米陸軍省通信情報局(SIS)のフリードマン(William F. Friedman)のチームは、1940年9月に日本の外務省が使用していた暗号機B型(米軍のコードネームは "PURPLE" )の模造に成功し、傍受した日本の外交暗号電報を解読することができるようになった。解読された電報は、陸軍省参謀本部陸軍情報部(G-2)の実働部門である陸軍情報局(Military Intelligence Service)の極東班長が精査し、重要と判断されたものは陸軍長官、参謀本部の総長、情報部長、作戦部長に回覧された。 しかし、真珠湾攻撃後、日本の外交電報のなかに攻撃の予兆があったことが明らかとなり、陸軍省では、解読した電報をただ回覧するのではなく、より深く分析・評価して活用する体制の整備が検討された。その結果陸軍情報局に Special Branch が設置され、解読された電報は、Special Branch において分析・研究・評価の上、要旨(Magic Summary)にまとめられることになった。この要旨は、ごく限られた少数の政府高官に届けられ、1943年夏以降は、特別保安将校(Special Security Officer)などにより前線の司令官にも届けられる仕組みが構築された。 なお、コードネーム "MAGIC" は、当初は解読した日本の外交暗号電報のことを指したが、もっと広義に外国の暗号を解読して得たあらゆる情報を指すようになった。
原所蔵機関
米国国立公文書館(RG457)
受入
この文書はUniversity Publications of America社がマイクロフィルム化し市販している。当館では、1980年度に購入した。
検索手段
A Subject and Name Index to The MAGIC Documents, Summaries and Transcripts of the Top Secret Diplomatic Communications of Japan 1938-1945(憲政資料室内備付冊子目録) ※UPA のマイクロフィルム付属の目録(事項索引)。ProQuest 社のサイトにPDFファイル(6.2MB)が掲載されている。
A Calendar to The MAGIC Documents, Summaries and Transcripts of the Top Secret Diplomatic Communications of Japan 1938-1945(憲政資料室内備付冊子目録) ※各文書のリールとフレーム番号を示すリスト。ProQuest 社のサイトにPDFファイル(541KB)が掲載されている。