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生産増強勤労緊急対策要綱

収載資料:資料日本現代史 7 神田文人 大月書店 1981.10 pp.380-381 当館請求記号:GB631-39
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生産増強勤労緊急対策要綱
昭和18年1月20日 閣議決定

生産増強ハ刻下喫緊ノ要務ニシテ之ガ完遂ハ国民勤労ノ充実発揚ニ俟ツ処極メテ大ナルニ鑑ミ勤労総力ヲ最高度ニ発揮スル為特ニ左ノ如キ方策ヲ緊急実施スルモノトス
第一 国民徴用制度ノ刷新強化
一 国民徴用ノ国家性明確化
(一)被徴用者全員一体ノ態勢ヲ以テ生産増強ニ邁進シ得ル如ク社長ノ徴用其ノ他必要ナル措置ヲ講ズルコト
(二)徴用ハ予メ合格者ヲ定メ可成国家施設ニ収容シ教養訓練ヲ施シタル上工場事業場ニ配置スルコト
(三)被徴用者ノ工場事業場ニ於テ支給ヲ受クル給与ガ当該被徴用者ノ前収ニ比シ著シク減少スル場合ニ於テハ之ヲ補給スルノ途ヲ講ジ其ノ財源ハ国家ニ於テ相当負担スルコト
右補給ハ別途国民徴用援護制度ノ拡充ニ依リ之ヲ為スコト
二 国民徴用制度ノ運営ノ改善
(一)現行徴用期間ハ之ヲ延長シ必要アル場合ニ於テハ更ニ更新シ得ルコトヽスルト共ニ徴用ヲ解除シ得ル場合ヲ明確ニスルコト
(二)徴用銓衡ヲ厳正且権威アラシムル為国民徴用官制度ヲ確立スルト共ニ国民職業指導所ノ機能増進ニ必要ナル措置ヲ講ズルコト
徴用官ハ地方庁ニ於ケル関係高等官ヲ以テ之ニ充ツルコト
(三)徴用給源ノ確保並ニ銓衡ノ厳正ヲ期スル為銓衡ニ当リテノ徴用除外ノ範囲ヲ縮少スルト共ニ適正ナル銓衡基準ヲ定ムルコト
(四)国民登録ノ範囲ヲ更ニ拡大シ被徴用者銓衡ニ便ナラシムル如ク之ガ整備ヲ図ルコト
(五)被徴用者ニシテ特ニ勤労状況良好ナラザル者ニ付テハ国家ノ特別錬成施設ニ於テ錬成ヲ実施シ其ノ教化善導ニ努ムルコト
三 国民徴用援護制度ノ拡充
被徴用者ヲシテ後顧ノ憂ナカラシムル為其ノ遺家族ニ対スル援護制度ヲ拡充強化スルト共ニ被徴用者ノ士気ヲ昂揚スル為慰問激励ニ付特別ノ措置ヲ講ズルコト

第二 国民勤労ノ重点的配置ノ強化徹底
一 産業及企業間ニ於ケル重点ノ移動ニ即応スル企業整備ノ進捗ニ伴ヒ工場事業場間ニ於ケル勤労者ノ配置転換ヲ容易且迅速ナラシムル為必要ナル措置ヲ講ズルコト
二 中小商工業者ノ戦時重要生産ヘノ転換ヲ更ニ一層促進スル為必要ナル措置ヲ講ズルコト
三 国民勤労報国隊制度ノ刷新ヲ図リ各地域、職域又ハ団体ニ於ケル報国隊ノ常時組織ヲ編成セシメ且其ノ出動期間ヲ延長スルコト
四 不急ト認メラルヽ学校殊ニ時局下緊要ナラザル各種学校及之ニ類スル施設ノ閉鎖制限又ハ収容定員ノ減少ヲ行フト共ニ学生生徒ノ勤労報国隊組織ニ付テハ特ニ之ガ拡充強化ヲ図ルコト
五 女子ヲ以テ代替シ得ル業種及職種ニ付夫々女子ノ使用員数ノ標準ヲ定ムルト共ニ女子勤労管理ヲ確立シ以テ女子動員ノ強化ヲ図ルコト
右ニ関連シ男子ノ就業制限乃至禁止ヲ行フコト

第三 勤労管理ノ刷新強化
一 勤労管理行政ノ強化
(一)皇国本来ノ勤労観ヲ確立シ且工場事業場ニ於ケル勤労管理機構及勤労管理ノ陣容ヲ整備セシムル為必要ナル措置ヲ講ズルト共ニ特ニ勤労能率不良ナル工場事業場ニ付勤労管理改善ノ為強力ナル指導ヲ行フコト
(二)管理官、労務官、工務官等緊密一体ノ態勢ヲ整備シ重要工場事業場ノ生産能率ノ増強ニ付総合的且強力ナル指導ヲ為スコト
二 勤労青少年ノ補導錬成
国力ノ基幹タル勤労青少年ノ不良化ヲ未然ニ防止スルト共ニ健全ナル勤労青少年育成ノ為別案「勤労青少年補導緊急対策要綱」ニ依リ其ノ補導錬成ノ徹底ヲ図ルコト
三 就業時間制度ノ刷新
現行就業時間関係法規ヲ改正シ戦時生産即応ノ弾力性アル運営ヲ為シ得ル如クスルコト
四 戦時適正賃金制度ノ確立
勤労者ノ生活ノ恒常性ヲ確保シ勤労能率ノ向上ヲ期スル為賃金統制ヲ合理的ナラシムルト共ニ賃金統制上必要ナル措置ヲ別途講ズルコト

第四 勤労者用物資、住宅等ニ関スル対策ノ強化
一 勤労者用物資ノ割当並ニ配給ハ原則トシテ産業報国会ノ組織ヲ通ズルコトヽシ其ノ一元化ヲ図ルコト
二 工場、鉱山、事業場二於ケル購買会ノ配給機構上ノ地位ヲ認メ之ガ積極的活用ヲ図ルコト
三 勤労者住宅、寄宿舎及厚生施設ハ国ニ於テ一定ノ規格ヲ定メ工場施設ト一体的ニ計画セシムルト共ニ其ノ建設既設建物ノ有効利用等ニ付特別ノ措置ヲ講ズルコト

第五 本要綱実施ニ関シ必要ナル経費ニ付テハ予算上ノ措費ヲ講ズルコト

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