人造米生産育成要綱

昭和28年10月27日 閣議決定

収載資料:食糧管理史 V 制度篇 各論(下) 食糧庁食糧管理史編纂室・統計研究会食糧管理史研究会編 統計研究会 1958 pp.375-376 当館請求記号:611.31-Sy9576s-T

一 方針
人造米の生産を育成し、その消費の普及を図ることは、食糧事情の改善に資するとともに、でん粉及び小麦粉の新規用途の開拓等からみて適当と考えられるので、差当り年産三十万屯を目標として左の要領によりその生産及び消費を推進するものとする。
二 要領
(1)製造方法の特許発明の実施
人造米の製造方法に関する特許発明を、政府において適当と認める者に広く実施せしめ得るような措置を講ずる。
(2)設備資金の融通
製造に必要な設備資金の金融については自己資金及び市中金融によるも、なお日本開発銀行及び中小企業金融公庫による融資等所要の措置を考慮するものとする。
(3)規格及び検査
規格の維持及び品質の向上を図るため、農林物資規格法に基き日本農林規格を制定し、同法の登録格付機関として財団法人を設立して検査を実施せしめる。
(4)生産技術の指導改良及び良技術の普及
工場の巡回技術指導等により、生産技術の改良及び良技術の普及を図る。
(5)課税の特別措置
製造事業の伸長及び合理化を図るため、特殊の製造技術については償却上特別の措置を考慮する。
(6)販売及び消費
製品の販売は自由とするが、最終販売価格が内地米配給価格程度となるようつとめ、その消費の普及を図る。