連合国軍用宿舎等建設要綱

昭和21年3月15日 閣議了解

収載資料:占領軍調達史 占領軍調達の基調 占領軍調達史編さん委員会編著 調達庁総務部調達課 1956 pp.163-164 当館請求記号:317.29-Se186-s

連合国軍最高司令官の要求に依る宿舎其の他の建造物及び設備の営繕並に備品の調達に関する実施事務は概ね左の要領に依るものとす。
(一)建設工事に関する総合的計画の立案及び実施は連合国軍司令部の指示に基き戦災復興院之に当る。
(二)工事の具体的実施は戦災復興院の指示監督の下に地方長官の責任において地方庁之に当る。
(三)本件実施に要する労務の提供に関しては厚生省に於て、輸送の実施に関しては運輸省において責任を以つて之が完遂に当る。
(四)本件実施に必要な資材及び備品の生産並に調達は物資別に夫々商工省又は農林省に於て責任を以て所要数量の提供に当る。
(五)資材及び備品の生産並に調達の発注は戦災復興院に於て之に当る。
(六)本件の円滑敏速なる実施を図るため政府部内に関係各庁の連絡機構を組織する。
(七)連合国軍用宿舎の建設せらるべき都道府県其の他必要なる府県に都道府県を単位とする関係地方官署の連絡機構を組織し、本件の具体的実施に必要なる連絡調整に当る。
(八)本件実施の為臨時に戦災復興院に適当なる機関を設置すると共に地方庁においても必要に依り臨時に適当なる機関を設置す。
(九)本件実施に遺憾なきを期するため関係各庁は夫々管下の出先官署に対し必要なる指導監督をなす。
(十)本件実施上重要なる事項に関する連合国軍司令部との連絡は終戦連絡中央事務局之に当る。
(十一)京都終連事務局は米軍第一軍団の管轄内の本件実施に関係する地方機関と第一軍団司令部との連絡に当る。横浜終連事務局は東京、横浜地区、各関係地方機関と第八軍司令部との連絡に当る。仙台終連事務局は米軍第九団の管轄内(東京、横浜地区を除く)の関係地方機関と第九軍団司令部との連絡に当る。呉終連事務局は広島県内の進駐英連邦軍と広島県内の関係機関との連絡に当る。各関係地方機関所在地の地方終連事務局は当該地方機関と所在の駐屯部隊との連絡に当る。地方終連事務局又は出張所の設置せられざる県にあつては便宜県の渉外部又は渉外課において所在駐屯部隊との連絡に当る。
(十二)本件実施の為に要する経費は人件費を除き終戦処理費に一括計上し、右経費の支出に関しては関係各庁協議の上適当なる措置を講ずる。
(十三)工事の実施形態については原則として地方長官と業者との請負契約に依り実施し、地方の実情に応じ地方庁の直営により実施するを妨げず。
(十四)本計画実施のため必要に応じ労務者その他に対し物資食料の配給又は加配を行う。