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[アーカイブ] 生物季節観測(○○前線)について調べる

この記事は2014年8月14日で更新を停止しました。

生物季節観測について調べるための資料には、以下のようなものがあります(【 】内は当館請求記号です)。

[目次]
1. 生物季節観測
2. 『生物季節観測指針』 
3. 観測結果を調べる(平年値、累年値)

 

1. 生物季節観測

生物季節観測とは、生物(動植物)に及ぼす気候の影響や季節の遅れなどを知るために、生物の状態の季節による変化についての観測で、人の手を加えたものではなく、自然に近い状態の生物を対象としています。日本においては、1953(昭和28)年に「生物季節観測指針」が制定されたことにより、全国規模で一定の基準による生物季節観測が開始されました(1953年以前も生物季節観測は行われていましたが、観測方法が統一されたのは1953年です)。現在は、以下の種目を対象に生物現象の観測が行われています。

観測種目:規定種目と選択種目に大別されます。

*規定種目(Nationwide subjects)
指定されたすべての気象官署が観測する種目で、日本全国に広く分布している生物を対象にして、気象官署観測業務規程第69条及び71条に定められています。植物12種目(ウメ、ツバキ、タンポポ、サクラ、ヤマツツジ、ノダフジ、ヤマハギ、アジサイ、サルスベリ、ススキ、イチョウ、カエデ)と動物11種目(ヒバリ、ウグイス、ツバメ、モンシロチョウ、キアゲハ、トノサマガエル、シオカラトンボ、ホタル、アブラゼミ、ヒグラシ、モズ)が対象となっています。

*選択種目(Supplemental regional subjects)
各気象官署が種目を選択して観測するもので、規定種目だけでは季節の推移を十分に示すことができない場合に、その不十分な期間を補ったり、全国的には分布していないが特定の地方に広く分布していて、その地方の季節の遅れ進みを知るのに適していたり、分布は広くないがその地域の気候や産業との関係が密接で、一般の関心が深いなどの生物を対象にしています。植物では、クワ、スイセン、スミレ、シバ、シロツメクサ、カラマツ、チヤ、シダレヤナギ、ヤマブキ、リンゴ、カキ、ミカン、ナシ、モモ、キリ、ホオノキ、キキョウ、ヤマユリ、ヒガンバナ、ノアザミ、サザンカなどが、動物では、ニホンアマガエル、カナヘビ、トカゲ、シマヘビ、アオダイショウ、アキアカネ、クマバチ、セグロアシナガバチ、ハルゼミ、カッコウ、エンマコオロギ、キリギリス、ツクツクホウシ、ミンミンゼミ、ニイニイゼミ、マガンなどが対象となっています。

これらの種目を対象に、発芽、開花、満開、紅(黄)葉、落葉、初見日、初鳴日、不時現象(狂い咲きなど)を観測しています。

観測結果から地図上に開花日(初鳴日、初見日など)の等しい地点を結んだものを、気象庁では「○○の開花日(初鳴日、初見日など)の等期日線図(とうきじつせんず)」、「○○の開花(初鳴、初見など)予想日の等期日線図」としています。これらがいわゆる「○○前線」と呼ばれるものです。

参照:
『生物季節観測指針』国立国会図書館の所蔵情報へのリンク(第3版 気象庁 1985.3 【RA141-109】) pp.1-8
『気象科学事典』国立国会図書館の所蔵情報へのリンク(東京書籍 1998.10 【ME2-G13】) p.75、p.280
『NHK気象ハンドブック』国立国会図書館の所蔵情報へのリンク(改訂版 日本放送出版協会 1996.10 【ME111-G14】) pp.70-72
『気象年鑑』国立国会図書館の所蔵情報へのリンク(気象業務支援センター 年刊 【Z43-1077】) 2005年版 pp.136-137
『ニッポンの二十四節気・七十二候』国立国会図書館の所蔵情報へのリンク(誠文堂新光社 2008.1 【ME181-J4】)

 

2. 『生物季節観測指針』 気象庁編 (第3版の書誌事項は上記に記載)

生物季節の観測精度の向上のために観測方法の細部を解説したものです。1947年の国際気象会議(於ワシントン)にて世界の生物季節表作成の勧告が議決され、それに応じて、日本の生物季節表を提出するためには観測方法の統一・精度向上が必要だという認識が強まりました。
 
1952(昭和27)年5月から10回開催された生物季節観測法審議委員会を受けて、1953年1月に『生物季節観測指針』初版が中央気象台より刊行されました。現在は、1985(昭和60)年に刊行された『生物季節観測指針』第3版に基づき観測が行われています。
 
第3版は、「第1章 総説」、「第2章 生物季節現象の観測法」、「第3章 植物季節観測」、「第4章 動物季節観測」、「第5章 生物季節観測原簿及び生物季節観測累年表」、「第6章 生物季節観測報告」の6章構成となっています。第3章及び第4章では、種目ごとに形態や観測法の解説が付されています。

 

3. 観測結果を調べる(平年値、累年値)

  • 「生物季節観測の情報」外部サイトへのリンク(気象庁)(http://www.data.jma.go.jp/sakura/data/index.html)
    社会的関心が高い動植物10種(うめ、さくら、あじさい、いちょう、かえで、うぐいす、つばめ、もんしろちょう、ほたる、あぶらぜみ)の観測方法と等期日線図の平年値(1981~2010年の平均)が掲載されているほか、さくらについては「過去のさくらの開花日」(1953年~)、「過去のさくらの満開日」(1981年~)、本年の開花状況、満開状況のデータも掲載されています。
  • 『気象年鑑』国立国会図書館の所蔵情報へのリンク(気象業務支援センター 年刊 【Z43-1077】)
    2008年版では、「生物季節」の項(pp.122-123)に前年の概況とウメ、サクラ、アジサイ、サルスベリ、カエデ、ウグイス、アブラゼミの主な地点における生物季節観測値が掲載されています。
  • 『気象庁技術報告』国立国会図書館の所蔵情報へのリンク(気象庁 【Z15-112】
    110号(1988.03)が「生物季節観測30年報」となっています。生物季節観測の沿革、概要のほかに、気象官署ごとの生物季節観測累年値表(1953-1985)が掲載されています。
  • 『生物季節に関する解説資料. 2』国立国会図書館の所蔵情報へのリンク(気象庁観測部 1993.2 【RA241-E4】)
    気象庁による解説資料の第20号です。観測技術の解説が主な内容となっていますが、巻末に資料として、規定種目の官署別・10年ごと(1961-1970、1971-1980、1981-1990年)の累年平均値や平年値(1961-1990年)による等期日線図などが掲載されています。
  • 『四季・動植物前線 : 百種の前線図を収載』国立国会図書館の所蔵情報へのリンク(百瀬成夫著 技報堂出版 1998.3 【RA141-G31】)
    「第一部 季節の概念と生物季節」、「第二部 四季と動植物前線」の2部構成です。第一部では、季節の概念、各季節にあらわれる生物の変化や人々との関りについてまとめてあります。第二部では、植物約70種目、動物約30種目の前線図が記載されています。気象庁の観測項目にない種目については、各地の植物園などの資料をもとに前線図を作図し、掲載しています。このほか、第一部には、「各国にみる生物季節観測の小史」として、ごく簡潔に各国の状況が記載されています。詳細なデータは掲載されていませんが、多様な生物の生物季節について概要をつかむことができます。
  • 「季節の便り」外部サイトへのリンク(お天気プラザ)(http://tenki.wet.co.jp/kisetsu/index.html)
    各気象台が観測した規定種目、選択種目の生物季節観測の結果が、2005年6月分から掲載されています。
  • 「主な気象官署の所在地と電話番号」外部サイトへのリンク(気象庁)(http://www.jma.go.jp/jma/kishou/link/link2.html)
    全国の気象官署のホームページへのリンクが張られています。各気象官署では、それぞれ生物季節観測の結果を公表しています。例えば、熊本地方気象台の生物季節観測外部サイトへのリンクでは、規定種目に関しての今年、昨年、一昨年の観測結果、平年値、最早及び最遅観測日が掲載されています。


※以下の資料も有用のようですが、2014年8月14日現在当館未所蔵です。

  • 『生物季節観測』外部サイトへのリンク(気象業務支援センター)
    1953年~2006年12月の生物季節観測値を種目別、地点別にCD-ROM1枚に収録しています。
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