九州山口地方における鉱害対策

昭和23年4月9日 閣議決定

収載資料:石炭鉱害復旧事業のあゆみ 石炭鉱業事業団二十年史 1989 p.441 当館請求記号:AZ-433-E33

九州山口地方における鉱害の重大性と石炭鉱業の経営事情とに鑑みて、鉱害の復旧については、臨時応急の対策として次のような措置を講ずることとする。
1.石炭及び食糧の増産または防災のため、国民経済上復旧を妥当とするものは、この際復旧を行うものとし、その他のものについては、損害賠償を原則とし、情況によっては被害物件を鉱業権者において買収するものとする。
2.復旧を行うものについては、一般災害復旧に準じ復旧費の一部を国庫より補助するものとし、事情によっては鉱業権者の外、関係地方公共団体及び被害者においても適宜負担するものとする。
3.復旧費の鉱業権者負担分、または被害物件の買収に要する資金については特に必要ある揚合は、復金等より融資の方途を講ずるものとする。
4.前各項により復旧を行うべきものについては、他の公共事業との関連をも考慮し、一定の見透しのもとに、その一部を昭和23年度公共事業費予算に計上するものとする。
5.鉱害を最小限度に止めるため国において今後の採炭計画乃至採炭方法について、指導方針を立てるとともに地上及び地下の施設の設置その他についても、当事者及び関係官庁間においてその調整の措置を講ずるものとする。
6.鉱業権者の負担する復旧費については、今後炭価改訂の際石炭価格中にこれを織込むべきか、またはその他適当な措置を考慮するものとする。
7.今後本対策を継続的かつ強力に実施するために、関係各庁をもって構成する「鉱害対策協議会」は引続き存置する。