専売益金増収に関する件

昭和21年11月12日 閣議決定

収載資料:昭和財政史 終戦から講和まで 第17巻 大蔵省財政史室編 東洋経済新報社 1981 p.972 当館請求記号:DG15-19

昭和二十二年度予算編成方針第一の四に基き、同年度専売益金の画期的増収を図るため左の通り事業の運営を企画実施する。
一、煙草の販売数量を総計五百十億本に増加し、品種を調整すると共に定価の引上を行ひ、煙草専売に於て百億円を下らざる益金を挙げること。
右の販売数量五百十億本を完遂するため左の諸事項の実現に関係各省は協力すること。
(1)肥料その他耕作用資材の増配及び耕作者に対する主食の加配を行ひ昭和二十二年度に於て四万町歩の植付を為し原料葉煙草六千万瓩を獲得すること。
尚原料を充実し併せて製品品質を向上せしむるため葉煙草の輸入につき考慮すること。
(2)戦災煙草工場は適宜整理統合を行ふと共に必要な資材を得てこれが復旧整備を急速に進め且つ所要の石炭、電力、その他の資材並に工員用加配米を確保して製造力を充実すること。
(3)原料葉煙草及び製品の梱包用資材及び輸送を確保し、製造上並に販売上の障碍を防止すること。
(4)取締を強化して煙草の密耕作、横流し等専売益金の確保を妨げる違反行為を絶滅すること。
(5)以上の諸事項実施のため専売局に於ては事業の刷新を行ひ事務能率の向上を期すると共に所要の人員増加及び機構の充実を行ふこと。
二、塩専売の損失を解消せしめるため必要な塩販売価格の引上を行ふこと。
附記
新規専売の創設については別に考究のこと。