日本の前近代(古代〜江戸時代)における貨幣価値・物価(商品の値段・価格)・人件費(賃金・労賃)などの変遷を調べるための参考資料やウェブサイトを紹介します。ここでは東京本館人文総合情報室で開架している資料を中心に取り上げますが、さらに詳しく調べたい場合は、各資料の出典資料などを参照してください。
( )内は当館請求記号です。各専門室等で利用できる資料は請求記号に続けて次の略号で室名を示しています。
人文:東京本館人文総合情報室
科経:同 科学技術・経済情報室
関西:関西館総合閲覧室
※換算について
時代によって価値基準が異なるため、異なる時代間の換算(現代ではいくらに相当するか、など)は容易ではありません。正確な値は出せませんが、便宜的な方法の例として米価に換算して計算する方法があります。
(参考)
- 『時代考証事典』 稲垣史生著 新人物往来社 1971 (GB8-16)
後述
- 日本銀行金融研究所貨幣博物館HP
>「お金の歴史に関するFAQ」http://www.imes.boj.or.jp/cm/history/historyfaq/
> Q5.江戸時代の一両の現在価値はどのくらいですか?
※解説中の「期間」に含まれるすべての年のすべての値がわかるわけではありません。
古代
- 古代・中世都市生活史(物価)データベース (国立歴史民俗博物館提供)
http://www.rekihaku.ac.jp/up-cgi/login.pl?p=param/ktsb/db_param
期間:おおむね8世紀(700年代)〜16世紀(1500年代)
内容:史料から価格関係の部分を抽出したデータベース。
品名や品目を始め年代や貨幣分類、地域など様々な条件で、種々の物品・サービスの価格を検索できます。 - 『読史備要』 講談社 1966 (210.036-To456t) 人文・関西
・「金銀米銭相場一覧」(pp.743-773)
期間:天平宝字2(758)〜文政8(1825)
内容:米・金・銀・銭の取引価格
中世
- 古代・中世都市生活史(物価)データベース (国立歴史民俗博物館提供)
http://www.rekihaku.ac.jp/up-cgi/login.pl?p=param/ktsb/db_param
期間:おおむね8世紀(700年代)〜16世紀(1500年代)
内容:史料から価格関係の部分を抽出したデータベース。
品名や品目を始め年代や貨幣分類、地域など様々な条件で、種々の物品・サービスの価格を検索できます。 - 『読史備要』 講談社 1966 (210.036-To456t) 人文・関西
・「金銀米銭相場一覧」(pp.743-773)
期間:天平宝字2(758)〜文政8(1825)
内容:米・金・銀・銭の取引価格 - 『日本史総覧』3巻.中世2 新人物往来社 1984 (GB8-122) 人文・関西
・「中世米価表」(pp.46-57)
期間:寛喜元(1229)〜天正19(1591)
内容:1石当たりの米価 - 『日本史資料総覧』 東京書籍 1986 (GB8-152) 人文・関西
・「中世物価表(米・金・銀・銭の価格)」(pp.141-147)
期間:応仁1(1467)〜慶長8(1603)
内容:1石当たりの米価(主に京都での取引) 金1両・銀1匁・銭1貫文に相当する米の量や他貨幣価値
・「中世物価表(農具の価格)」(p.148)
期間:天文17(1548)〜天正16(1588)
内容:鋤・鍬・鎌・草衝・箕・簣(あじか)の価格(永禄11(1568)年の奈良を除き京都での取引)
・「中世物価表(紙・炭・茶・酒・麹・塩・大豆の価格)」(pp.149-153)
期間:応仁1(1467)〜慶長8(1603)
内容:主に京都・奈良での取引による価格 - 『新編日本史辞典』 東京創元社 1990 (GB8-E33) 人文・関西
・「中世末・近世初頭物価表」(pp.1202-1211)
期間:応仁1(1467)〜寛永19(1642)
内容:京都・奈良における金・銀・銭価、大豆・豆腐・塩・酒・油・杉原紙の価格
近世
様々な品目の価格・料金・相場がわかるもの
- 『近世賃金物価史史料』(改訂版) 小柳津信郎著 成工社出版部 2006 (DF58-H39) 人文・科経
江戸初期から幕末における、貨幣相場・給金・不動産(田畑・家屋)・家賃・各種料金・食品・生活用品・農具など約100項目の価格が、項目別・年代順に一覧できるようになっています。当時の貨幣制度にも触れています。 - 『江戸物価事典』(江戸風俗図誌 第6巻) 小野武雄編著 展望社 1979 (DC48-79) 人文・科経・関西
江戸時代における、様々な品目の価格の変遷や関連事項を解説しています。価格変遷を一覧できるものが一部あります。また貨幣制度や経済政策についても述べています。索引はありません。 - 『江戸生業物事典』(新装版) 三好一光編 青蛙房 2002 (GC67-H11) 人文・科経・関西
職業・医薬・飲食物などを解説する中で、関係する価格や相場にも一部触れています。 - 『新編日本史辞典』 東京創元社 1990 (GB8-E33) 人文・関西
・「中世末・近世初頭物価表」(pp.1202-1211)
期間:応仁1(1467)〜寛永19(1642)
内容:京都・奈良における金・銀・銭価、大豆・豆腐・塩・酒・油・杉原紙の価格 - 『時代考証事典』 稲垣史生著 新人物往来社 1971 (GB8-16) 人文・関西
・「貨幣と物価」(pp.293-300)
具体的な価格や相場には触れていませんが、江戸時代の三貨(金・銀・銭)の使い分けや換算方法、物価の割り出し方法を解説しています。
米・貨幣の価値・相場の変遷がわかるもの
- 『読史備要』 講談社 1966 (210.036-To456t) 人文・関西
・「金銀米銭相場一覧」(pp.743-773)
期間:天平宝字2(758)〜文政8(1825)
内容:米・金・銀・銭の取引価格 - 『日本史資料総覧』 東京書籍 1986 (GB8-152) 人文・関西
・「近世相場表(米相場)」(pp.154-164)
期間:慶長1(1596)〜慶応3(1867)
内容:主に京都・江戸・大坂における年ごと1石当たりの米価
・「近世相場表(金・銀・銭相場)」(pp.165-179)
期間:慶長1(1596)〜慶応3(1867)
内容:江戸・京都・大坂における年ごとの相場 金1両相当の銀(江戸・大坂)、金1両相当の銭(江戸)、銀1匁相当の銭(京都)、銭1貫文相当の銀(京都・大坂)の値
・「付 江戸時代貨幣一覧」(p.140)
内容:小判に対する主な他貨幣(大判・1朱金・1分銀など)の価値 - 『日本史総覧』 4巻.近世1 新人物往来社 1984 (GB8-122) 人文・関西
・「近世貨幣相場一覧」(pp.546-575)
期間:慶長1(1596)〜慶応3(1867)
内容:江戸・京都・大坂における年ごとの相場 金1両相当の銀(江戸・大坂)、金1両相当の銭(江戸)、銀1匁相当の銭(京都)、銭1貫文相当の銀(京都・大坂)の値
・「近世米価一覧」(pp.587-612)
期間:慶長1(1596)〜慶応3(1867)
内容:出羽・会津・信濃・江戸・名古屋・京都・大坂・広島・熊本・その他における年ごとの1石当たりの米価 - 『岩波日本史辞典』 岩波書店 1999 (GB8-G37) 人文・関西
・「近世米価・金銀比価変遷表」(pp.1616-1617)
期間:承応1(1652)〜慶応3(1867)
内容:江戸・大坂における年ごとの1石当たりの米価・金1両相当の銀 - 『日本歴史大事典. 4』 小学館 2001 (GB8-G45) 人文・関西
・「近世米価・貨幣相場一覧」(pp.308-310)
期間:元禄7(1694)〜明治4(1871)
内容:江戸・大坂における年ごとの相場 1石当たりの米価・金1両相当の銀(江戸・大坂)、金1両相当の銭(江戸)、銀1匁相当の銭(大坂)
関連情報
[last access:2012.11.2]