IAEA(国際原子力機関/International Atomic Energy Agency)

設立及び目的

1957年設立(日本は原加盟国) 本部: ウィーン(オーストリア)

IAEA憲章によると、機関の目的は次のとおりです。
「機関は、全世界における平和、保健及び繁栄に対する原子力の貢献を促進し、及び増大するように努力しなければならない。機関は、できる限り、機関がみずから提供し、その要請により提供され、又はその監督下若しくは管理下において提供された援助がいずれかの軍事的目的を助長するような方法で利用されないことを確保しなければならない。」(The Statute of the IAEA外部サイト Article II)

組織構成

総会(General Conference)、理事会(Board of Governors)、事務局(Secretariat)から構成されています。総会は通常毎年9月に開催され、予算の承認等、理事会が付託した事項の決定を行います。理事会は35カ国(理事会指定の13カ国と総会選出の22カ国)で構成され、通常年5回開催。機関の任務を遂行する権限をもち、実質的な決定はこの理事会で行われます。
Policy Bodies外部サイト

またIAEAの活動領域に応じて、事務管理部門のほか、以下の5つの部門があります。

Department of Technical Cooperation外部サイト(技術協力部)
加盟国に対する技術援助を担当します。
Department of Nuclear Energy外部サイト(核エネルギー部)
核エネルギー、特に原子力発電・核燃料サイクルなどの分野を担当します。
Department of Nuclear Safety and Security外部サイト(核安全保証部)
原子炉や放射性物質による人体・環境への影響などの分野を担当します。
Department of Nuclear Sciences and Applications外部サイト(核科学応用部)
農業・健康・水資源・環境保護・物理化学などの分野を担当します。
Department of Safeguards外部サイト(保障措置部)
核兵器の拡散・放射性物質の悪用に対する監視・検証などの分野を担当します。

国連・安全保障理事会との関係

IAEA憲章には以下の規定があります。

「機関は、その任務を遂行するため、次のことを行うものとする。・・・4.機関の事業に関する報告を毎年国際連合総会に提出し、かつ、適当な場合には、安全保障理事会に提出すること。機関の事業に関して安全保障理事会の権限内の問題が生じたときは、機関は、国際の平和及び安全の維持に関する主要な責任を負う機関である安全保障理事会に通告するものとし、また、この憲章に基き機関にとって可能な措置(第十二条Cに定める措置を含む)を執ることができる。」(The Statute of the IAEA外部サイト Article III.B)

IAEAは国際連合の専門機関(国連憲章第57条、第63条に基づき経済社会理事会と連携する政府間国際機関、UNESCOなど)とは区別されています。

IAEAに関する一般的な情報

IAEAに関する情報、及びIAEAが発信する情報は、現在、ほとんどすべて公式Webサイトで公表されています。
International Atomic Energy Agency外部サイト

日本語では以下のサイトが参考になります。

外務省:国際原子力機関外部サイト

内閣府原子力委員会:IAEA外部サイト

『原子力百科事典ATOMICA』:国際原子力機関(IAEA)外部サイト(財団法人高度情報科学技術研究機構)

IAEAの主要な出版物

現在、IAEAの出版物はほぼすべてIAEA Publications外部サイトで公開されています。IAEA Library外部サイトの目録も参照してください。ここでは、代表的な出版物を紹介します。

ドキュメント

当館では、次のドキュメント記号で始まるドキュメントを所蔵しています(欠号多数)
総会:GC/ 理事会:GOV/ Information Circulars:INFCIRC/

IAEA Information Circulars (INFCIRC/)外部サイト
時々の必要に応じて発行される、IAEA加盟国への回覧文書です。ガイドラインなどが含まれます。
IAEA General Conference Documents (GC/)外部サイト
IAEA総会のドキュメントです。
Board of Governers Documents (GOV/)
IAEA理事会のドキュメントです。

公式記録(Official Records)

公式記録(Official Records)はIAEA General Conference Documents (GC/)外部サイトの中で特に重要なものです。

OR1 Rules & Procedures of the General Conference外部サイト
総会の議事規則です。
当館所蔵:1983 【Y530-OR.1-GC(XXXI)/INF/245】
OR2 IAEA Annual Reports外部サイト
IAEA全体の年次活動報告書です。IAEAは毎年、活動報告書を国連安全保障理事会に提出する義務があります。
当館所蔵:1958/59-1983 【NG8-11】 / 1984-2000 【Y530-OR.2-*】 / 2001-2010 【Z63-D126】
OR3 The Agency's Programme and Budget
事業計画と予算です。通常予算はIAEA Regular Budget外部サイトでも見ることができます。
当館所蔵:1960-1963 【A163-23】 / 1964-1985 【A163-23】 / 1986-2002/03 【Y530-OR.3-*】 / 2004-2008/09 【Z63-D123】
OR4 The Agency's Accounts
会計報告です。
当館所蔵:1959-1983 【DL211-9】 / 1984-2000 【Y530-OR.4-*】 / 2001-2010 【Z63-D122】
OR5 Resolutions and Decisions of the General Conference外部サイト
総会で採択された決議と決定です。
当館所蔵:1959-1983 【A161-3】 / 1984-2001 【Y530-OR.5-*】 / 2002-2006 【Y530-B1】 / 2007 【Z63-D453】
OR6 Technical Cooperation Report外部サイト
国際協力に関する年次報告書です。
当館所蔵: 1981-1983 【NG31-168】 / 1984-2000 【Y530-OR.6-*】 / 2001-2007 【Z63-D135】

広報誌

IAEA Bulletin外部サイト
一般向けの広報誌です。
当館所蔵:1959-2010 【Z53-F157】

年次報告書類

IAEA Annual Reports外部サイト
IAEA全体の年次活動報告書です。
当館所蔵:1958/59-1983 【NG8-11】 / 1984-2000 【Y530-OR.2-*】 / 2001-2010 【Z63-D126】
Nuclear Safety Review外部サイト
放射性物質管理・原子力発電所などの安全対策に関する年次報告書です。
当館所蔵:1984-2010 【Z63-B667】(欠号あり)
Safeguards Implementation Report外部サイト
核不拡散のための保障措置に関する年次報告書です。
Nuclear Technology Review外部サイト
原子力工学の近況に関する年次報告書です。
Technical Cooperation Report外部サイト
国際協力に関する年次報告書です。
当館所蔵: 1981-1983 【NG31-168】 / 1984-2000 【Y530-OR.6-*】 / 2001-2007 【Z63-D135】

基本統計

Country Nuclear Power Profiles外部サイト
各加盟国の原子力発電に関する基本情報です。
Operating Experience with Nuclear Power Stations in Member States外部サイト
各加盟国の原子力発電所の運転実績です。
当館所蔵:1974-1983 【ND148-13】 / 1984-2004 【Z63-B83】 / 2005-2007 【YH247-583】

技術出版物

国際原子力情報システム(International Nuclear Information System)のINIS Reportの概要は、調べ方案内「INISレポート」を参照してください。

IAEA Technical Documents (IAEA-TECDOC)外部サイト
IAEAの活動の技術面の研究報告書です。編集されておらず、IAEAは内容に関して一切保証しません。一部タイトルは日本語訳が出版されていることもあります。
当館所蔵:IAEA Technical Documents 【Y530-B4】 など
Nuclear Fusion外部サイト
核融合工学に関する著名な学術誌です。
当館所蔵:1960+ 【Z53-A465】
Safety Reoprts Series外部サイト
放射性物質・原子炉等の安全管理手法に関するガイドライン等の報告です。
当館所蔵:Best estimate safety analysis for nuclear power plants 【A163-B939】 など
Proceedings Series外部サイト
研究会の発表記録です。
当館所蔵:Fissile material management strategies for sustainable nuclear energy 【YU111-B683】 など
Human Health Series外部サイト
放射性物質の人体に与える影響や、医療への応用などに関するガイドライン等の報告です。
当館所蔵:Appropriate use of FDG-PET for the management of cancer patients 【A163-B1467】 など
Nuclear Energy Series外部サイト
原子力発電所に関するガイドライン等の報告です。
当館所蔵:Best practice in environmental management of uranium mining 【YU111-B1186】 など
Nuclear Security Series外部サイト
放射性物質の安全管理に関するガイドライン等の報告です。
当館所蔵:Educational programme in nuclear security 【A163-B1447】 など
Technical Report Series外部サイト
様々な技術研究報告書です。
当館所蔵:Guidelines for agricultural countermeasures following an accidental release of radionuclides 【Y530-1994-8】 など

安全基準

IAEAの安全基準はすべてWebサイトに掲載されています。
IAEA Safety Standards外部サイト

また、旧・独立行政法人原子力安全基盤機構が「IAEA安全基準邦訳データベース」を作成しており、当館のインターネット資料収集保存事業(WARP)で採録した2016年12月7日時点の原子力規制委員会のホームページで利用可能です。ただし、当時から邦訳版の一部は、翻訳協力機関である公益財団法人原子力安全研究協会外部サイトで公開していたものにリンクを貼って提供されていました。その部分については、同協会の内部組織である処分システム安全研究所が提供している放射性廃棄物に関連する国際原子力機関(IAEA)安全基準の翻訳版外部サイトと併せてご利用ください 。

IAEA Safety Standards Series外部サイト
当館所蔵:Development and application of level 1 probabilistic safety assessment for nuclear power plants 【A163-B1441】、 核燃料サイクル施設の安全 【C3-J48】 など

条約・協定

IAEAの条約・協定はすべてWebサイトに掲載されています。
International Conventions & Agreements外部サイト

日本の原子力関係の法令集には、IAEAの条約などの日本語訳が収録されていることがあります。
原子力関係法規集【CZ-433-33】、原子力実務六法【CZ-433-L24など】

2011年3月の福島第一原子力発電所事故に関する情報

IAEAでは、特設ページを設けて福島第一原子力発電所事故に関する最新の情報を提供しています。
Fukushima Nuclear Accident外部サイト

The Fukushima Daiichi Accident外部サイト
2015年8月31日に公表されたIAEAの福島第一原発事故最終報告書です。付属の事務局長報告書外部サイトは日本語版も提供されています。
当館所蔵:The Fukushima Daiichi accident 【YU111-B1550】

また国際原子力情報システム(INIS)外部サイトでも事故に関する情報を検索することができます。
Fukushima Daiichi nuclear power plant, Japan外部サイト