1945年11月27日、トルーマン大統領は、駐中国大使パトリック・ハーレイ少将(Patrick J. Hurley)の突然の辞任表明の報を受けて、ジョージ・C・マーシャル(George C. Marshall)を中国への大統領特使に任命した。マーシャルの任務は、中国における国民党と共産党との対立による内戦状況に対し、中国での主要な政治勢力の代表を集めた全国会議を開催し、連合政府を樹立し、同時に特に北部での内戦の終結を説得するよう努めることであった。マーシャルは12月に中国に赴任した。 当初マーシャルの工作は成功し、1946年1月7日にはマーシャル、周恩来、張群からなる軍事三人小組が発足、10日には停戦が実現し、2月25日には国共両軍を廃止して単一の軍事組織を作ることで双方が合意に達した。しかし、国共間の軋轢は増していき、1946年6月30日内戦が再開した。その後数か月協議は続けられたが、実を結ぶことはなく、1947年1月7日マーシャルは中国を離れた。 ジョージ・C・マーシャル(1880−1959)は、1939.9~1945.11陸軍参謀総長、1944.12陸軍元帥、1945.11~1947.1大使待遇の中国への大統領特使、1947.1~1949.1国務長官、1950.9~1951.9国防長官、1953ノーベル平和賞受賞。
George C. Marshall Pogue, Forrest C. Viking Press, 1963-1987 【923.573-M368p】 ※マーシャルの伝記。Vol. 4: Statesman, 1945-1959 にマーシャル使節のことが詳しい。
Fifty Years in China Random House, 1954 【951.039-S931f】 1919年以来燕京大学学長をつとめ、1946年7月にマーシャルの推挙で駐中国大使となり、ともに折衝にあたったジョン・L・スチュアート(John Leighton Stuart)の回想録。pp. 160-183に当時の体験、印象、考えが書かれている。