第2期北海道総合開発計画

昭和37年7月10日 閣議決定

収載資料:北海道開発庁20年史 北海道開発庁20年史編集室 1971.5 pp.315-330 当館請求記号:DM25-2

第1 計画作成の意義
戦後、北海道の開発は、国民経済の復興発展の一翼をになう重要な国策とされ、国は、昭和25年、北海道開発法を制定し、これにもとづき、昭和27年度から10か年にわたる北海道総合開発計画を樹立し、この基本構想にそって、第1次5か年計画計画および第2次5か年計画を策定し、これを協力に推進してきたが、現在実施中の第2次5か年計画は、おおむね所期の目的を達成して昭和37年度をもって終了する。
今日、わが国経済はすでに新たな発展段階にはいり、これに即応して、政府は、「国民所得倍増計画」を策定するとともに、その運営の指針として「国民所得倍増計画の構想」を明らかにし、経済の安定的成長の極大化を企図している。このためには、重化学工業を中心とする第2次産業の拡大による産業構造の高度化が主要な課題となるが、今日までの高度成長に主導的役割を果たしてきた先進工業地帯における工業の過度集中は、用地、用水、輸送面等にあい路を生じ、工業立地条件の劣悪化の傾向を強める一方、いわゆる過大都市問題、地域格差問題等の経済的社会的矛盾をあらわにしつつあり、これを解決するためには、産業の適正配置、農業等の近代化をはかることが必須とされている。
これに対し、北海道は原料資源に恵まれ、用地用水が豊富に存しており、産業基盤も逐次整備されてきている等、その産業立地条件は相対的有利性を増しつつあり、わが国工業の拡大発展のための重要な工業開発拠点として積極的役割を果しうるのである。また、北海道は畜産物、てん菜等成長農産物の生産拡大の余地大きく、自立経営確立に必要な経営規模拡大の可能性も有しており、わが国農業の発展およびその体質改善のうえに果す役割はきわめて重要である。かくして、北海道の開発は、国民経済の発展段階に即して、その安定的高度成長に積極的に寄与するという新たな役割が要請されるのである。
一方、北海道の現状をかえりみるとき、今日までの開発の成果として、一応順調な経済成長を遂げてきているが、なお、産業構造における後進性の内在、投資の地域内波及効果の低さ等、その経済体質において改善されるべきいくつかの問題を擁しており、これらを総合的観点にたって是正していくことによって投資効果を飛躍的に高めうる段階にはいるとともに北海道開発の新たな課題にも応えうることとなる。
このような観点にたって、現在実施中の北海道総合開発計画の終了を契機に、今後の北海道開発の向うべき方向とこのための施策を明らかにし、北海道開発を強力に推進するため、新たな構想のもとに、長期にわたる総合開発計画を樹立するものである。

第2 計画の期間
この計画の期間は、昭和38年度から昭和45年度までの8か年とする。

第3 計画の性格
この計画は、北海道開発法にもとづいて樹立する総合開発計画であって、政府公共部門については、その事業実施の基本となるものであり、民間部門については、その自発的活動の指針となることを期待し、国は、必要なかぎりにおいて、誘導助成策を講ずるものとする。

第4 計画の目標
この計画においては、産業構造の高度化を主軸として経済規模の飛躍的拡大をはかり、国民経済の安定的高度成長に積極的に寄与するとともに、北海道経済の自律的発展の基礎を固めることを目標とする。
このような目標をみたすための昭和45年度(以下「目標年次」という。)における経済の規模と構造をおおむねつぎのとおり見込むものとする。
(表省略)
(注)1 価格は昭和35年度価格である。
2 ()は構成比を示す。
すなわち、目標年次の農林水産業と鉱工業をあわせた生産額は2兆円をこえ、道内生産所得総額は1兆4、000億円におよび、北海道経済の規模は昭和35年度(以下「基準年次」という。)に比して、ほぼ2.5倍に拡大し、総人口は約586万人に達する。
生産所得を産業別に見れば、第1次産業は1.6倍、第2次産業は2.7倍、第3次産業は2.5倍の成長を示すが、その構成は、第1次産業の低下と第2次、第3次産業の上昇によって、それぞれ15%、34%、51%となる。また、就業者は、23%増の約269万人に達するが、これを産業別に見れば、第1次産業は13%減、第2次産業は50%増、第3次産業は40%増の変動を示し、その構成はそれぞれ25%、29%、46%となる。
この結果、北海道経済の構造は著しく高度化し、就業者1人当り生産所得は1.9倍(年率6.6%)に上昇する。
なお、この計画に示された目標年次における経済の規模と構造および生産に関する諸指標は、計画の構想をくずさない範囲内で弾力的に解するものとする。

第5 施策の基本方針
この計画においては、各種産業の積極的開発振興をはかるとともに、輸送通信施設、国土保全施設等の産業基盤、住宅および開発に関連する生活環境施設等の社会生活基盤を整備強化して、社会資本の積極的充実をはかるものとし、とくにつぎの諸施策を強力に推進する。
1 農林水産業の近代化
生産基盤の拡充強化を推進するとともに、資本装備の充実増大をはかり、経営および技術の改善を通じて農林水産業の近代化を促進し、生産性の向上と所得の増大をはかる。
2 鉱工業の積極的開発振興
重化学工業の積極的開発育成と中小企業の近代化を促進して、工業構造の高度化を推進するとともに、道内原料資源を活用する諸工業の振興をはかる。この際、大規模な工業地帯の開発造成を主体に・豊富低廉な用地、用水の確保をはかり、産業基盤の整備とあわせて有利な立地条件の確立につとめる。
また、道内に賦存する有用鉱物資源の開発を促進するとともに、北海道開発に重要な地位を占める石炭産業の安定強化をはかる。
3 道内および道本州間の総合的交通通信体系の確立
経済規模の拡大にともなう輸送通信需要の増大に対処して、幹線道路網、主要港湾、主要空港、幹線通信網等の整備を推進するとともに、青函航送の補強、青函ずい道建設の促進等をはかり、総合的交通通信体系の確立を期する。
4 国土保全と利水の総合的推進
産業活動基盤確保のため、治山、治水、海岸保全等の国土保全事業と水資源の開発を総合的に推進する。
5 社会生活環境施設等の整備拡充
住宅・街路・上下水道等の生活環境施設の整備拡充をはかり、寒冷地にふさわしい社会生活基盤の確立につとめ、地域住民の生活水準の向上に資する。
6 産業技術の開発、技術教育、訓練の強化ならびに労働力移動の円滑化
資源を高度に利用する産業を開発するため、調査および試験研究を強力に推進して新技術の開発をはかる。また、産業構造の高度化に即応して、技術水準の全般的向上をはかるため、産業教育、職業訓練等の充実強化につとめるとともに、職業紹介体制の拡充により地域間産業間の労働力移動の円滑化をはかり、労働力の確保につとめる。
7 拠点開発の推進
北海道において、とくに有利な立地条件を具備する臨海部に、工業開発の拠点となる中核工業地帯を開発育成するとともに、道内地域開発の中核となる拠点都市を整備し、地域内生産活動と有機的に結びつく産業の開発振興と地域住民の生活文化の向上をはかり、地域格差の是正につとめる。

第6 産業の振興
1 農業
北海道農業は、畜産物、てん菜等成長農産物の生産拡大と経営規模拡大の余地大きく、また、農業生産物と関連加工業との結びつきによって、今後、わが国における高生産性地域としての発展が期待されるので、農地および草地の造成、土地改良事業等生産基盤の拡充、家畜、機械等営農装備の充実、合理的輪作体系の確立等経営技術の高度化を通じて、農業構造の改善を促進し、自立経営農家の増大育成につとめ、生産性の向上と所得の増大をはかるものとする。
このような方針にもとづいて、目標年次における農業生産額は、基準年次の81%増の約2、470億円、農地および草地の面積は約130万ヘクタール、乳用牛は約60万頭に達せしめるものとし、てん菜は、畜産との結びつきによる畑作改善施策の推進等によって、おおむね2倍に増加することが期待され米は25%増程度、牛乳、畜肉等については約3倍ないし4倍の生産が見込まれるので、農業生産に占める畜産の比重は19%から約40%へと著しく高まる。
この結果、生産所得は、60%増の約1、420億円となり、一方、就業者は、13%減少して約530千人と見込まれるので、農業の生産性は1.9倍(年率6.7%)の上昇を示す。
このための主要な施策はつぎのとおりである。
(1)土地改良の推進
生産性の向上と農業経営の安定をはかるため、既着工事業については、経済効果の早期発現を期し、極力事業の促進をはかるとともに、新たに改良を実施する事業にあっては、水田地帯におけるかんがい施設等の更新、畑地帯における排水、客土、耕土改良等の耕地条件の整備を積極的に推進することとし、約60万ヘクタールの改良事業を実施する。
(2)農地および草地の開発
草地農業の確立と畑作農業経営の安定をはかるため、農地および草地の造成改良面積約35万ヘクタールを目途に、開拓および草地の造成改良事業の推進につとめる。また、開拓地における基礎施設の整備等の促進により既入植開拓農家の経営の早期安定をはかる。
(3)資本装備の充実
畑作、畜産の振興と生産性の向上をはかるため、農業の機械化、家畜導入事業等を推進するとともに、畜舎等農用施設等の整備を推進する。
(4)農畜産物流通の合理化と農村環境の整備
農業倉庫、生産物貯蔵施設等流通施設の整備を促進するとともに、加工事業の育成につとめるほか、農山漁村電気導入の促進と無水農家の解消等へき地農村環境の整備を促進する。
(5)農業技術の刷新
農業技術水準の向上に資するため、試験研究体制の拡充強化につとめるものとし、とくに、草地開発に関する試験研究機関の整備を推進するとともに、研修施設の整備等により普及体制の充実をはかる。
2 林業
北海道は、わが国森林の4分の1におよぶ蓄積を擁し、従来、天然林生産を中心として全国木材総生産の約15%をになってきたが、木材需要は国民経済の高度成長にともない急速に増大する傾向にあり、北海道においても今後ますます増大するものと見込まれる。この急増する需要に対応して、今後、奥地林の開発と育成林業の推進を通じて林業生産の飛躍的増大をはかるとともに、未利用資源の積極的活用と木材資源利用の合理化を推進する。
このような方針にもとづいて、目標年次における林業生産額は、基準年次の39%増の約750億円、木材生産は、36%増の約1、400万立方メートルを期待し、生産所得は35%増の約450億円、就業者は横ばいの約64千人になるものと見込まれる。
このための主要な施策はつぎのとおりである。
(1)造林事業の推進
天然林の人工林転換と病虫害の防除等につとめ、高生産性の森林育成をはかる。このため人工造林、天然下種補整、森林保護事業等を強力に推進する。
(2)林道の拡充強化
未開発林の開発と拡大造林推進のために、林道の開設を積極的に推進し、林道網の整備につとめる。
(3)林業経営の近代化
林道技術、生産性の向上のための機械化を促進するとともに、労働力の確保につとめる。
(4)資源利用の合理化
林地廃材・工場廃材の利用等・木材資源利用の合理化を推進するとともに、未利用資源であるねまがりだけの利用を促進する。
3 水産業
北海道の漁業は、わが国漁業生産に枢要な地位を占めているが、最近の水産資源および国際情勢の変化等によって、沿岸漁業に伸びなやみをきたすとともに、沖合遠洋漁業もまた外延的発展のみちがせばまり、加うるに、その自然的経済的条件の不利益性とあいまって、全道漁業者の90%を占める沿岸漁業者の所得および生活水準は著しく低位にある。しかしながら、北海道は、その周辺海域に有望な未利用漁場を残し、また、漁場造成の適地も広く、資源開発の可能性と漁業生産拡大の余地が大きく残されている。
水産業のこのような現状にかんがみ、沿岸漁業の振興に重点を志向しつつ、新漁場の開発と生産基盤の整備を推進し、適正就業を基調とする経営規模の拡大と加工および流通の改善を通じて、所得水準の向上と漁業経営の確立をはかり、水産業の近代化を期するものとする。
このような方針にもとづいて、目標年次における漁業生産高は、過去の生産実績、資源の変動傾向によるものに、施策の強力な推進によって期待される生産増を加えて、基準年次の32%増の約180万トン、水産業生産額は、45%増の約680億円と見込むものとする。
この結果、生産所得は、45%増の約310億円、一方、就業者は、23%減の約84千人と見込まれ、水産業の生産性は、1.9倍(年率6.5%)に上昇する。
このための主要な施策はつぎのとおりである。
(1)漁業生産基盤の整備拡充
漁港については、今後の漁業動向に対応し、主要漁港および地方的中核漁港に重点をおいて、その整備を強力に推進する。
また、漁場造成事業については、全道沿岸の適地に大型魚礁を築設する等その積極的推進をはかる。
(2)漁業資源の培養、開発
魚介藻類増養殖事業の推進、とくに、さけ、ます増殖事業を大幅に拡充するとともに、沿岸資源の培養と沖合資源の開発のために、中型底びきの北洋転換をはかる。
(3)漁船および共同利用施設の整備改善
漁船については、船型および船令構成の適正化とその装備の改善をはかり、また、共同利用施設については水産倉庫、漁船用給油給水施設等の整備につとめる。
(4)水産加工の近代化と流通の改善
冷凍、冷蔵等水産加工施設の整備を促進するとともに、流通の改善に資するため、冷凍運搬船、冷蔵トラック等の整備につとめる。
4 鉱業
石炭鉱業は、北海道経済において重要な地歩を占め、他地域に比して相対的に有利な生産条件を有しているので、エネルギー消費構造の変化に即応しつつ、競合エネルギーとの競争力を高め、生産の安定的拡大をはかることが強く要請されている。このため、原料炭の生産拡大につとめるとともに、採炭および輸送コストの引下げ、需要の拡大等を通じて、石炭鉱業の安定強化をはかり、産炭地域振興のための対策を推進するものとする。
また、金属、非金属鉱業についてみると、北海道は、わが国における枢要な鉱産地帯であり、近年、銅、鉛、亜鉛、砂鉄等の重要鉱産物の生産も著しい上昇を示し、また、有望産油地帯として期待をかけられている。しかも北海道は開発の歴史が浅いため、未調査の地域が広範に残存し、新鉱床発見の可能性はきわめて大きく、わが国における鉱物資源の供給地として重要な地位を占めるものと考えられるので、貿易の自由化と地域産業振興の方向を勘案して、銅、鉛・亜鉛・製鉄原料鉱物等の有用鉱物の探査事業を強力に推進するとともに、産業関連施設の整備を通じて企業化を促進し・鉱量の確保と生産の拡大をはかるものとする。
このような方針にもとづいて、目標年次における鉱業生産額は、基準年次の20%増の約1、060億円を見込み、石炭(精炭)は26%増の約2、400万トン程度に達し、全国に対する出炭比率は、北海道炭の相対的有利性を反映して、逐年増大する見込みである。その他金属および非金属鉱物については、今後における国際競争力をも考慮して、金、銀、銅、鉛、亜鉛、砂鉄等の生産を伸ばすとともに、原油等の開発を見込むこととする。
この結果、生産所得は、12%増の約530億円となり、一方、就業者は、23%減の約87千人と見込まれ、生産性は、主として石炭鉱業における生産性の向上の結果、1.5倍(年率3.9%)の上昇を示す。
このための主要な施策はつぎのとおりである。
(1)鉱産物の道内需要の拡大
石炭については、道内消費の拡大の方向として、火力発電、石炭利用工業の開発振興につとめ、金属、非金属鉱物については、亜鉛製錬所、セメント工場等の新増設を通じて需要の拡大をはかる。
(2)調査探鉱事業の推進
地質図幅の早期完成と有望鉱床に対する調査探鉱事業の推進をはかることとし、このため関係諸機関の拡充強化と民間探査の奨励につとめる。
(3)炭坑技術の近代化の促進
坑内構造の立坑化、採炭(とくに急傾斜炭層における採炭)および支保の機械化をはかるとともに、水力による採炭輸送、炭田ガスの高度利用、地下ガス化等の技術開発を促進する。
(4)選鉱、製錬の試験研究の促進
鉱産物の合理的開発と未利用資源の利用をはかるため、選鉱、製錬技術の試験研究を積極的に推進する。
(5)関連基礎施設の整備
鉱山道路、荷役施設、積出港湾の整備拡充とともに、石炭専用船の建造を推進する。
5 工業
北海道の工業は、従来、原料立地型工業を中心として発達しており、一般的に加工度低く、その構造も後進的であって、わが国工業における地位は、生産額でわずか3%前後を占めるにすぎない。しかしながら、北海道は原料資源のみならず用地用水等の自然的立地条件に恵まれ、工業化のための潜在力はきわめて大きく、また、産業基盤も逐次整備されてきている等その社会経済的立地条件も改善されつつあり、わが国工業の拡大発展のための関東以北における重要な工業開発地域として積極的役割をになうべき段階に達している。
このような観点にたって、中核工業地帯において、重化学工業を積極的に誘致開発するとともに、地域開発の中核となる拠点都市を中心として、域内原料資源を活用する諸工業を育成振興して地域開発を促進し、さらに、関連工業として重要な機械工業の育成および既存工業の振興合理化等を推進して、工業構造の高度化をはかるものとする。
このような方針にもとづいて、目標年次における工業生産額を基準年次の3.5倍の約15、100億円と見込むものとする。重化学工業部門においては、鉄鋼、石油製品、機械工業等の大幅な生産増、および製鉄化学、石油化学、木材化学等の新規工業の生産によって、重化学工業生産額約7、000億円を見込み、資源利用工業部門においては、洋紙約150万トン、バター約4万トン、セメント約260万トン等の生産拡大を見込むものとする。
この結果、目標年次の工業生産額に占める重化学工業部門の比重は、基準年次の30%から46%になり、工業構造は相当高度化する。また、このような生産の飛躍的増大にともなって、生産所得は大幅に増加し、基準年次の約3倍の約2、660億円となり、一方、就業者は80%増の約398千人に増加し、生産性は、基準年次の1.7倍(年率5.2%)に上昇する。
このための主要な施策はつぎのとおりである。
(1)重化学工業の開発
臨海部の中核工業地帯において、粗鋼約200万トン生産の規模を有する新規製鉄基地および原油処理能力約10万バーレルの石油精製基地を開発し、関連の製鉄化学および石油化学コンビナートを育成する。このため、基礎施設の集中的整備をはかる。産炭地域においては、低廉な火力発電を行ない、電気銑工業、アルミニューム工業等を新規に開発する。
また、機械工業は道内機械需要の充足を主限として既存工業の設備拡充と近代化を促進するほか、中核的工場を道外より新規に誘致育成する。
(2)資源利用工業の育成
紙パルプ工業、乳製品工業、てん菜糖工業等の資源利用工業を、地域開発の中核となる拠点都市を中心として育成振興し、地域開発の促進に資する。
(3)工業技術の開発振興
北海道工業開発試験所等工業試験研究機関を整備充実して、資源利用の新技術を開発するとともに、工業の一般的技術水準を向上せしめるため、技術の普及指導をはかる。
(4)工業環境の改善と工業誘致の促進
産業基盤の整備とあわせて、熟練労働力の確保、エネルギー価格の低位安定等工業環境の改善をはかるとともに、工業誘致につとめる。
6 観光および運輸交通業
観光
北海道の雄大神秘な自然景観は、すぐれた観光資源として評価され、その開発は、国民文化厚生上はもちろん、国際観光のうえからも、また、国内観光および観光関連産業の振興の見地からもきわめて緊要である。
このため、観光関係施設の整備拡充をはかり、観光の開発につとめるものとする。
(1)観光資源の保護開発
観光資源の保護開発をはかるため、既指定自然公園12か所の施設および国民休暇村の整備ならびに未開発観光資源の開発と未指定自然公園の公園指定を促進する。
(2)受入体制の整備拡充
受入体制の整備拡充をはかるため、国際および国内観光宿泊施設等の整備を促進するとともに、観光補助施設の整備につとめる。また、観光ルートに即応した交通輸送施設の整備強化をはかる。
運輸交通業
産業の飛躍的発展にともない、輸送需要は著しく増大するものと見込まれるので、これに即応する道路、港湾、空港等の基礎施設の整備とあいまって車輌、船舶、航空機の整備を促進するとともに、荷さばき施設および保管施設の整備等、輸送設備の近代化につとめ、運輸交通業の育成振興をはかる。

第7 産業基盤の整備
〔1〕輸送通信施設
1 道路
開発をすすめるにあたっては、産業活動の動脈となる道路の整備が緊急であるが、北海道の道路は、なお、密度、整備度ともにきわめて低く、さらに道路網の充実を重点的にはかる必要があるので、幹線道路、街路、その他産業の開発に必要な道路等の整備を強力に推進するとともに、産業の高度化に即応する冬期間の道路交通を確保する等、道路性能の向上をはかるものとする。
このための主要な施策はつぎのとおりである。
(1)国道の整備
一級国道については昭和40年度までに、二級国道については昭和45年度までに、全路線の改築をおおむね完了するとともに、中核工業地帯ならびに都市および都市周辺における、とくに交通量の多い区間の再改築を行なう。
(2)地方道の整備
道道および市町村道については、地方的幹線として重要な路線、産業の開発のために必要な路線、観光上重要な路線、ならびに中核工業地帯および地域開発の中核となる拠点都市等における主要な路線について、整備の促進をはかる。
(3)冬期道路交通の確保
冬期間の道路交通については、産業活動の高度化に即応して、逐年除雪延長の拡大をはかるものとし、国道および主要道道については、おおむね全路線、その他の地方道については、主要な路線の除雪を行なうとともに、凍雪害防止等の事業を推進する。
(4)高速自動車国道の調査等の促進
高速自動車国道については、開発推進の基盤としての必要性ならびに自動車交通の増大に対処するため、その調査等の促進をはかる。
2 港湾
近年、北海道の港湾取扱貨物量は、著しい増加を示しているが、今後の産業活動の活発化にともない、この傾向はさらに強まり、目標年次には6、000万トン(青函航送分を除く。)を上まわるものと推定される。この急増する貨物量に対処して、重要物資輸送のための主要港湾の整備をはかるとともに、工業開発の拠点としての港湾の整備を強力に推進し、あわせて地域開発上重要な地方港湾の整備を重点的に促進するものとする。
このための主要な施策はつぎのとおりである。
(1)重要物資輸送のための主要港湾の整備
外貿貨物をはじめ、石炭、石油、鉄鋼、木材、その他工業原材料、工業製品等の輸送量の増加に対処するため、道外輸送の拠点である重要港湾の整備を促進する。
(2)開発港湾の整備
開発港湾として苫小牧港等の整備を促進する。
(3)沿岸輸送力増強のための港湾の整備
地域の開発、漁獲物などの輸送、離島連結および海難防止のため、地方港湾および避難港の整備をはかることとし、とくに重要な地方港湾については、重点的に整備を行なう。
3 空港
経済活動の活発化にともない、道本州間および地域広大な道内の交通の迅速化は緊要となりつつある。このため、既設空港施設の整備、地域開発上必要なローカル空港の新設、航空保安施設の整備等をはかり、あわせて幹線空港における軍民共用空港の分離につとめ、道内航空路網を確立し、航空輸送の定期性および安全性の確保をはかる。
4 鉄道
北海道の重要幹線は、すでに輸送容量の限界に達しており、このため、道内の潜在輸送需要はかなり抑制されているとみられるが、産業開発の進展に即応して、今後、重要幹線および青函航路を中心に、鉄道輸送需要はさらに増大し、開発上のあい路となることが予想されるので、重要幹線および青函航路に重点をおいて、国鉄輸送力の増強につとめるものとする。
このための主要な施策はつぎのとおりである。
(1)重要幹線等の輸送力の増強
函館本線、室蘭本線、千歳線等の複線化および電化につとめ、車輌増備、主要な駅および操車場等輸送施設の整備、列車のディーゼル化等を促進するとともに、青函就航船の代替更新および増強をはかる。
(2)新線建設の促進
建設着工線の名羽線ほか7線の建設を促進する。
(3)青函連絡ずい道建設の促進
5 航路標識
北海道沿岸海域における船舶の海難防止と運航能率の増進をはかるため航路標識の整備を促進する。
とくに、港湾標識については、港湾および漁港の整備計画に即応して、その整備を積極的に促進する。
6 通信
北海道においては、地域の広大性に加うるに、最近の経済活動の活発化によって、その神経としての役割をになう通信に対する需要は激増する傾向にあるので、通信施設の整備拡充をはかり、通信機能とサービスの向上につとめるものとする。
このための主要な施策はつぎのとおりである。
(1)加入電話の増設、自動化の促進等
加入電話需要のおおむね90%充足を目途に加入電話の増設をはかるとともに、自動化の促進、市外回線の即時化を推進する。また、公衆電話および農山漁村電話の増設につとめる。
(2)テレビ放送網の整備
テレビ聴視可能地域の拡大をはかるため放送網の整備を促進する。
(3)郵便施設の整備
局舎の改善、集配施設の機械化等、郵便施設の整備を促進する。
〔2〕国土保全施設
1 治山
北海道の山地は、崩壊しやすい新生第三紀層の分布が広く、奥地開発の進展と相つぐ天災によって、近時、その荒廃がはなはだしく、下流地域の保全はもとより林地の生産機能を著しく阻害しているので、これら荒廃地の早期復旧と予防治山の拡充強化につとめるとともに、防災林、保安林の整備を促進し、林業生産の拡大とあわせて国土保全の推進をはかる。
2 治水
北海道の2、300余におよぷ河川の多くは未改修の状態で、その施設にはほとんど見るべきものがなかったが、近時、流域内の産業活動の拡大と人口の増加にともない、融雪、台風、局地豪雨等による出水ごとに被害がはなはだしくなる現状にかんがみ、流域内の保全はきわめて緊要な課題となってきている。このため治水事業は、総合開発の進展に対応して、民生の安定、経済の発展にともなう産業の地域的配置等を考慮して、水源から河口にいたるまで一貫性をもたせ、河川、砂防、ダム等の各事業を総合的に推進するものとする。
このための主要な施策はつぎのとおりである。
(1)河川改修の維進
直轄河川のうち、国費14河川については、石狩川等重要河川に重点をおいて、未防ぎょ地区の改修を促進するものとする。特殊河川については、継続16河川の改修を促進するとともに、今後の農地開発と密接な関連を有する新規河川の改修を実施する。
補助河川のうち、道費河川は、継続30河川の改修を促進するとともに、緊急度の高い河川について新規に改修を実施する。また、未改修河川の多い実情にかんがみ、小規模河川改修および局部改良工事を重点的に推進する。
(2)砂防事業の推進
石狩川等重要な水系について直轄砂防事業を実施するとともに、補助砂防事業として、通常砂防23渓流等の継続事業の促進をはかるほか、緊急度の高い渓流について新たに事業を行なう。また、緊急に地すべり対策を必要とする地区についてその事業を促進する。
(3)多目的ダム建設の促進
多目的ダムについては、治水機能の確保にあわせて近時増大する各種用水需要を考慮しつつ金山ダムの完成をはかるとともに、必要な地点についてダム建設の促進につとめる。
3 海岸保全
近時、北海道の沿岸においては、侵食等による道路、鉄道、港湾、漁港、農地等の被害が著しく、また沿岸住民に与える物質的、精神的被害も年々増大する傾向にある。このため国土保全と民生の安定の見地から、保全施設の整備を格段に推進することとし、とくに事業効果、工事規模等を勘案し、緊急度の高い海岸について重点的に保全事業を推進する。
4 気  象
北海道の気象はきわめてきびしく、生産活動に与える影響もまた大きいので、水害等の防災対策としてはもとより、産業の振興に積極的に寄与するため、気象施設の整備を促進し、観測予報体制の確立をはかるものとする。
このための主要な施策はつぎのとおりである。
(1)災害対策のための気象施設の整備
水害対策および利水の高度化に資するための、多目的ダム計画に対応する水理気象業務施設の整備、農業生産の高度化および農業気象災害の防止軽減に資するための農業気象業務施設の整備、沿岸防災対策のための気象業務施設の整備、ならびに火山の災害防止のための火山観測所の整備を促進する。
(2)航空気象業務施設の整備
所要の空港の航空気象業務施設の整備を促進する。
(3)気象予報体制の確立
気象通報業務の充実のため、気象用観測施設の整備を促進する。
〔3〕電力
従来、北海道において、電源の開発は、産業開発の原動力として強力に進められてきたが、近年の経済活動の活発化と道民生活水準の向上にともなって、電力需要は著しく伸びており、今後の産業構造の高度化と生活水準の向上に即応してこの傾向は一層強まるものと予想され、目標年次における電力需要量は、基準年次のおよそ3倍の約140億キロワット時(需用端)に達するものと見込まれる。
この増大する需要に対し、豊富低廉かつ安定的な電力の確保を目途に、開発資金の確保、税負担の合理化等につとめ、電源の開発を推進するものとする。
このための主要な施策はつぎのとおりである。
(1)電源の開発
水力については、河川総合開発事業による水力地点を含めて、大規模貯水池および調整池を有する水力地点の開発に重点をおき、火力については、北海道の系統容量に適応する新鋭大容量火力の建設を主限とし、水火力合計190万キロワット(最大出力)の開発を推進する。
(2) 水火力の均衡化
電源の開発にあたっては、豊富な石炭資源を活用して、新鋭火力発電をベースロードとする経済的な水火力の組合せにより、負荷の変動に対応して安定的供給の確保をはかり、目標年次における発電設備の水火力の比率をおおむね2対3と見込むものとする。

第8 社会生活基盤の整備
1 住宅
北海道の住宅は、きびしい気象条件下にあるにもかかわらず、防寒性、耐久性ともに著しく劣悪であって、生活基盤としてはもとより、労働力の再生産にとってもその機能が著しく低下しており、また、最近の個人消費水準の向上に比して、その居住水準は依然として低く、なお多くの住宅難世帯を擁しており、さらに、開発の進展に対応する労働力の移動を円滑化ならしめる見地からも住宅の整備はきわめて緊要である。
このため、公的資金による防寒、耐久住宅の建設を促進し、期待される民間自力建設の増大とあわせて、世帯ごとの住宅を確保し、近代的居住環境の計画的整備をはかるものとする。
このための主要な施策はつぎのとおりである。
(1)必要住宅戸数の確保
計画期間内の建設必要戸数約50万戸の建設につとめ、1世帯1住宅を確保し、また、防寒不燃構造化等による住宅の質の改善をはかる。
(2)公的資金による住宅建設の拡充
公的資金による住宅は、低所得勤労者階層のための住宅供給に重点をおき、公営住宅、住宅金融公庫融資による住宅、日本住宅公団による住宅等、あわせて約20万戸の建設につとめる。
2 都市および生活環境施設
最近の北海道経済の発展と個人消費生活の向上に比して、住民生活と密接な関連をもつ生活環境施設は著しく立ちおくれているが、これらの施設は重要な開発基盤を形づくるものであるから、その整備を積極的に推進することとし、とくに都市の整備は、広域にわたる都市計画的考慮のもとに、中核工業地帯、地域開発の中核となる拠点都市に重点をおき、総合的な土地利用計画にもとづいて、街路、都市公園、上下水道の整備を推進し、明るく住みよい生活基盤の確立につとめるものとする。
このための主要な施策はつぎのとおりである。
(1)都市の土地利用計画の確保
都市の土地利用の法的規制としての用途地域の指定を35都市に拡大し、合理的な土地利用の促進をはかる。
(2)市街地の開発
既存宅地利用の合理化をはかり都市の形態を整えるため、市街地改造および都市改造の事業ならびに防災建築街区造成、不良住宅地区政良の事業を行なって、既成市街地の再開発を促進するとともに、公的機関による宅地の造成を促進し、計画的な新市街地の開発をはかる。
(3)都市公園の整備
都市公園の整備はかなり立ちおくれているので、目標年次には、都市公園面積は、少なくとも市街地人口1人当り4平方メートルを目途に都市公園の整備をはかり、また、必要な墓園の整備を促進する。
(4)上水道施設の整備
都市人口の増大、生活水準の向上にともなう用水需要の増大に対処して、目標年次における給水人口を、おおむね470万人と見込み、これに対応する上水道および簡易水道施設の整備を促進する。
(5)下水道の整備
生活環境施設のうち、とくに立ちおくれの著しい下水道の整備を重点的に行なうこととし、終末処理施設と一体をなす公共下水道については、排水面積約9、600ヘクタールの拡大をはかり、また、都市下水路について排水面積の拡大整備につとめる。
(6)清掃施設の整備
都市人口の増大に即応して、都市におけるし尿およびごみの科学的処理を促進するため、し尿対策としては、主要都市における下水道終末処理施設、その他の都市におけるし尿消化そう等の整備をはかる。また、ごみ処理については、産業および観光都市を主体に焼却施設等の整備を促進する。
(7)都市ガスの普及
生活水準の向上にともない、都市ガスの需要はかなり拡大するものと予想されるので、中規模都市以上について、都市ガス施設の新増設を行ない都市ガスの普及をはかる。
3 文教施設
総合開発の円滑な進展を期するためには、学校教育、社会教育の強化が必須であるので、義務教育施設はもとより、中、高等教育施設、とくに、産業の振興と密接に結びつく技術教育施設の拡充をはかるとともに、社会教育施設、保健体育施設の整備を促進し、生活文化の向上に資するものとする。
このための主要な施策はつぎのとおりである。
(1)初等、中等教育の充実
開発の進展にともなう人口増加に対処する教育施設を整備することはもちろん、現在、著しく不足している理科、技術家庭科等の実験実習室を整備拡充するとともに、科学教育および理科、技術家庭科等の施設を整備する。また、今後不足を予想される理工系教員の養成をはかり、あわせて、へき地教育の振興につとめる。
(2)高等教育の充実
産業開発に深い関係をもつ大学および短期大学の整備、とくに工業技術者の養成を目的とする高等専門学校および既存大学の理工系学部の整備拡充をはかる。
(3)社会教育の振興
生活文化の向上をはかり、社会教育活動を推進するため、公民館、図書館、博物館等の諸施設を整備する。
(4)保健体育の振興
道民の健康増進と体位の向上をはかるため、スポーツセンター、国民運動場等の諸施設を充実する。
4 厚生施設
総合開発にあたっては、産業開発にあわせて、住民福祉と密接な関連をもつ社会福祉施設、公的医療機関の整備が必須とされるが、北海道におけるこれらの施設は、その広域性に比して全般的に未整備の状況にあるので、今後の人口増加等に見あって、社会福祉施設、医療保健施設の整備を捉進するものとする。
このための主要な施策はつぎのとおりである。
(1)社会福祉施設の充実
生活保護施設、身体障害者保護施設等の整備充実をはかる。また、児童福祉施設、不良環境地区改善施設の整備充実とともに、更生金融制度の強化等の一連の社会福祉施策の推進をはかる。
(2)医療保健施設の整備
公衆衛生対策の強化とともに、公的医療機関の適正配置、医療施設の整備、へき地医療の充実、保健所の整備、医療技術者の養成確保等によって診療機能の拡充強化につとめる。
5 労働関係施設
経済規模の拡大と産業構造の高度化にともなって、目標年次における労働力需要は、量、質ともに大きく変化することとなるが、この労働力需要に即応して、安定した労働力の確保とその質的向上をはかる。
このための主要な施策はつぎのとおりである。
(1)職業安定施設の拡充
計画期間内の労働力需要は、純増加、死亡およびリタイヤによる交替補充分を考慮すると、約100万人と推定される。この需要に対応して職業紹介ならびに職業指導を積極的に実施するため、公共職業安定機関の拡充をはかる。
(2)職業訓練の充実
計画期間内の建設業、製造業および運輸通信公益事業の就業者の純増は約33万人と推定されるが、これにともない職業訓練によって充実すべき技能者に対する需要も、著しく増大するので、一般職業訓練所等の施設の整備拡充をはかるとともに、事業内職業訓練に対する指導援助につとめる。
(3)労働福祉施設の整備
中小企業労働者、勤労婦人、年少労働者等のため、労働福祉施設の拡充をはかる。

第9 調査および試験研究の拡充強化
各種産業の積極的開発振興をはかるため、その基本となる資源および産業開発のための諸調査を強力に推進するとともに、産業の開発振興および生産性の向上に密接な関連を有する試験研究の拡充をはかる。とくに北海道に豊富に賦存する資源の高度利用のための工業化試験および草地開発のための試験研究の拡充強化を推進する。
また、開発事業を効果的に遂行するため、事業計画調査および開発技術に関する試験研究の充実をはかる。

第10 資金
この計画達成のための8か年間の所要資金は、約3兆3、000億円と見込まれ、その内訳はつぎのとおりである。
行政投資                      9、400億円
産業基盤整備
(道路、港湾、治山治水)              5、500億円
産業振興、社会生活基盤整備等
(農林水産業、空港、海岸保全、住宅、その他)    3、900億円
政府企業、民間企業等投資              23、600億円
合計                        33、000億円
(注)1 行政投資とは、国、地方公共団体および公団による社会資本投資を指すが、ここでは防衛、災害、官庁営繕等の投資は含まれていない。
2 政府企業、民間企業等投資とは、国、地方公共団体、公団による企業的投資、ならびに民間企業投資および個人住宅投資である。なお、国および地方公共団体の補助金を含む。
3 価格は昭和35年度価格である。

むすび
この計画は、北海道の有する開発の可能性をつぶさに検討して策定したものであるが、この計画達成のためには、国の努力はもちろん、地方公共団体、ならびに民間の積極的協力が必要である。したがって政府公共部門の計画的推進、政府関係金融機関の活用等行政上、財政上の適切な措置を講じつつ、とくにつぎの点に配慮して、その円滑な運用をはかるものとする。
(1)施策相互間の有機的関連性を考慮し、総合的かつ重点的推進につとめること。
(2)経済情勢等の変化に応じて弾力的運用をはかること。
(3)消費流通の円滑化をはかるために必要な商業機能等の拡充強化につとめること。