粗糖輸入を自由化する場合あわせてとるべき措置

昭和38年8月30日 閣議了解

収載資料:農林行政史 第13巻 農林省大臣官房総務課編 1975 pp.606-607 当館請求記号:611.1-N955n4
1 国内甘昧資源に関する措置および沖縄産糖に関する措置関係の法案を予定される臨時国会に提出のうえその成立を期する。
2 臨時国会に提出予定の甘味資源に関する法律に基づく国内産糖の政府の保護措置等については、迅速適切に行なうとともに、最低生産者価格その他生産者の保護にかかわる事項については、自由化の影響が生産農民の甘味資源生産振興の意欲を減退させることのないよう考慮する。
3 沖縄産糖の政府買入制度についてもこれに準ずるものとする。
4 消費者物価対策を考慮し、砂糖消費税の引下げを行なう。
5 粗糖輸入自由化と砂糖消費税の軽減等による糖価水準の低下の影響が懸念されるぶどう糖およびいもでん粉対策として上記関係法案による措置のほか、ぶどう糖、砂糖類の消費拡大を通じ、ぶどう糖の飛躍的拡大を図るため次の措置をとる。
 (1)課税方式を改め、精糖工場で製造できるものとする。
 (2)4による砂糖消費税の軽減に当たって、液糖の税率を普通砂糖より有利なものとすること。
6 てんさい生産振興対策については下記により適地において強力に展開する。
 (1)単位面積当たり収量の低位が農家の増産意欲を阻害し、てんさい糖業にとって原料不足、コスト高をもたらしている悪循環を断ち切るため、土地基盤の整備、機械の導入、施行料の負担等手厚い増産施策を講ずる。
 (2)特に暖地てんさいについては、原料輸送費の補助等所要の保護措置を講ずるほか、要すれば南九州地区に(1)の施策に関連し原料加工を主たる目的とする公社的性格の企業体の設立を考慮する。