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国策ノ基準

収載資料:昭和社会経済史料集成 第2巻 大久保達正(他) 大東文化大学東洋研究所 1980.3 pp.291-292 当館請求記号:GB631-37
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国策ノ基準
昭和11年8月11日 閣議決定

一、国家経倫ノ基本ハ大義名分ニ即シテ内国礎ヲ強固ニシ外国運ノ発展ヲ遂ゲ帝国ガ名実共ニ東亜ノ安定勢力トナリテ東洋ノ平和ヲ確保シ世界人類ノ安寧福祉ニ貢献シテ茲ニ肇国ノ理想ヲ顕現スルニアリ
帝国内外ノ情勢ニ鑑ミ当ニ帝国トシテ確立スベキ根本国策ハ外交国防相俟ツテ東亜大陸ニ於ケル帝国ノ地歩ヲ確保スルト共ニ南方海洋ニ進出発展スルニ在リテ其ノ基準大綱ハ左記ニ拠ル
(一)東亜ニ於ケル列強ノ覇道政策ヲ排除シ真個共存共栄主義ニヨリ互ニ慶福ヲ頒タントスルハ即チ皇道精神ノ具現ニシテ我対外発展政策上常ニ一貫セシムベキ指導精神ナリ
(二)国家ノ安泰ヲ期シ其ノ発展ヲ擁護シ以テ名実共ニ東亜ノ安定勢力タルベキ帝国ノ地位ヲ確保スルニ要スル国防軍備ヲ充実ス
(三)満洲国ノ健全ナル発達ト日満国防ノ安固ヲ期シ北方蘇国ノ脅威ヲ除去スルト共ニ英米ニ備ヘ日満支三国ノ緊密ナル提携ヲ具現シテ我力経済的発展ヲ策スルヲ以テ大陸ニ対スル政策ノ基調トス而シテ之ガ遂行ニ方リテハ列国トノ友好関係ニ留意ス
(四)南方海洋殊ニ外南洋方面ニ対シ我民族的経済的発展ヲ策シ努メテ他国ニ対スル刺戟ヲ避ケツツ漸進的和平的手段ニヨリ我勢力ノ進出ヲ計リ以テ満洲国ノ完成ト相俟ツテ国力ノ充実強化ヲ期ス

二、右根本国策ヲ枢軸トシテ内外各般ノ政策ヲ統一調整シ現下ノ情勢ニ照応スル庶政一新ヲ期ス要綱左ノ如シ
(一)国防軍備ノ整備ハ
(イ)陸軍軍備ハ蘇国ノ極東ニ使用シ得ル兵力ニ対抗スルヲ目途トシ特ニ其在極東兵力ニ対シ開戦初頭一撃ヲ加へ得ル如ク在満鮮兵力ヲ充実ス
(ロ)海軍軍備ハ米国海軍二対シ西太平洋ノ制海権ヲ確保スルニ足ル兵力ヲ整備充実ス
(二)我外交方策ハ一ニ根本国策ノ円満ナル遂行ヲ本義トシテ之ヲ総合刷新シ軍部ハ外交機関ノ活動ヲ有利且円満ニ進捗セシムル為内面的援助ニ勉メ表面的工作ヲ避ク
(三)政治行政機構ノ刷新改善及財政経済政策ノ確立其ノ他各般ノ施設運営ヲシテ右根本国策ニ適応セシム
(イ)国内与論ヲ指導統一シ非常時局打開ニ関スル国民ノ覚悟ヲ強固ナラシム
(ロ)国策ノ遂行上必要ナル産業並ニ重要ナル貿易ノ振興ヲ期スル為行政機構並ニ経済組織ニ適切ナル改善ヲ加フ
(ハ)国民生活ノ安定、国民体力ノ増強、国民思想ノ健全化ニ就キ適切ナル措置ヲ講ズ
(ニ)航空並ニ海運事業躍進ノ為適当ナル方策ヲ講ズ
(ホ)国防及産業ニ要スル重要ナル資源並ニ原料ニ対スル自給自足方策ノ確立ヲ促進ス
(へ)外交機関ノ刷新ト共ニ情報宣伝組織ヲ充備シ外交機能並ニ対外文化発揚ヲ活発ニス

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