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[アーカイブ] 水質汚濁について調べる

この記事は2013年11月26日で更新を停止しました。

目次
1. 水や水質汚染に関する事典・ハンドブック
2. 水質汚濁対策一般
3. 水質汚染対策技術・装置
4. 水質調査の報告書など
5. 水質汚濁に関するインターネット情報

日本における水質汚濁の歴史は明治時代の足尾銅山の鉱毒水に始まり、工業化とともに富山県のイタイイタイ病、熊本県の水俣病などが発生しました。そこで国は水質に関する法令を制定し、水質汚濁の改善に努力してきました。ここでは主に、日本における公共用水域(河川、湖沼、港湾、沿岸など)の水質汚濁について調べる際に参考となる資料、インターネット情報を紹介します。(【 】は当館請求記号です。)

[水質汚濁の原因]
 (典拠:『水の百科事典』ic_ref.png) 【M2-G46】)

・有機物による汚濁・・・工場や家庭から排出される有機物が原因です。好気性微生物による有機物の二酸化炭素や水への分解である自浄作用を超えた場合、水中の酸素が不足し、硫化水素やアンモニアなどが生じ、水質汚濁となります。

・富栄養化による汚濁・・・工場排水・生活排水、農業排水などに含まれるリン、窒素が原因です。水の流れが停滞する河川・湖沼・海洋に、リン、窒素などの栄養塩類が大量に流入すると、これらを栄養源として植物性プランクトンや藻が異常発生し、水が赤褐色や茶褐色になり、赤潮やアオコが発生します。

・有害物質による汚濁・・・工場排水などに含まれるカドミウム、水銀などの重金属類やPCB(ポリクロロビフェニル)などが原因です。食物連鎖を通じ、生物濃縮されて人体の健康に影響を及ぼします。

 これらの水質汚濁に対して国は法令で規制をしています。水質汚濁については、「環境基本法」第16条に環境基準の設定に関する規定があります。環境基準は、人の健康を保護し、及び生活環境を保全する上で維持することが望ましい基準をいい、環境保全の施策を実施していく上での行政上の目標として定められたものです。また、工場排水には「水質汚濁防止法」を制定しています。

「環境基本法」ic_link.png 第16条の水質汚濁に関わる環境基準
(典拠:「公共用水域の水質測定結果データの説明(測定項目)」 ic_link.png((独)国立環境研究所 環境数値データベース/環境GIS))

対象:公共用水域と地下水
・生活環境項目
(水素イオン濃度指数(pH)、溶存酸素量(DO:Dissolved Oxygen)、生物化学的酸素要求量(BOD:Biochemical Oxygen Demand)、化学的酸素要求量(COD:Chemical Oxygen Demand)、浮遊物質量(SS:Suspended Solid)、全窒素、全リンなど)
・健康項目(26項目)
(カドミウム、全シアン、鉛、六価クロム、ひ素、総水銀、アルキル水銀、PCB、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、ふっ素、ほう素など)


★水質汚濁防止法 (昭和45年制定、最終改正平成25年)

対象:工場及び事業場から公共用水域に排出される水の排出及び地下に浸透する水の浸透の規制


1.水や水質汚染に関する事典・ハンドブック

『水の事典』ic_ref.png(朝倉書店 2004.6 【PA225-H32】)
 3部構成になっており、水についての科学的な基礎事項から植物や生態系と水の関係、水と現代社会の関係、水と人体の関係について解説しています。2部「水と社会」の中に「水質と汚染」の章があり、水質汚濁の歴史、湖沼における富栄養化、地下水汚染、海洋の水質汚染などについて掲載しています。

『水の百科事典』ic_ref.png(丸善 1997.9 【M2-G46】)
 構成は総論と各論となっており、総論では水の化学的性質や水と環境問題、水資源と人との関係について解説しており、各論では水に関連する用語を五十音順で排列しています。

『水の総合辞典』ic_ref.png(丸善 2009.1 【PA2-J23】
 水に関する用語を学術用語、専門用語だけではなく、季語、ことわざなども広く採録した辞典です。採用後数は5500語。排列は五十音順、巻末には水質汚濁に係る環境基準、水質基準の国際比較などの付録があります。

『水質用語事典』ic_ref.png(三好康彦著 オーム社 2003.11  【NA2-H27】)
 工場などの排水処理担当者や公害防止管理者試験などの資格試験受験者に向けた資料です。排水に含まれる化学物質に関する用語などを五十音順、かつ英語併記で解説しています。巻末には英和索引があります。

『水環境ハンドブック』ic_ref.png(朝倉書店 2006.10 【NA2-H71】 )
 本編は「場」、「技」、「物」、「知」の4章から成り、水環境に関する知識を包括的に記載しています。「場」では河川、湖沼、湿地、沿岸海域・海洋、地下水・土壌等、「技」では浄水処理、下水・し尿処理、排出源対策・排水処理等、「物」では有害化学物質、水界生物、健康関連微生物等、「知」では環境微量分析、バイオアッセイ、アセスメント等について解説しています。巻末には水環境関連年表や世界・日本の水環境とその管理についての付録があります。


2. 水質汚濁対策一般

●『新・公害防止の技術と法規 : 公害防止管理者等資格認定講習用. 水質編』 (産業環境管理協会 年刊)
 公害防止管理者等資格認定講習用テキストの水質編です。水質汚濁に関する情報を包括的に得られる資料です。法令による規制や基本的施策のほか、水質汚濁を防止するための技術や、測定・分析方法について詳細に記載しています。全体は5部構成です。Ⅰ部「公害総論」では環境基本法と環境関連法、最近の動向などについて概説し、Ⅱ部「水質概論」では水質汚濁防止対策のための法規制の仕組み、現状、発生源、人や水生生物などに対する影響、対策などをまとめています。
 Ⅲ部「汚水処理特論」では汚水の処理法について、Ⅳ部「水質有害物質特論」では特定の有害物質が含まれた排水の処理方法について、Ⅴ部「大規模水質特論」では大規模設備での水質汚濁防止対策の事例などについて記載しています。

『全国の水質規制値. 平成18年・19年版』ic_ref.png(アイピーシー, 2006.9. 【NA217-H1617】 )
 上・下巻があります。上巻では北海道から奈良県まで、下巻では和歌山県から沖縄県までの各都道府県の水質規制値についてまとめています。主要河川図、類型指定水域、排出水の規制値、水環境の保全などの項目があります。また下巻には水質関係法令等を記載しています。


3. 水質汚染対策技術・装置

『実用水の処理・活用大事典』ic_ref.png(産業調査会事典出版センター 2011.10 【NA2-J60】)
 水環境・水処理技術に係る、原理的な解説、各種産業排水等の個別事例にたいする処理技術の例示・解説、処理施設の管理技術にかんする解説を現場技術者のレベルから書いています。「I 世界の水事情編」、「II 水の処理技術編」、「III 水の利用・資源化技術編」、「IV 先端的水処理技術編」、「V 実用水処理技術編」の5章で構成されています。

『水処理・水リサイクル技術の最先端』ic_ref.png(東レリサーチセンター調査研究部 2012 .11 【NA224-J167】)
 5章からなっており、主に産業排水の処理を対象とし、高度処理を含む排水処理・リサイクル技術などを中心に、水処理を総合的に解説した資料です。第1章では、水問題、水質汚濁の現状、排水処理の技術の概要などについて、第2章ではろ過、浮上分離、凝集沈殿、膜分離、吸着、酸化・分解、電気化学的処理などの物理・化学的な排水処理技術について、第3章では、好気性処理、嫌気性処理、窒素・リンの除去、発生汚泥の減量化などの生物学的な排水処理技術について、第4章では各種産業排水の処理の実際、第5章では排水からの水・物質回収、リサイクル技術の現状について記載しています。


『環境技術・装置大事典 : 環境汚染防止のための. 1』ic_ref.png(産業調査会事典出版センター 2003.2 【NA2-H6】)
『環境技術・装置大事典 : 環境汚染防止のための. 2(メーカー・製品資料編)』ic_ref.png(産業調査会事典出版センター 2003.2 【NA2-H7】)
 環境汚染対策に関連する技術や装置についてまとめた資料です。1巻の「第3編 水環境保全技術と装置」では排水処理、富栄養防止、脱臭に関わる装置や測定装置について豊富な図により解説しています。また2巻のメーカー・製品編ではメーカーと製品を写真とともに紹介しています。水質汚濁防止装置・器材についての項目は25件あります。

『環境計測器ガイドブック』 ic_ref.png(第6版 環境コミュニケーションズ 2006.7 【NA217-H1340】)
 環境測定器についてまとめた資料です。技術解説編では表、図などを用いて測定原理をわかり易く解説しています。水質汚濁については、「2、水質汚濁計測器」でpH、溶存酸素、濁度・色度、COD(Chemical Oxygen Demand:化学的酸素要求量)、TOC(Total Organic Carbon:全有機体炭素量)、リン、油分など各種測定器について、製造会社名と製品説明を掲載しています。
目次情報はこちら(当館作成目次データベース)を参照ください。


4. 水質調査の報告書など

『環境白書・循環型社会白書/生物多様性白書 』ic_ref.png(日経印刷 年刊 【Z71-K159】)
 環境省が毎年刊行する環境に関する白書です。平成27年版の「第2部 第4章 第4節 水環境の保全対策」では、水環境の保全への取り組みについてまとめています。
なお、環境省のホームページ上で「環境白書・循環型社会白書/生物多様性白書」ic_link.pngの閲覧が可能です(平成21年度~)。

●『水質汚濁物質排出量総合調査調査結果報告書』 (環境省水・大気環境局水環境課 年刊)
 環境省の委託により実施された水質汚濁物質排出量の調査報告書です。水質汚濁防止法の規制対象工場・事業場における水質汚濁物質の排出量等の調査をまとめたものです。巻頭に調査対象工場事業場数、稼働状況、用排水量及び排水処理方法などの集計結果についての図表があります。
なお、環境省のホームページ上で「水質汚濁物質排出量総合調査調査結果報告書」ic_link.pngの閲覧が可能です(平成12年度~)。

●『日本河川水質年鑑』 (日本河川協会 年刊)
 国土交通省が一級河川の直轄管理区間において定期的に実施した水質調査の結果をまとめた資料です。全体は3部構成になっており、第1章は全国一級河川の水質概況、第2章は地方別の水質状況、第3章は、第1章、第2章に記載されている内容の数値データになっています。

『水質年報』ic_ref.png(水資源機構 年刊 【YH247-282】)
 独立行政法人水資源機構が管理している施設の水質状況や経年変化、植物プランクトンの発生状況などの調査についてまとめた資料です。「第I編 概要」では水資源機構が管理している施設全体の概況を図やグラフを用いて解説しています。「第II編 個別施設の状況」では各ダム、用水、河口堰などでの水質調査の結果を閲覧できます。
なお、水資源機構ホームページ上で「水質年報」ic_link.pngの閲覧が可能です(平成15年~)。

『公共用水域水質測定結果』ic_ref.png(環境省水・大気環境局 年刊 【Z16-2720】)
 河川、湖沼、海域など国または都道府県が定めた類型指定水域の環境基準項目とトリハロメタン生成能及び要監視項目について調査した報告書です。過去約30年間の各類型別水質の推移が表になっています。
なお、環境省ホームページ上で「公共用水域水質測定結果」ic_link.pngの閲覧が可能です(平成10年度~) 。

『地下水質測定結果』ic_ref.png(環境省水・大気環境局 年刊 【Z16-2738】)
 環境基本法第16条に基づく「地下水の水質汚濁に係る環境基準について」ic_link.png に記載されている28項目の基準値を全国の地下水を対象に調査した報告書です。地域の全体的な地下水質の状況を把握するための概況調査、新たに発見された汚染について汚染範囲を確認するための汚染井戸周辺地区調査、汚染が確認された後の継続監視調査が収載されています。
なお、環境省ホームページ上で「地下水質測定結果」ic_link.pngの閲覧が可能です(平成7年度~)。

『海洋汚染調査報告』ic_ref.png(海上保安庁海洋情報 年刊 【Z43-1082】)
 海上保安庁海洋情報部が「海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律」ic_link.png 第46条に基づき、東京湾、駿河湾、伊勢湾など12の主要湾域における海水及び海底堆積物を採取し、汚染物質の濃度分布、外洋への拡散状況、経年変化を調査した報告書です。
なお、海上保安庁海洋情報部ホームページ上で「海洋汚染調査結果と概要」の「海洋汚染調査報告」ic_link.pngの閲覧が可能です(平成11年~)。


5. 水質汚濁に関するインターネット情報

水道水質情報ic_link.png(厚生労働省)
 水道水質基準などの水道水質情報を調べることができます。また、 水道水質データベースic_link.png(公益社団法人 日本水道協会)で日本各地の原水、浄水場出口水、給水栓水、浄水の水質についてのデータを閲覧できます。

環境GISic_link.png(独立行政法人 国立環境研究所)
 都道府県別の公共用水域水質測定結果やダイオキシン調査(公共用水域水質/公共用水域底質/地下水)や日本周辺海域における海洋環境の状況を閲覧できます。

環境数値データベースic_link.png(独立行政法人 国立環境研究所)
 都道府県別の公共用水域水質測定結果の閲覧ができます。年度や項目分類(生活環境項目など)、水域(河川/湖沼など)などの項目に絞った検索も可能です。

★上水道の水質については、調べ方案内「水質データ(上水道水)」もあわせてご覧ください。

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