満洲国に於ける帝国の治外法権の撤廃及南満洲鉄道附属地行政権の調整乃至移譲に関する件

昭和10年8月9日 閣議決定

収載資料:現代史資料 8 みすず書房 1964.7 pp.794-795 当館請求記号:210.7-G29

満洲国に於ける帝国の治外法権及南満洲鉄道附属地行政権に付ては左記方針に依り関係官庁をして具体的方策を攻究せしめ逐次之が実行を期するものとす
一、満洲国に於ける帝国の治外法権に関しては従来の条約及閣議決定の精神に則り満洲国に於ける制度及施設の整備に対応し就中在留帝国臣民の生活に急激なる変動を与へざること、満洲国の全領域に於ける帝国臣民の安住発展を一層確保すること及満洲国に対する帝国の国策遂行を円滑ならしむることに付特に考慮し漸進的に撤廃するものとす
二、南満洲鉄道附属地其のものは依然我方に保有すること勿論なるも当該地域に行使せらるる帝国の行政権に関しては前記治外法権撤廃との関連に鑑み満洲国に於ける制度及施設に対応し前項に於けると同様の考慮の下に治外法権の漸進的撤廃と歩調を合せ各事項の性質に応じ調整乃至移譲するものとす