繭糸価格の安定について

昭和33年10月24日 閣議決定

収載資料:農林行政史 第12巻 農林省大臣官房総務課編 1974.3 p.624 当館請求記号:611.1-N955n4
 政府は最近における繭及び生糸の需給事情にかんがみ、本年夏秋蚕繭については価格維持の特別措置を講ずる必要があり、また長期にわたる蚕糸業の安定を図るためには、現行の価格水準の改定と今後の繭生産量の縮少はやむを得ない段階にたち至っているものと認め、左記の措置を講ずる。
 1 農業協同組合連合会が共同保管する夏秋蚕繭に対しては、三〇〇万貫につき貫当り一,二〇〇円を確保する措置を講ずるものとする。
 2 最低糸価及び最低繭価については、実勢価格水準の見通しをつけたうえで近く改定し、内外市場の不安を一掃して実需要の回復を図る。
 3 養蚕農家のために自主的に繭の価格安定を行なうための機関の設置について必要な措置を講ずる。
 4 蚕養農家が行なう桑園の整理のために要する経費について必要な助成措置を講ずる。
 5 繭及び生糸の生産及び流通の合理化、生糸の新規用途及び新規販路の拡張等を積極的に検討して蚕糸業の恒久対策に努める。
 備   考
 (1) 第一項及び第二項の措置をとるため、政府の生糸及び乾繭の買入限度額の拡大を内容とする繭糸価格の安定に関する臨時措置法の改正案を臨時国会に提出する。
 (2) 本措置に関する予算的措置については、大蔵、農林両省協議のうえ、決定する。