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朝鮮人労務者活用ニ関スル方策

収載資料:在日朝鮮人関係資料集成 第4巻 朴慶植 三一書房 1976.6 pp.24-25 当館請求記号:A68-Z-21
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朝鮮人労務者活用ニ関スル方策
昭和17年2月13日 閣議決定

第一 趣旨
軍要員ノ拡大ニ伴ヒ内地ニ於テハ基礎産業ニ於ケル重労務者ノ不足特ニ著シク従来此ノ種労務者ノ給源タリシ農業労力亦逼迫シ来リタル結果応召者ノ補充スラ困難ナル実情ニ在リ茲ニ於テ此ノ種労務者ノ需給ニ未ダ弾力ヲ有スル朝鮮ニ給源ヲ求メ以テ現下喫緊ノ生産確保ヲ期スルハ焦眉ノ急務タリ而シテ従前ヨリ朝鮮人労務者ニ依存セルコト少カラザリシ土建、運輸等ノ事業ニ於テモ最近之ニ期待スルコト益々大ナリ
然ルニ朝鮮人労務者ノ内地送出並ニ之ガ使用ニ関シテハ複雑ナル事情交錯シ内鮮ノ指導必ズシモ一致セズ之ガ為生ジタル弊害亦少カラズ、今ヤ内地労務者ノ資質ニ鑑ミ所要ノ朝鮮人労務者ヲ内地ニ於テ活用スルハ不可決ノ要請ナルヲ以テ此ノ機会ニ於テ既往ノ経験ヲ省察シ其ノ施策ニ統一ト刷新トヲ加ヘ内鮮共ニ真ノ指導性万全方策ヲ確立シテ速ニ之ヲ実行スルコト最モ必要ナリ而シテ其ノ要ハ労務ノ活用ト同時ニ教化ヲ重ンジ以テ朝鮮統治ノ大方針ヲ推進スルト共ニ此等育成セラレタル労務者ハ之ヲ朝鮮ニ還元シ朝鮮ノ我ガ大陸前進基地タル地位ノ強化ニ資セシムルニ在リ
第二 方針
一、本方策ハ軍要員ノ拡大ニ伴フ内地労務動員ノ実情ニ鑑ミ朝鮮ニ於ケル適材ヲ内地総動員業務二活用シ以テ人的国力ノ総合発揮ニ遺憾ナカラシムべキ基本観念ノ下ニ之ヲ実施スルモノトス
二、本方策ニ基ク朝鮮人労務者ハ有為ナル青少年ヲ選抜シ必要ナル訓練ヲ加ヘ之ヲ送出スルモノトス
三、右朝鮮人労務者ハ十分ナル国家ノ指導保護ノ下ニ之ヲ使用セシメ優秀ナル皇国労務者トシテ之ヲ育成シ一定期間(概ネ二年)ニ之ヲ補充交代セシメ以テ朝鮮ニ於ケル人的国防資源ノ強化ニ資スルモノトス
四、本方策ニ基ク労務者ノ送出ハ朝鮮総督府ノ強力ナル指導ニ依リ之ヲ行フモノトシ所要ニ応ジ国民徴用令ヲ発動シ要員ノ確保ヲ期スルモノトス
五、本方策ニ依ルモノノ外朝鮮人労務者ノ内地ニ於ケル就労ハ内地及朝鮮ニ於ケル労務統制ノ強化ニ伴ヒ此ノ統制下ニ行ハルル如ク従来ノ方針ヲ統一スルモノトス
六、本方策ノ実施ニ伴ヒ現ニ内地ニ在住スル朝鮮人ニ対シ徴用又ハ国民勤労報国隊へノ参加等労務動員ノ強化ヲ図ルモノトス
第三 要領
一、朝鮮ニ於テハ要員ノ選抜及之ガ訓練ニ関シ左ノ如ク施策スルモノトス
イ 要員ハ年齢概ネ満十七歳乃至二十五歳ノ男子ニシテ心身健全ナルモノヲ選抜ス但シ要員ノ選抜困難ナルトキハ年齢ノ範囲ハ之ヲ拡大スルコトヲ得
ロ 要員ニハ青年訓練施設等ヲ活用シ精神教育、国語教育等ノ外特ニ団体行動並ニ共同生活等ニ必要ナル基礎的訓練ヲ加ヘ且所要ノ幹部ヲ養成ス
ハ 要員ハ隊組織ヲ編成セシメ各単位ニハ国語ヲ解スル者ヲ配置ス
二、内地ニ於テハ本方策ニ依ル朝鮮人労務者使用ノ為特ニ左ノ如ク施策スルモノトス
イ 本要員ヲ使用セシムル工場事業場ハ特ニ重労務者ヲ必要トシ且之ガ使用ニ適スル施設ヲ具備スルモノニ付重点的ニ之ヲ選定シ漸次其ノ範囲ノ拡大ヲ図ル
ロ 徴用ニ依リ要員ヲ配置スル場合ヲ顧慮シ関係工場事業場ヲシテ速ニ之ニ適応スル態勢ヲ整備セシム
ハ 本要員ノ処遇ヲシテ形而上下ニ亘リ内地人ト異ル所ナカラシム
三、本方策ニ依リ内地ニ送出スべキ労務者ハ食糧、住宅、輸送等ノ実情ニ鑑ミ家族ヲ携行セシメザルヲ例トス
四、本方策実施ノ為朝鮮ニ於テハ人員動員機構ヲ充実シ警察機能ヲ強化スル等必要ナル対策ヲ実施スルモノトス
又本方策ノ実施ニ当リテハ朝鮮ニ於ケル青年訓練並ニ志願兵制度等トノ関連ニ特ニ留意シ互ニ推進助長ヲ期スルモノトス
五、本方策実施ノ為必要ナル施設ニ就テハ努メテ既存ノモノヲ活用スルモ已ムヲ得ザルモノニ就テハ別途予算的措置ヲ講ズルモノトス
尚朝鮮ニ於ケル本方策実施ニ伴フ人員動員機構及訓練機関ノ要員ノ充足ニ就テハ其ノ実情ニ鑑ミ関係各庁十分之ニ協力ヲ与フルモノトス
六、本方策ノ実施ニ方リ食糧並ニ輸送ノ問題ニ就テハ特ニ研究善処スルモノトス
七、本方策ニ依ルノ外労務者ノ内地渡航ニ付朝鮮総督府ニ於テハ内地関係官庁ニ認可ノ有無ヲ確ムル等労務ニ関スル統制法令運用ノ方針ニ即応スル如ク必要ナル措置ヲ講ズルモノトス
八、本方策ハ速ニ之ガ実行ニ着手スルモ其ノ時期、方法等ニ就テハ関係各庁ニ於テ別途具体的ニ協議スルモノトス
九、本方策ハ必要ニ応ジ順次外地ニ適用スルモノトス

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