Research and Analysis Branch, Office of Strategic Services
歴史
1941年7月ルーズベルト大統領は、諜報活動が国務、陸軍、海軍各省でそれぞれ別個に調整なく重複して行われた現状を改めるため、情報調整官(Coordinator Information, COI)をホワイトハウスに付設し、民間人(弁護士)のドノヴァン(William Joseph Donovan)を任命した。情報調整局(Office of the Coordinator of Information, OCOI)の職務は、安全保障にかかわるあらゆる情報を収集・分析し、大統領や大統領の指定する政府機関・職員に提供することであった。ドノヴァンは、図書館や政府機関等にある公開資料を専門家が詳細に分析すれば、枢軸国の戦力・経済力といった諜報上重要な問題についても解答が得られるという考えから、研究分析部(Research and Analysis Branch, R&A)を設置した。1942年6月13日に、対外情報局(Foreign Information Service, FIS)を除く、COI局の部局は戦略諜報局(Office of Strategic Services, OSS)に改組され、研究分析部もOSSの1部局となった。 研究分析部は、さまざまな学問領域から約900人の研究者を集め、極東課日本班の責任者は、日本の政治制度の研究者であるチャールズ・ファーズ(Charles Burton Fahs)がつとめた。研究分析部の業務は、1945年10月1日OSSの廃止後、国務省に引き継がれた。 極東課に所属したフェアバンク(John King Fairbank)は、回想録“Chinabound: a fifty-year memoir”(1982)(邦訳『中国回想録』蒲地典子・平野健一郎訳 みすず書房 1994)でOSS時代のことを書いている。
原所蔵機関
米国国立公文書館(RG59, RG226)。OSS研究分析部の文書は、OSSの廃止後、国務省に引き継がれ、1946年には米国国立公文書館に移管された。これらの文書は、1972-73年にOSSの後継機関である中央情報局(Central Intelligence Agency, CIA)によるスクリーニング後、秘密指定解除され、公開された(Barry M. Katz, “Foreign Intelligence: Research and Analysis in the Office of Strategic Services, 1942-1945”(1989)p. 200による。ただし、同書ではスクリーニングが1975-76年に行われたとあるが、マイクロフィルム中の文書では1972-1973年となっている)。
受入
この文書はUniversity Publications of Americaがマイクロフィルム化して市販している。当館では、1978年度にPart 1~7、2011年度にPart 8を購入した。
検索手段
マイクロフィルム付属の目録(憲政資料室内備付冊子目録) ※ProQuest 社のサイトにPDF版のFinding Aids が掲載されている。下掲「資料の構成」にそれぞれのパートのFinding Aids へのリンクを設定した。