食糧非常時突破に関する声明

昭和21年6月7日 閣議決定

収載資料:食糧管理史 V 制度篇 各論(上) 食糧庁食糧管理史編纂室・統計研究会食糧管理史研究会編 統計研究会 1958 p.48 当館請求記号:611.31-Sy9576s-T

食糧事情は遂に最悪の事態に陥り、多数の同胞は飢餓に直面するに至つた。正に日本民族にとつて最も重大且困難な試錬の時期であり、平和日本建設の為には万難を排して乗り越えねばならぬ峠である。今や総ての日本人が深い同胞愛に徹し、乏しい食糧を頒ちあつて、共々に助けあうより外に此の危機に打ち克つ途はない。
こうした事態であるから政党は勿論総ゆる団体が一斉に立上り、都市も農村も一体となつて解決に当るより外はない。殊に農民諸君の動向こそは危機解決の成否を決定するものである。
茲に食糧の非常事態に対し政府は別紙の諸方策を実施し、国民の強靱なる協力を俟つて之を解決することを期するものである。
(注)別紙とは食糧危機突破対策要領をさす。