賠償協議会の運営に関する件

昭和22年4月26日 閣議決定

収載資料:森戸辰男関係文書 片山・芦田政権下「閣議」関係文書 マイクロ版集成 Reel No.9 170-171 当館請求記号:憲政資料室

中央、地方を通ずる司令部側の賠償実施準備体制の整備、地方行政事務局及び都道府県よりの賠償協議会委員、幹事等の進達が逐次まとまりおること並びに賠償実施段階の遠からず到来すべきこと等を勘案し、この際現在まで準備を進めて来た賠償関係機構の運営を能う限り速に軌道に乗せることが緊要と思われるから、不取敢左記の措置を講ずることとする。

一、賠償協議会委員、幹事等の発令、委嘱を能う限り速に行うこと
(1)中央賠償協議会についてはその後における関係各省の人事異動、民間関係者の資格審査等の事情を調査したる上速に人選を了え発令の手続を取ること。
(2)地方及び都道府県賠償協議会については地方行政事務局及び都道府県長官よりの進達を一括整理取りまとめの上外務大臣より委嘱する措置を採ること。
二、司令部及び地方軍政部隊における賠償実施事務管掌区分の整備に照応する措置を採ること
(1)中央、地方及び都道府県賠償協議会会長の下に事務局を組織すること
(2)事務局の組織は事実上のものとするも司令部側には適宜の方法をもつてその構成の大網を通報することとしなお要すれば将来適当なる時機に官制化の措置を考慮すること
(3)中央賠償協議会の事務局は終連賠償部、事務局長は終連賠償部長とし現在の構成を変更することなく司令部側の事務管掌区分に照応し且つ能率的に先方よりの各般の指示を処理し得るよう部内関係官をもつて管理保全、調書、査定、実施計画作業及び連絡等の班を組織すること
なお必要に応じ部外関係官の参加を求め得ることとし要すれば関係各省係官の中所要の人員につき終連の職員を兼ねしむるよう措置すること。
(4)地方行政事務局及び都道府県においてもほぼ前号の中央における措置に準じ長官官房又は適当なる個所に事務局を置くこと
この場合地方賠償協議会の事務局長には地方賠償協議会の副会長たる終戦連絡地方事務局長を充てることとすること
三、昭和二一、一二、一七関係各省打合決定事項「地方及び都道府県賠償協議会組織及び運営要領」(別紙甲号)につき閣議の了解を取付けること(添付略)
四、地方制度改革に伴う地方賠償協議会等の措置については別紙乙号によること
五、本案「賠償協議会の運営に関する件」に関連する予算措置については別途案を作成し速に関係方面と協議すること