大きな市場を作り上げています。

◆健康情報の氾濫とその功罪
様々な健康情報を紹介するテレビ番組が高視聴率を誇り、また健康情報を専門とする雑誌も多数発行されるなど、現代は様々な健康情報であふれています。こうした状況は、人々に健康への知識を広め、意識を高めるという点で非常に有意義なことといえます。しかしその一方で、過剰な脚色がなされた情報が世間に流布されてしまう危険性もはらんでいます。
こうした問題を受けて政府は、健康増進法などで誇大広告を禁止する一方、「特定保健用食品」「栄養機能食品」について規定した「保健機能食品制度」を創設し、正しい情報の周知や、国民の食生活の改善を目指しています。

7. また「あるある大事典」にダマされた。 / 鷺一雄著
東京 : 三才ブックス 2006.5
【EF32-H666】
著名な健康情報番組の、放送内容の信憑性について論じたものです。著者は化学メーカーの研究員ですが、専門知識による分析をあえて避け、「一般視聴者としての常識的な視点に立って」検証を行なっています。 D. 特定保健用食品 [PDFファイル]
特定保健用食品とは、「食生活において特定の保健の目的で摂取をする者に対し、その摂取により当該保健の目的が期待できる旨の表示をする食品」であり、その表示をする上で厚生労働大臣の許可を必要とします(規格基準型のものを除く)。国の許可を得て健康増進効果を表示するということは、消費者にとっても、信頼できる商品を選ぶことができるというメリットがあり、また企業側にとっても、他社の競合商品との差別化を図り、商品価値を高めることができるというメリットがあります。この制度は現在、年間販売高が3000億円を超える市場を形成しています。
 

第2章 食事と健康

わたしたちの食生活は、日本の伝統的食生活パターンである「ごはん」を中心として、大豆、野菜、魚などを用い、しょうゆ、みそ、だしなどにより調理、味付けされた副食を組み合わせるものが典型的でした。そして戦後、畜産物、油脂類等の需要が増え、栄養バランスのとれた健康的で豊かな 「日本型食生活」が出来上がりました。経済的に豊かになるとともに、畜産物、油脂類の需要の増加傾向は続きました。
その結果、近年では、脂質の過剰摂取など栄養バランスの偏りや肥満、生活習慣病が問題になってきました。そのため、伝統的な日本型の食事が、栄養のバランスがとれている健康食として見直されています。ここでは食事と健康に関する資料を紹介します。

■ 日本の伝統的な食材・食品 ■

現在、健康志向の高まりとともに、日本食は健康的なイメージで世界的なブームといっても良い状況にあります。

E. 「日本橋初鰹」 書画五十三次 / 広重, 豊国 (江戸自慢三十六興) [貴重書]
初物の番付である「初物評判福寿草」の四季初物惣目録の食類之部では、初かつおを極上上吉で最高位とし、750日も寿命が延びると書かれています。俳人・山口素堂が詠んだ名句「目には青葉 山時鳥(ほととぎす)初松魚(かつお)」からもわかるとおり、江戸では初鰹を好んだようです。 8. タケヤ味噌百年史 / タケヤ味噌百年史編集部編
諏訪 : 竹屋, 1972
【DH22-646】
長野県諏訪市の味噌製造業の会社の社史です。長野県は味噌製造の全国シェアの4割近くを占めています。
味噌は味噌汁、田楽、味噌漬などに利用されています。特に味噌汁は家庭料理の代表的な存在で、地域、季節、家庭によってその味や種類は豊富です。『本朝食鑑』にも、味噌は「食をたすけて一身を滋養する」、「よく消化を引き出す」と書かれています。 9. The book of tofu : protein source of the future-- now! / William Shurtleff & Akiko Aoyagi ; illustrated by Akiko Aoyagi
Berkeley, Calif. : Ten Speed Press, 1998
【EF27-A216
アメリカで出版された豆腐に関する資料です。豆腐やそのほかの大豆製品をイラスト入りで紹介しています。豆腐を料理する人々にも、健康を気にする人々にとっても有益な情報を含んでいます。 10. 緑茶通信 : 世界緑茶協会機関誌 (19)2006.9 / 世界緑茶協会編.
静岡 : 世界緑茶協会
【Z71-L287】
「朝茶はその日の難逃れ」 といわれ、朝、お茶を飲むと、その日は一日中災いが身に降りかからないという諺もあります。財団法人世界緑茶協会(静岡市)が発行する、お茶の総合情報誌です。この号の特集は「健康と緑茶」で、最近注目されている緑茶の効能について深く掘り下げています。

 

「摘茶」日本風景風俗写真帖

「摘茶」日本風景風俗写真帖
東京 : 小川一真, 1910.11 【YMD23038】[近デジ]

 

〜良くないといわれる食べ合わせ〜
食べ合わせについては諸説論じられています。(『養生訓』より一部抜粋)

  • 豚肉と生姜、蕎麦、梅、牛肉、鹿肉、すっぽん
  • 牛肉と韮、生姜、栗
  • 鶏肉、卵とにんにく、生葱、もち米
  • 蟹と柿
  • うなぎと銀杏

貝原益軒は著書の『養生訓』に90種類もの同食の戒めを載せています。

■ 食生活の変化 ■

明治時代に洋食が広まり始めます。当時の日本人の平均寿命は約40 歳と推定されています。その後、牛乳、卵、肉、そして油脂類の摂取量の増加とともに、平均寿命は飛躍的に延びました。ちなみに、戦後の牛乳の普及には、学校給食も影響しています。

11. 明治期の国家と栄養政策 / 丸井英二著
(食糧振興 通号69 2000.12 p.4-8 【Z18-2575】)
明治時代にはそれまでのわが国の食と栄養のあり方、考え方がおおきく変化しました。
明治政府は、西洋の政治制度や文化を積極的にとりいれたので、西洋の料理や食品、食習慣が政府や上流社会でとりいれられ、やがて、庶民のあいだにも流行しました。また、仏教の肉食禁止の戒律からも解放され、人々はおいしくて栄養のある牛肉を好んで食べるようになりました。洋食屋もふえ、ビールを飲み、カレーやビフテキなどを食べる光景があちこちでみられるようになりました。

 

東京印象記

東京印象記 / 児玉花外著
東京:金尾文淵堂, 1911.8 【YDM24038】[近デジ]

 

F. 「牛乳縦覧うしのよだれ : 自然滑稽 / 坪井正五郎著
東京 : 三教書院, 1909.11
【YDM102255】[近デジ]
牛乳・乳製品が大衆の間に普及してきたのは、明治時代に入ってからです。横浜にミルクホールが出現し、バターやチーズの製造が始まったのもこのころです。
この資料からは牛乳が身近になってきた様子がわかります。

G. 読売新聞 1919年6月6日
東京 : 読売新聞社 朝刊第 1面
【YB-41】[館電]
「酒は百薬の長」といわれていますが、この広告では「弱い身体も健康になる」とうたっています。

 

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12. 栄養・食品図説 / 日本女子大学食物研究室編
東京 : 岩崎書店, 1956 (図説全集;第22)
【498.53-N691e】
給食は明治時代に山形県で、貧困のために昼ご飯をもってこられない子どもたちのために、おにぎりと焼き魚などの食事を提供したのがはじまりとされています。第二次世界大戦後にアメリカ等の援助をうけて、全国の児童に対して一斉に実施され、現在では、健康教育の一部として、また栄養教育の実践の場ともなっています。

13. 国民栄養の現状 : 国民栄養調査成績 昭和31年 / 厚生省編
東京 : 厚生省, 1956
【498.53-Ko657k】
※マイクロフィッシュでのご利用となります。
国民栄養調査は、第二次世界大戦後に、各国から食料援助をうけるのに必要な基礎データを得るために実施されたのがはじまりです。1952年に栄養改善法が制定され、法律に基づく調査として、国民の健康状態や栄養素摂取量を把握する役割を担うようになりました。国民の健康状態や生活習慣を把握し、国における健康増進対策や生活習慣病対策に不可欠な調査となっています。

■ 食生活の見直し ■

戦中・戦後の厳しい食糧難の時代を経て、豊かな食生活を送れるようになりました。その一方では、食事内容の偏りや栄養摂取のアンバランスなどを生じ、これが生活習慣病の増加へとつながっています。現在は、豊富にある食べ物の中から賢く選び、組み合わせて食べなければならない時代といえます。

14. 日本人の食生活を読み解くデータ総覧 2006 / 生活情報センター編集部編
東京 : 生活情報センター, 2005.10
【EG257-H243】
健康のために、食生活で取り組んでいることは、「食べ物の栄養バランスを取る」67%、大豆製品を食事に取り入れる主な理由は、「体にいいから」33%、健康によいイメージの酒「赤ワイン」39%、健康によいと思う清涼飲料「野菜ジュース」98%等。日本人の食生活に関するデータを多数収録しています。 H. 生活習慣病に関する世論調査 平成12年2月調査
東京 内閣総理大臣官房広報室, [2000] (世論調査報告書)
【EG213-G480】
平成12年2月に実施された世論調査の結果です。生活習慣病という言葉の周知度、生活習慣病について知りたいこと、生活習慣病の状況、生活習慣改善の考え方等を調査項目としています。生活習慣の改善を「実行しようと思う」と答えた人にその方法を尋ねたところ、回答の8割近くが「食生活に十分気を付ける」を選択しています。

 

第3章 運動による健康づくり

適度な運動は、各種疾患・障害の予防と改善、成長・発育の促進、老化の予防、免疫機能の向上等の効果が認められています。運動の強度としては、「21世紀における国民健康づくり運動(健康日本21)」によると、成人の場合、「息が少しはずむ程度」の中等度の運動が勧められていますが、基本的には、それぞれが自分の健康状態に応じて運動を行うことが肝要です。
では、わたしたちは健康づくりのためにどんな運動を行なってきたのでしょうか。

I. 種目別運動・スポーツ実施率および推計人口(全体:年1回以上、上位20位) [PDFファイル] J. 今後行ないたい運動・スポーツ種目(全体:複数回答、上位20位) [PDFファイル]
■ 散歩、ウォーキング、ハイキング ■

上記両調査でも上位に入っていることからもわかるように、最も身近な運動である歩行運動に関する資料をご紹介します。

15. 「歩行の事」 生活と処世 / 徳富猪一郎著
東京:民友社,1900.6(国民叢書;第17冊)
【YDM10676】[近デジ]
徳富蘇峰の人生訓についての著作です。「歩行の事」の項では、「歩行は何よりの健全術であって、最も簡便で有効な運動である」と説いています。 16. 「青年徒歩旅行の一日」 旅 15巻7号 1938.7
東京 : 新潮社
【Z8-24】
日中戦争が開始された1937年8月、国民精神総動員実施要綱(※)が閣議決定され、国民精神総動員運動が展開されていきました。戦時色が深まる中、学生のハイキングは「青年徒歩旅行」という名称で、「健全な娯楽」として、「体位向上」の名の下に、鉄道省、文部省、厚生省をはじめとする各機関・団体によってこぞって奨励されました。
旅行誌であるこの雑誌にもさっそく「青年徒歩旅行」特集が組まれ、巻頭写真ページ「青年徒歩旅行の一日」にはある一団に随行した模様が紹介されています。同号の誌面には詳細なレポート「青年徒歩旅行随伴記」と、さらに「都市中心青年徒歩旅行コース」の紹介、鉄道省・厚生省関係者らによる座談会「青年と旅行を語る」などが掲載されています。
※国立国会図書館ホームページ内コンテンツ「閣議決定等リスト及び本文」より閣議決定の全文をごらんいただけます。 17. 日本スリーデーマーチ25年の歩み : 楽しみながら歩けば風の色がみえてくる
東京 : 日本スリーデーマーチ実行委員会, 2002.11
【FS33-H21】
東京オリンピック開催中の1964年、ある民間団体によって「歩け歩け運動」が提唱され、以後全国各地でウォークイベントが開催されるなど盛り上がりをみせました。社会運動的側面もあった「歩け歩け運動」は、現在では「ウォーキング」と名称が変わり、個人が気軽かつ日常的に楽しめるものとして、質的にも変化しました。この資料は、1978年に開始されたウォークイベント「日本スリーデーマーチ」の記録集です。
■ ラジオ体操 ■

体操のなかから、日本人なら誰しも一度は行なったことのあるラジオ体操についての資料をご紹介します。

18. 「國民保健體操 圖解」 日本赤十字社赤十字博物館報 第20号 国民体力向上展覧会号 / 日本赤十字社編
東京 : 日本赤十字社, 1938.9
【579-228】
「國民保健體操」は、戦前に制定されたいわゆるラジオ体操で、1928年に第一体操が、1932年には第二体操が制定されました。当初は、国民の健康増進を目的として制定されたものでしたが、その後国民精神総動員体制に組み込まれ、「銃後国民の体位向上」のスローガンのもとに奨励されました。敗戦後、この体操はGHQの意向により1946年3月に中止されました。

〜まぼろしのラジオ体操〜(戦後最初のラジオ体操)
終戦直後、戦前のラジオ体操の存続が危ぶまれたことから、「戦後にふさわしい」新しいラジオ体操が考え出され、1946年4月に放送が開始されました。しかし、放送が不定期であったこと、動きが複雑であったこと、さらに当時の社会情勢などからあまり普及せず、結局1947年8月をもって中止を余儀なくされました。

K. 「六日からラジオ体操始まる」 報知新聞 1951年4月20日
東京 : 報知新聞社 第2面
【YB-18】
ラジオ体操がひさしぶりに復活し、5月6日から再び放送されるという記事です。当時は第1放送で毎朝6時15分から10分間の放送だったようです。これが現在も行なわれているラジオ体操第一です。翌1952年には第二体操も制定されました。

 

「六日からラジオ体操始まる」 報知新聞 1951年4月20日
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■ 水泳と水中運動 ■

水泳は前述調査の実施種目で7位、希望種目で3位に入っている人気種目です。ランク圏外ですがアクアエクササイズがそれぞれ30位、21位にはいっています。

L. 水泳プール(屋内)施設箇所数の推移 [PDFファイル]
水泳は全身を使う運動で、早くからその健康効果はうたわれていました。しかしかつて海や川、屋外のプールが中心だった時代は泳げる時期や地域が限られており、水泳は学校教育や競技スポーツが中心でした。
戦後、屋内プール、特に温水プールが全国に普及するにつれ、水泳が健康維持の方法として身近な存在になってきています。 19. 「アクアヘルス(水健)コース」 踏水会百年史
京都 : 京都踏水会, 1995.10
【FS4-G6】
近年、アクアエクササイズ等の水中運動が注目されています。水中運動は、水の抵抗を利用した運動で、身体に負担が少ないのが特徴です。
■ その他の運動 ■

ここでは、外国から日本に伝えられるなどし、現在健康づくりのために多くの人が行なっている運動に関する資料をご紹介します。

M. 鉄唖鈴体操法 / 高山源助著
東京 : 東洋社, 1902.3
【YDM75625】[近デジ]
ダンベルで負荷をかけて身体を鍛える方法は明治時代すでに存在していたようです。この体操は、「大凡四磅(ポンド)以上七磅以下」の鉄アレイを用いて、「体質無病壮健にして、大凡十七八歳以上の男女」に標準的な運動回数を示したものであるとのことです。 20. Secrets of yoga.
Madras : Ganesh, 1956
【181.4-B575s】
ヨガは、ハリウッドのセレブの間で流行したことから、最近女性を中心に非常に人気を集めています。この資料は、ヨガの発祥地であるインドで出版されたもので、単なるエクササイズにとどまらず、生活の規範についても触れられています。 21. 太極拳運動 / 中華人民共和国体育運動委員会運動司武術科編
北京 : 人民体育出版社, 1962.1
【XP-B-40610】
太極拳は、上記の「実施スポーツ・種目」「今後行ないたい運動・スポーツ」調査では上位に入っていませんが、ゆったりとした独特の動作や呼吸法に健康効果があるといわれ、高齢者を中心に人気があります。
この資料には、24式の簡化太極拳、88式の太極拳、2人で行なう太極推手、剣を持って行なう太極剣が収録されています。24式の簡化太極拳は、1957年に中国政府が国民への普及を目的として制定した動作がやさしい太極拳で、現在日本に伝えられ、健康法として行われている太極拳の多くはこれです。なおこの資料は、標題紙に武術教材参考資料と書かれていることから、中国の学校で太極拳を教える際に参考にされたものと思われます。
関西館所蔵上海新華書店旧蔵書資料です。

 

主要参考文献

図書
本朝食鑑. 上(巻1-5),下(巻6-12) / 平野必大〔著〕, 正宗敦夫編纂校訂
東京 : 日本古典全集刊行会, 1933-4
【543-121】
新しい朝が来た : ラジオ体操50年の歩み / ラジオ体操50周年記念史編集委員会編
東京 : 簡易保険加入者協会, 1979.3
【FS31-61】
近代体育文献集成. 第2期 別冊 / 大場一義, 吉原瑛編・解説
東京:日本図書センター 1983.2 解説篇(第16巻〜第30巻)
【FS11-131】
提言・私達の望ましい食生活 : 日本型食生活のあり方を求めて / 食料・農業政策研究センター編
東京 : 農林統計協会, 1983.7
【EF27-905】
日本型食生活のすすめ : 健康で豊かなくらしのために / 食料・農業政策研究センター,食品需給研究センター編集
東京 : 日本放送出版協会, 1983.7
【Y73-2018】
江戸名物評判記集成 / 中野三敏編
東京 : 岩波書店, 1987.6
【GB385-33】
牛乳と日本人 / 雪印乳業株式会社広報室
東京 : 新宿書房, 1988.4
【DM451-E5】
新たな食文化の形成に向けて : '90年代の食卓への提案
[東京] : 日本型食生活新指針検討委員会, 1990.11
【EF27-E1582】
健康法と癒しの社会史 / 田中聡著
東京 : 青弓社, 1996.9
【SC194-G160】
素晴らしきラジオ体操 / 高橋秀実著
東京 : 小学館, 1998.9
【FS31-G34】
ラジオ体操の誕生 / 黒田勇著
東京 : 青弓社, 1999.11 青弓社ライブラリー;4
【FS31-G48】
図説明治人物事典. 文化人・学者・実業家 / 湯本豪一編
東京 : 日外アソシエーツ 2000.11
【GB12-G24】
「健康」の日本史 / 北澤一利著
東京 : 平凡社, 2000.12 平凡社新書
【EG213-G538】
健康観にみる近代 / 鹿野政直著
東京 : 朝日新聞社, 2001.4 朝日選書;674
【EG213-G555】
あなたの知りたい健康・運動・スポーツのtopics / 齊藤恭平編著
東京 : 八千代出版, 2002.4
【FS13-G372】
郊外行楽地の誕生 : ハイキングと史蹟めぐりの社会史 : パルテノン多摩歴史ミュージアム特別展 / パルテノン多摩編
多摩 : パルテノン多摩, 2002.8
【DK261-H23】
生活習慣病予防指導員養成講座. テキスト5 / 生活習慣病予防学術委員会編
東京 : 生活習慣病予防学術委員会, 2002.10
【SC21-H25】
健康・栄養食品事典 : 機能性食品・特定保健用食品 / 奥田拓道監修 ; 漢方医薬新聞編集部企画・編集 2004-2005改訂新版
東京 : 東洋医学舎, 2004.4
【EF27-H379】
くらしの中の健康運動 : 生活習慣病、腰痛、膝痛の改善法 / 田中俊夫編著 新版
岡山 : 大学教育出版, 2004.6
【SC194-H211】
健康運動プログラムの基礎 : 陸上運動と水中運動からの科学的アプローチ / 北川薫編著
東京 : 市村出版, 2005.6
【FS13-H168】
健康長寿と運動
東浦町(愛知県) : 長寿科学振興財団, 2006.3 (Advances in aging and health research ; 2005)
【SC251-H141】
健康・スポーツの科学 / 三村寛一編著
京都 : 嵯峨野書院, 2006.7
【FS13-H206】
雑誌論文
近代日本の体育思想-4-養生法 / 木村吉次
(体育の科学 : Journal of health,physical education and recreation 14(7) 1964.7 p.404-409 【Z7-298】)
わが国における養生観の歴史的展開 / 汲田克夫
(愛媛大学紀要 第5部 教育科学 13(1) 1966.12 p.11-28【Z7-45】)
明治5年の「学制」における「養生法」設置の背景 / 田口喜久恵 ; 森 昭三
(学校保健研究 Japanese journal of school health 30(3) 1988.03 p.122-133【Z7-49】)
Japan Walking Association:日本歩け歩け協会の歩み / 江橋 慎四郎 ; 木谷 道宣
(ウォーキング科学 (1) 1997 p.76-78 【Z7-C38】)
日本歩け歩け協会の歩み2 /江橋 慎四郎 ; 木谷 道宣
(ウォーキング科学 (2) 1998 p.93-98 【Z7-C38】)
歩け歩け運動について / 江橋 愼四郎
(保健の科学 41(7) 1999.7 p.484-493 【Z19-81】)
"歩け歩け運動"から"ウォーキング"へ--歩け歩け運動を支えた八田一朗と金子智一 / 高峰 修
(ウォーキング科学 (4) 2000 p.113-116 【Z7-C38】)
特集 日本の食文化を輸出する 世界に広げる和食の輪
(農業と経済 72巻10号 2006.9 p.5-76 【Z18-401】)
日本の伝統食を支える味噌とその効用 / 川野一之著
(食品工業 通号1121 2007.2.15 p.50-57 【Z17-428】)
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