不要な統制撤廃に関する件

昭和24年12月23日 閣議決定

収載資料:昭和財政史 終戦から講和まで 第18巻 大蔵省財政史室編 東洋経済新報社 1982 pp.346-349 当館請求記号:DG15-19

昭和二十四年十二月七日附(同月十九日受理)連合軍最高司令部経済科学局発経済安定本部総務長官、通商産業大臣及び農林大臣宛標記件名覚書に基き、昭和二十五年一月一日より不要な割当及び配給統制を廃止することとし、関係法令の改廃の措置を講じたい。

〔別紙〕
一九四九年十二月十九日附
連合軍最高司令部経済科学局覚書
青木経済安定本部総務長官・稲垣通商産業大臣・森農林大臣宛
不要な統制の撤廃に関する件
一、日本政府のインフレ抑制経済安定計画実施が満足すべき成果をあげた結果今やこれまで経済的窮乏のため必要であった統制の廃止に向って大きな歩みを進め得ることになった。
二、不要な規制を撤廃する原則に従い順次価格及び補給金の分野において統制撤廃の処理が取られて来たが今や外国貿易の分野においてもそれが実施せられつつある。
三、この時にあたり、特に来るべき民間輸入手続の実施に鑑み一九五〇年一月一日までに一切の不要な割当統制を廃止することは特に重要である。一般にその供給が国内的に又は輸入を通じて適切な又は近く適切ならしめられる商品の割当を行う必要はないのであり次のような結果を生ずる場合を除き割当統制は廃止さるべきである。
a 生計費に著るしい影響を与うべき品目の価格を大幅に吊上げる場合
b 日本国家予算から補給金を交付されている商品が不要不急な使用者に流れる場合
c 不足外国為替特に弗為替をもって購入された物資が不要不急な使用者に流れる場合
四、現在割当指定の「重要品目リスト」中にある品目を仔細に検討すると割当統制中の三十品目中七は完全に更に十一は部分的に一九五〇年一月一日より統制を廃止しても日本経済に悪影響のないことが分る。右品目の詳細は附表Aに示されている。
五、新な民間輸入手続及び正常な自由競争的圧力による生産の合理化を支持するため出来るだけ統制を簡易化し少くするという観点から不要な割当統制を解除するため関係閣令、省令、訓令等の適当なる改正措置を講じ右措置を本歴年末迄に広く公表することが緊要である。
経済科学局長米国陸軍少将 W・F・マーカット
(附表A 省略次掲表参照)
統制廃止及び残存予定品目表
(表省略)