ここでは、宇宙科学や天文学について、よく参照される科学的事実を体系立てて掲載している事典類などの資料やその探し方を紹介します。
【 】内は当館請求記号です。請求記号が記載されていない資料は、版、巻によって請求記号が異なります。各版、各巻の請求記号については、国立国会図書館オンラインでタイトルによる検索を行ってください。
目次
1. 基礎的な事典類
2. 国立国会図書館オンラインで検索するには
3. インターネット情報源
1. 基礎的な事典類
- 『天文・宇宙開発事典 : トピックス. 古代-2009』
(日外アソシエーツ 2009.10 【MB2-J2】)
紀元前2700年頃から平成21(2009)年8月までに起きた天文・宇宙開発に関する出来事が、発生順に掲載されています。人物の経歴や功績などの記載もあります。巻末に事項名索引と人名索引があります。
- 『天文学辞典』
(日本評論社 2012.7 【MB2-J5】)(目次)
天文学の基本的な用語、人名、組織名を約3,000の項目に絞り込み、簡潔に解説しています。天文学の教科書シリーズである「シリーズ現代の天文学」の別巻として刊行されています。
- 『天文の事典』
(普及版 朝倉書店 2012.8 【MB2-J4】)
- 『天文の事典』
(朝倉書店 2003.7 【MB2-H2】) (目次)
天文学の事典です。太陽系の構造、観測手段、古代の宇宙観、暦などを取り扱っています。「太陽系内の半径が200km以上の天体」、「火星探査機の歴史」なども掲載されています。巻末に用語解説、和文索引、欧文索引があります。
- 『天文学大事典』
(地人書館 2007.6 【MB2-H6】)
天文学に関連のある用語を五十音順に配列、解説している事典です。天体の固有名、通称名、人名なども掲載されています。そのほか、現行の88星座、おもな恒星や二重星・連星に関する詳しい情報が掲載された表があります。巻末に欧文索引、おもな人名一覧があります。
- 『オックスフォード天文学辞典』
(朝倉書店 2003.11 【MB2-H4】)
天文学の用語を簡潔に解説した辞典です。一般的な用語から専門用語まで幅広く、約4,000の項目を収録しています。巻末に惑星の衛星、星座、星団、星雲、銀河などの一覧表があります。
- 『理科年表= Chronological scientific tables』
(国立天文台編 丸善 年刊 【Z43-469】)
- 『理科年表』
(国立天文台編 机上版 丸善 年刊 【Z43-470】)(目次例:2017)
自然科学分野全般を網羅した便利なデータブックです。「暦部」、「天文部」などがあり、天文学や宇宙科学に関する情報も掲載されています。巻末に索引があります。各表にはデータの出典があり、元のデータが掲載されている資料を探すことができます。
- "Dictionary of minor planet names"
(Sixth revised and enlarged edition. Springer [2012] 【MB2-B13】)
- "Dictionary of minor planet names : addendum to Sixth edition: 2012-2014"
(Springer [2015] 【MB2-B15】)
IAU Minor Planet Center(国際天文学連合小惑星センター)によって公表された、小惑星の命名文をまとめた資料です。発見日順に、小惑星番号、名称、発見日時、発見者名、発見場所、命名文などがわかります。「発見数ランキング」や「名前の由来となったノーベル賞受賞者一覧」なども掲載されています。巻末に名称索引があります。
天体について知るためには、星図(star chart)や星表(star catalogue)などがあります。最新の星図は2000年分点のものです。
- 『標準星図2000』
(第2版 地人書館 1998.6 【YP19-436】) (目次)
全天を28枚の星図に分けています。星図には、7.5等までの恒星約2万5000個のほか、星団、星雲、銀河などの天体、経緯度、星座名、星名などが掲載されています。巻末に「明るい恒星の位置」、「メシエ天体のデータ」、「星座索引」、「星座学名一覧」があります。
- 『全天恒星図2000 : 2000年分点』
(誠文堂新光社 1984.9 【MB5-21】)
6.25等級まで恒星約6,300個のデータが掲載されています。
- "Sky catalogue 2000.0"
(Sky Pub. Corp 1982- 【MB5-9】)
天体に関するデータをまとめた星表です。第1巻は恒星を、第2巻は二重星・多重星、実視連星、分光連星、変光星、散開星団、球状星団、散光星雲、暗黒星雲、惑星状星雲、銀河、準恒星状天体、電波天体(電波源)、X線天体を取り扱っています。各巻に名称索引があります。
2. 国立国会図書館オンラインで検索するには
ここに紹介する以外の資料は、国立国会図書館オンラインで検索できます。タイトルや編者・出版者名に含まれるキーワードから探してください。科学技術振興機構が提供するJ-GLOBALにて別名や同義語を調べ、キーワードを広げることも有用です。
ここでは、国立国会図書館分類表(NDLC)による分類や国立国会図書館件名標目表(NDLSH)による件名から検索する代表的な方法を紹介します。
- 分類
以下のような分類記号に、キーワードを掛け合わせて検索します。
宇宙科学(事典・便覧類) MB2
星表 MB5 ※星図を含みます。
天文台・観測所 MB12
宇宙科学・天文学(全般) MB21
宇宙科学史 MB25
天体力学 MB41
実地天文学 MB51 ※天体観測法、天体望遠鏡などが該当します。
恒星 MB55
太陽 MB61
太陽系・惑星・衛星・彗星 MB71
月 MB75
- 件名
宇宙科学・天文学について検索するための代表的な普通件名には、「宇宙科学」、「天文学」、「星図」、「星表」、「プラネタリウム」、「食 (天文学)」、「軌道 (天文学)」、「天体観測」のほか、「恒星」、「銀河」、「ブラックホール」、「星座」、「太陽」、「惑星」などが普通件名として挙げられます。また、「便覧」、「辞書」のように形式を絞り込む件名と組み合わせることもできます。
また、Web NDL Authorities(国立国会図書館典拠データ検索・提供サービス)の分類記号検索において「NDLC」を選択し、「MB21」、「MB55」、「MB71」など上記で紹介するNDLCで検索すると、宇宙科学・天文学に関するほかの普通件名を探すことができます。
3. インターネット情報源
- 宇宙情報センター
宇宙航空研究開発機構(JAXA)が提供するページです。星、銀河、太陽系、天体観測などのテーマ別に、宇宙科学に関する情報をわかりやすく解説しています。
- 天文学辞典
日本天文学会によるインターネット上の辞典です。上掲の『天文学辞典』(日本評論社 2012.7 【MB2-J5】)がもとになっており、図や動画が追加されています。
- SAO/NASA Astrophysics Data System
NASAとスミソニアン天体物理観測所(SAO)が運営する、天文学の論文データベース(英語)です。 ヒットした論文を引用している論文(被引用論文)も検索できます。