ISO規格

ISO規格とは

ISO規格は、国際標準化機構外部サイト(ISO: International Organization for Standardization)が制定する国際規格です。ISOは各国の代表的な標準化機関によって組織される非政府間国際機関で、電気・電子分野および電気通信分野を除く全ての産業分野について、国際的な標準化を行っています。日本からはJISを制定する日本産業標準調査会(JISC)が代表として参加しています。
規格は、その規格を制定した団体の種類・規模によって、適用範囲が異なってきますが、ISOやIEC外部サイト(国際電気標準会議)といった国際機関が制定した国際規格は全世界で適用されます。また、近年は国家規格などを制定・改訂する際に、国際規格と整合性を持つことが義務付けられており、日本においてもISO規格とJISとの整合化がはかられています。
昨今では、ISO9000シリーズ(品質マネジメントシステム・監査)やISO14000シリーズ(環境マネジメントシステム・監査)の規格が官公庁において採用されるなど、マネジメントシステムの規格が注目を集めています。

ISO規格の規格番号

規格番号は「ISO」で始まり、その後ろに番号、発行年が付記されます(例:ISO 9000:2005)。ひとつの規格が複数のパートに分かれる場合は、番号に続けてハイフン、枝番が表示されます(例:ISO 10161-2:2014)。
また、規格番号の前後に、以下のような記号がつくことがあります。

ISOの後につく各記号

  • TS(Technical Specification 技術仕様書)
    将来的にISO規格として採用される可能性があるが、標準化の対象が開発途上であるなど、ISO規格として直ちに発行できない場合に発行される文書です。
  • PAS(Publicly Available Specification 公開仕様書)
    新しい技術など、緊急に標準化が必要となった技術に関して、ISO委員会内での国際的な合意を表す文書です。
  • TR(Technical Reports 技術報告書)
    通常の国際規格とは異なる種類の調査データなどを、参考文書として発行したものです。
  • Guide(ガイド)
    標準化に関する規則や方向付けなどを示した文書です。
  • DIS、FDIS((Final)Draft International Standard(最終)国際規格案)

規格番号の後につく各記号

  • ADD1、ADD2...(Addendum)追補票であることを示します。
  • AMD1、AMD2...(Amendment)修正票であることを示します。

ISOの前後につく他の規格制定団体の略称

  • ISOと他の標準化団体が合同で制定した規格は、次のように表示されます。
      例:ISO/IEC 27001(IEC:国際電気標準会議と合同で制定)
        ISO/ASTM 51276(ASTM:米国材料試験協会と合同で制定)
  • 各国の国家規格など、他の規格制定団体がISO規格を自機関の規格として採用した場合は次のように表示されます。言語が異なる場合がありますが、内容はISO規格と同じものです。
      例:BS ISO 10110 (イギリス規格の例)
        DIN ISO 10110 (ドイツ規格の例)

国立国会図書館における所蔵範囲

  • 規格票(英語版・邦訳版)
    ISOの個々の規格は基本的に規格票という小冊子形式で発行されます。国立国会図書館では英語版の規格票を継続的に購入しており、関西館でのべ48,000件以上を所蔵しています(2023年2月現在、改訂規格等含む)。また、日本規格協会が作成・発行する邦訳版を関西館で所蔵しています。近年はCD-ROM形式で所蔵しているものもあります。
  • ISO Standards Handbook
    分野ごとに関連するISO規格の全文を収録したA5判のハンドブックです。最新版を東京本館の科学技術・経済情報室で所蔵しています。ハンドブックに収録されていないISO規格もありますので、ご注意下さい。

所蔵資料の検索方法

国立国会図書館で所蔵するISO規格は、国立国会図書館サーチで所蔵を確認することができます。

規格票(英語版・邦訳版)

  • 「キーワード」の欄に規格番号を入力して検索してください。検索がうまくいかないときは、規格番号の前後に半角アスタリスク(*)をつけて検索してみてください。「タイトル」や「著者」では、ほとんどの場合検索できません。
  • 一つの番号でも、現行の規格、改訂された規格、廃止された規格、邦訳版、対応する国家規格(JIS規格等)、AMD(修正票)などの複数の規格が検索されることがあります。一覧表示だけでなく、書誌詳細表示も確認してください。

    例:「ISO 14004*」で検索した場合、次のような規格票が検索されます
    1.ISO 14004:2016 現行の規格です。
    2.ISO 14004:2004(改定規格) 改訂される前の規格です。
    3.ISO 14004:2016(邦訳) 日本規格協会による邦訳版です。

※ご不明の場合には、関西館資料案内(0774-98-1341)までお問い合わせください。

ISO Standards Handbook

国立国会図書館サーチ詳細検索画面で検索できます。

  • 資料種別の「図書」を選択して検索します。
  • タイトルの欄に「"ISO Standards Handbook"」と入力して検索してください。

規格番号が分からないときには

ISOのホームページや日本規格協会(JSA)のホームページで規格の標題から規格番号を調べることができます。どちらのホームページでも、検索結果から規格票を購入することができます。

  • ISO: International Organization for Standardization外部サイト(国際標準化機構)
    検索画面外部サイトにアクセスし、標題やキーワードを入力して検索します。「Advanced search for standards」に進むと、制定委員会や文書の種類などからも検索することができます。現在有効な規格のみを検索することも可能です。検索結果では、その規格内容の要約や、修正票の有無などを見ることができます。
  • JSA Group Webdesk外部サイト(日本規格協会)
    ISO規格検索外部サイトにアクセスし、標題や発行年月日を入れて検索します。現在有効な規格のみを検索することができます。標題の日本語訳でも検索することが可能です。検索結果では、邦訳版の有無、対応するJIS規格の有無などを見ることができます。

国立国会図書館での利用

6-1. 閲覧

  • 規格票(英語版、邦訳版とも)
    関西館及び東京本館でご覧いただけます。東京での閲覧は関西館からの取寄せとなります。ただし、CD-ROM形式で所蔵しているものについては取寄せができません。所要日数は最短で3開館日です(国立国会図書館サーチで申し込む場合は最短で6開館日)。取寄せには利用者登録が必要です。詳しくは国立国会図書館の利用者登録(個人)についてをご覧ください。
  • ISO Standards Handbook
    東京本館の科学技術・経済情報室で所蔵しており、東京本館の館内でご覧いただけます。

6-2. 複写

著作権法の制約により、複写できる範囲は各規格の半分までです。複写のお申込についての一般的なご案内は複写サービスをご覧ください。ただし、CD-ROM形式で所蔵しているものについては複写ができません。

6-3. 図書館間貸出し

規格票、ISO Standards Handbookともに図書館間貸出しができません。

国立国会図書館以外での閲覧/入手手段

参考

【 】内は当館請求記号です。

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