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漢字表(字種・字体の変遷)を調べる

国の国語調査機関から発表された各種漢字表のうち、字種・字体を対象としたものを紹介します。
「現行の漢字が以前はどのような形で書かれていたか」、「旧字体から現在の平易な字体に変わったのはいつごろか」などが調べられます。

書誌事項末尾【 】内は当館請求記号です。

各漢字表の[資料]の項目に挙げた番号は、当該漢字表を収録している3.資料の番号に該当します。

目次

1.戦前
 1-1.漢字整理案
 1-2.常用漢字表
 1-3.字体整理案
 1-4.常用漢字表(修正)
 1-5.漢字字体整理案
 1-6.標準漢字表
 1-7.標準漢字表(修正)
2.戦後
 2-1.当用漢字表
 2-2.当用漢字別表
 2-3.当用漢字字体表
 2-4.人名用漢字別表
 2-5.人名用漢字追加表
 2-6.常用漢字表
 2-7.表外漢字字体表
 2-8.常用漢字表(改定)
3.資料

1.戦前

明治以降、日本語の表記をどうするかという問題が検討され、教育や業務などで日常使用する漢字を、一定の基本的な字種・字体・音訓だけに限定しようとする「漢字の制限」が検討され、各種の漢字表が発表されてきました。
戦前の漢字表は、臨時国語調査会や国語審議会によって検討・発表されましたが、社会的拘束力はなく、関東大震災の影響で制限案が見送られたり、日中戦争が拡大する中で中国の固有名詞表記の問題が出てきたりと、漢字の制限を実施するにはいたりませんでした。しかしながら、戦後の漢字表に大きな影響を与えています。

1-1.漢字整理案 1919(大正8)年12月 文部省普通学務局国語調査室

[字数] 約2,600字
[備考] 尋常小学校教科書の漢字の字形を整理した、最初の体系的な字体整理案です。実行上、十分な成果を上げませんでしたが、その後の字体整理案に大きな影響を与えました。
[資料] 1, 11
[ウェブサイト]
文化庁>国語施策・日本語教育>国語施策情報>国語施策沿革資料>漢字字体資料集(諸案集成1)外部サイトへのリンク

1-2.常用漢字表、略字表 1923(大正12)年5月 臨時国語調査会

[字数] 常用漢字1,962字、略字(簡易字体)154字
[備考] 国による最初の本格的な漢字制限案です。東京・大阪の20新聞社で、この漢字表を基礎とする漢字の制限を実施する予定でしたが、関東大震災のため実現しませんでした。
[資料] 2, 3, 4

1-3.字体整理案 1926(大正15)年7月 臨時国語調査会

[字数] 約1,020字
[備考] 1-2.の一部の字体を整理したものです。
[資料] 5

1-4.常用漢字表(修正) 1931(昭和6)年5月 臨時国語調査会

[字数] 約1,860字
[備考] 1-2.から約150字が削除され、約50字が追加されました。
[資料] 6, 7, 11
[ウェブサイト]
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1-5.漢字字体整理案 1938(昭和13)年7月 国語審議会

[字数] 1,032字(第一種文字743字、第二種文字289字)
[備考] 1-4.を整理したものです。第一種は国定教科書など一般的に使用できる漢字、第二種は特別の場合に使用できる漢字と「使用しても差し支えない」漢字です。反対意見が多く、実施に至りませんでしたが、戦後の2-3.に大きな影響を与えました。
[資料] 8, 11
[ウェブサイト]
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1-6.標準漢字表 1942(昭和17)年6月 国語審議会

[字数] 2,528字(常用漢字1,134字、準常用漢字1,320字、特別漢字74字)、簡易字体142字
[備考] 官庁はじめ一般社会で使用する漢字の標準が示されました。約半数の省庁や社会各方面から種々の意見があり、思想問題化したため、同年12月に1-7.に修正されました。
[資料] 11
[ウェブサイト]
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1-7.標準漢字表(修正) 1942(昭和17)年12月 文部省

[字数] 2,669字、簡易字体約80字
[備考] 義務教育で習得させるべき漢字の標準がしめされました。常用・準常用・特別漢字の3分類は廃止となりました。
[資料] 9, 10

    2.戦後

    1946(昭和21)年から1951(昭和26)年にかけて漢字表の内閣告示・訓令が次々と出され、教育、公文書、人名などにおける漢字の制限が実施されました。
    1981(昭和56)年にそれまでの漢字表は廃止となり、常用漢字表以降は漢字使用の制限ではなく漢字使用の目安とされています。

    2-1.当用漢字表 1946(昭和21)年11月 内閣告示

    [字数] 1,850字、簡易字体131字
    [備考] 法令・公用文書、新聞・雑誌など一般社会で使用する漢字の範囲が示されました。
    [資料] 12, 13
    [ウェブサイト]
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    2-2.当用漢字別表 1948(昭和23)年2月 内閣告示

    [字数] 881字
    [備考] 当用漢字表の中で、義務教育で指導すべき漢字(教育漢字)の範囲が定められました。
    [資料] 13, 14
    [ウェブサイト]
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    2-3.当用漢字字体表 1949(昭和24)年4月 内閣告示

    [備考] 漢字の読み書きが簡単かつ正確にできるよう、手書きの字体と印刷字体とを一致させるべく、字体の標準が示されました。ここで新たに標準として採用されたものが新字体です。
    [資料] 12, 13, 15, 16
    [ウェブサイト]
    文化庁>国語施策・日本語教育>国語施策情報>国語審議会(終戦~改組)>当用漢字字体表外部サイトへのリンク
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    2-4.人名用漢字別表 1951(昭和26)年5月 内閣告示

    [字数] 92字
    [資料] 13, 17
    [備考] 2-1.以外に人名として使用できる漢字が追加されました。
    [ウェブサイト]
    文化庁>国語施策・日本語教育>国語施策情報>第1期国語審議会>人名用漢字について(建議)外部サイトへのリンク

    2-5.人名用漢字追加表 1976(昭和51)年7月 内閣告示

    [字数] 28字
    [資料] 13

    2-6.常用漢字表 1981(昭和56)年10月 内閣告示

    [字数] 1,945字
    [備考] 漢字使用の制限ではなく、漢字使用の目安を示したものです。2-1.に95字を追加し、字体表などを統合したものです。人名用漢字の扱いは、法務省の戸籍法施行規則第六十条外部サイトへのリンクにゆだねられました。2-1.から2-5.は廃止となりました。
    [資料] 18
    [ウェブサイト]
    文化庁>国語施策・日本語教育>国語施策情報>第14期国語審議会>常用漢字表について(答申)>常用漢字表外部サイトへのリンク
    ※参考:戸籍法施行規則別表二 漢字の表外部サイトへのリンク

    2-7.表外漢字字体表 2000年(平成12)年12月 国語審議会答申

    [字数] 1,022字
    [備考] 2-6.にない漢字(表外漢字)について、印刷文字の標準字体が示されました。手書き文字の字体は、この表では対象としていません。
    [資料] 19
    [ウェブサイト]
    文化庁>国語施策・日本語教育>国語施策情報>第22期国語審議会>表外漢字字体表外部サイトへのリンク

    2-8.常用漢字表(改定) 2010(平成22)年11月 内閣告示

    [字数] 2,136字
    [備考] 現行の漢字表です。2-6.は廃止となりました。
    [資料] 20, 21
    [ウェブサイト]
    文化庁>国語施策・日本語教育>国語施策情報>内閣告示・内閣訓令>常用漢字表(平成22年内閣告示第2号)外部サイトへのリンク
    文化庁>国語施策・日本語教育>国語施策情報>常用漢字表の音訓索引外部サイトへのリンク

    3.資料

    〈戦前〉
    〈戦後〉
    〈その他〉
    • 22.『国語施策百年史』国立国会図書館の所蔵情報へのリンク([文化庁] 2005 【KF32-H19】)
      「国語施策年表」は、資料23.にも掲載されています。
    • 23.文化庁>国語施策・日本語教育>国語施策年表外部サイトへのリンク
      上記『国語施策百年史』収録の国語施策年表のPDFファイルが掲載されています。
    • 24.佐藤喜代治 [ほか]編著『漢字百科大事典』国立国会図書館の所蔵情報へのリンク(明治書院 1996 【KF45-G15】)
      「V 国字問題、国語・日本語教育」(pp.148-163)があります。
    • 25.井之口有一 著『明治以後の漢字政策』国立国会図書館の所蔵情報へのリンク(日本学術振興会 1982 【KF32-24】)
      「五十音順各種漢字表字種比較一覧」(pp.275-392)に8種類の漢字表を収録しています。
    • 26.『国語国字教育史料総覧』国立国会図書館の所蔵情報へのリンク(国語教育研究会 1969 【KF32-3】)
      「綜合漢字表」(pp.831-878)に民間で作成された漢字表を含む10種類の漢字表を収録しています。
    • 国立国会図書館
    • 国立国会図書館オンライン
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